沖縄観光情報:藍染・フクギ染め×手織りの希少ストール - 石垣島 島藍農園から -

藍染・フクギ染め×手織りの希少ストール - 石垣島 島藍農園から -

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初回投稿日:2015年12月18日
 最終更新日:2024年02月13日

藍染・フクギ染め×手織りの希少ストール - 石垣島 島藍農園から -

島藍農園は、石垣島の伝統工芸を、都会でも身につけられるファッショナブルなデザインに昇華させた新時代の工房です。
 
「技術を劣化させずに次世代に受け継ぐためには、担い手がその技術で暮らしを立てていけることが大切」と語る大濵 豪さんは、ミンサー織のエキスパートを祖母に持ち、2人の妹さんは紅型とフクギ染めを手がける生粋の伝統工芸一家の出身。13年ほど前に島藍農園を立ち上げ、ナンバンコマツナギを使った二種類の藍色とフクギ染の黄色、これに白を加えたストライプのデザインで、バッグやペンケースなどの服飾雑貨を生み出してきました。

ペンケースなど
 
藍の原料は100%石垣島産のナンバンコマツナギ。ナンバンコマツナギ畑に寄り添うようにしてある工房での手しごとの様子は、以前にも沖縄CLIPで紹介しましたが(「石垣島のスローで真面目な藍染め工房、島藍農園」)、2015年3月に新発売したストールは、これまで通り自家栽培の藍で手染めした糸を、島内の織り手さんの手を借りてストールに仕立てた逸品。2人の織り手さんで1カ月に12枚しかつくれないという希少な品物です。

織の仕事
 
織の仕事は、縦糸に横糸を通して目を詰めていく地道な作業ですが、その段階に入る前には、縦糸を織り機にセットするプロセスもあります。綜絖と呼ばれる部分と筬と呼ばれる櫛のような部分に、それぞれ1本ずつ、糸を通していくのです。「ここで1本でも通し間違うと、後から絶対にごまかせない不具合が出てきます」と語るのは、織手のひとりである下地志織さん。県外から石垣島に移住した後、何か惹かれるものがあってミンサー織りを学びました。

志織さん
 
志織さんは、「ひとつひとつの仕事が、毎回同じようで違う。全く同じことは二度とできないところに、織の面白さがあります」と楽しげに語ります。意外なことに、生真面目で神経質な人よりも、大らかでバカ正直な人のほうが、織には向いているのだとか。「細かいところをいじりすぎると、糸も疲れるかな」と大らかに微笑みながら、自宅に設置した織り機で一目一目を織り上げています。

ストール
 
そうしてでき上がったストールは、女性であればシンプルリッチな普段着に、男性なら打ち解けた間柄に馴染むビジネスカジュアルに、そっと個性を与えてくれるはず。オーガニックコットンやリネンならではの自然素材は触れるごとに肌になじみ、さらっとして風をまとうような巻き心地です。

織り機にセット
 
ストールは、高級ブランド店からアジアの露店まで、世界中で売られています。その中で、石垣島の大らかな自然、人々の笑顔、ゆるりと流れる暮らしの時間と空間があってこそ生まれる”バカ正直”なストールは、ここにしかないもの。およそ30,000円という決して安くはない価格にもかかわらず、3月の発売以来、途切れることなく売れ続けている人気商品です。

ストール
 

浅倉彩 / フォトライター

沖縄CLIP編集部

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