沖縄観光情報:シマアシビ<久高島>旧正月シャクトゥイ

シマアシビ <久高島> 旧正月シャクトゥイ

post : 2016.03.05 21:00

 
沖縄の旧正月。「神の島」と呼ばれる久高島(くだかじま)では、外間殿(フカマドゥン)において、一年間の健康を祈願する盃事「シャクトゥイ」が奉行されます。
 
朝から空模様を眺めつつ、思い立ってふらりと久高島へ渡りました。南城市知念(なんじょうしちねん)の安座真港(あざまこう)から高速船で15分。沖縄本島からもっとも短い船旅です。2016年2月8日、この日はちょうどの旧正月の元旦でした。

 
旧正月の久高島へ訪れるのは二度目。2008年、初めて旧正月に来島した際は、前日から久高島に泊まりました。早朝、集落の小道ですれ違うおじさまも、おばあちゃまも、「今日はお正月だからね!」と、とても嬉しそうにウキウキしていた様子が思い起こされます。島の家々の軒先には一軒一軒、大きな日の丸の旗が掲げられていました。「日の丸がこんなにアチラコチラのお家の軒先に掲げられている!」。かつての日本のお正月風景なのでしょうが、昨今こんな風景に出会ったことがなかったので、少し驚いたことも印象に残っています。さて、8年振りの久高島の旧正はどうでしょう。
 
 
わずかな船旅から高速船を降りて集落を歩いていると、三線の音色がかすかに聞こえてきました。三線の音に導かれて会場へ来てみれば、たいへんな人だかり。以前よりもとっても観光客の方が増えています。この数年で、久高島の旧正月はインターネットですっかり知れ渡り、観光の方がとても増えたのだそう。これも時代ですね。

 
集落の創始者となる根家(ニーヤー)や島の神々を統合する大切な香炉が保管されている外間殿は、シャクトゥイの真っ最中でした。数え15歳から69歳までの「正人(ショウニン)」と呼ばれる島の男性たちがシャクトゥイの主役。シージャカタ(目上の方)から年齢順に、二人一組となって外間殿に上がり、神役の女性たちが見守るなか盃事が進められていきます。
 
盃事を終えて外間殿から下りると、軽快な沖縄民謡「唐船ドーイ」に合わせて、喜びを表現するカチャーシーを踊られます。少し照れたような表情の方、笑顔で大いに踊りまくる方、それぞれの喜びを体現する様子は見ていて楽しいものです。

 
シャクトゥイの最中、唄と三線と太鼓は止むことがありません。「安里屋ユンタ」、「鳩間節」、「屋慶名クワーディーサー」、「鳩間の港」などイロイロな曲が唄われます。ここでひとつクエスチョン。もっとも盛り上がる曲はなんだと思いますか? それはなんと、校歌! 理由は、久高島小中学校校歌は子どもから大人まで、島人全員がわかるからだそうです。島の人だけがわかる校歌。子どもも大人も口を大きく開けて、笑顔で校歌を歌う姿はとても一体感がありました。

 
シャクトゥイの後半、制服姿の島の少年たちの順番がまわってきました。数え15歳の少年は初めてのシャクトゥイ「ハツジャク(初酌)」となります。

 
制服姿で少し緊張した面持ちの少年たち。大人の仲間入りができるんだと希望と期待で胸が膨らむ15歳の少年たちにとって、ハツジャクは忘れられない青春の1ページとなるに違いありません。

 
幾つも踊られたカチャーシーのなかで、制服少年たちのカチャーシーがもっとも盛り上がります。というのも、少年の成長を喜び祝い、ご両親やご兄弟はもとより、ご親戚、友人たち、みんなが一緒になって踊るからです。喜び溢れるカチャーシーは、久高島旧正のクライマックスのように思えました。

 
最後には、外間殿から抜け出した神役の女性も笑顔でカチャーシー。小雨がぱらつく場面もありましたが、白装束から伸びるやわらかな手つきは、シャクトゥイが無事に奉行を終えたことを告げていました。

 
シャクトゥイのあと、島の方々は新年のご挨拶に家々を訪ねてまわるそう。帰りの最終便まで時間があったので、ガランとした外間殿をあとに、私はひとり、お気に入りのイシキ浜へ歩いて向かいました。島風を受けながらのんびり歩いていると、どこかのお家から太鼓の音や楽しげな笑い声が聞こえてきたのでした。
 
 
沖縄CLIPフォトライター 安積美加
 

 
 
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