沖縄観光情報:風がそよぎ、緑が揺れる小さな庭でいただく至福の一杯「珈琲屋台ひばり屋」

風がそよぎ、緑が揺れる小さな庭でいただく至福の一杯「珈琲屋台ひばり屋」

  • 味わう

初回投稿日:2016年06月08日
 最終更新日:2024年01月08日

風がそよぎ、緑が揺れる小さな庭でいただく至福の一杯「珈琲屋台ひばり屋」

これまで、通りから一歩入った秘密の花園のような場所で営業していた「珈琲屋台ひばり屋」が、新たな場所にお引っ越し。『その空間がまた素敵なんだよ』という噂を、何度も耳にしていました。
 
珈琲屋台ひばり屋
 
恋焦がれていたその場所へ、ようやく足を運べたのはつい先日。そこは、以前よりこじんまりしていたけれど、変わらぬ優しい空気に満ちていました。
 
珈琲屋台ひばり屋
 
ひばり屋を初めて訪れたのは数年前、沖縄に移住して1~2ヶ月たった頃のこと。当時、気になるスポットをあちこち巡っていて、そんなときに出合った場所でした。
 
珈琲屋台ひばり屋の席
 
心地よさそうに自分の時間を過ごす先客に混じって頼んだアイスコーヒーのおいしかったこと。わさわさと生い茂る緑が、ぎらつく太陽をさえぎって、心地いい風が吹いていたのを覚えています。
 
珈琲屋台ひばり屋
 
常連らしきお客さんが、店主の辻佐知子さんと楽しげに話していました。その様子を眺めていたら、親戚も友人もいない場所に暮らしはじめて心細かった緊張の糸がふっとやわらぎ、沖縄の空気の中に溶け込んだような心もちに。
 
辻さんと話したわけでもないのに、そこにいるだけで、ほっとするような安堵感。この地で見つけた「初めての居場所」のように思えました。
 
辻さんの、全てを受け入れてくれそうな大らかさと優しさと、風に揺れる緑とが、そんな気持ちにさせたのかもしれません。当時の私にとっては、それが泣けてくるほど嬉しかったのです。
 
珈琲屋台ひばり屋の席
 
そのやわらかな空気感が、新たな場所でスタートした「ひばり屋」にもすみずみまで満ちていました。
 
読書したり、仕事をしたり。空を眺めながらぼうっとする人、待ち合わせにつかう人。
 
それぞれに合わせて、辻さんはほどよい距離感を保ち、だからこそ皆思い思いにすごしている。そんな光景を見るだけでも気持ちがよくて、この場所の居心地のよさを改めて感じました。
 
深煎りアイスコーヒー
 
ひばり屋で、これからの暑い時期に飲みたいのが「深煎りアイスコーヒー」です。ここのドリンクは、どれも屋外で飲んでおいしいようにつくられていて、このコーヒーは苦味がとんがりすぎず、やさしすぎることもなく、すっきりとした飲み心地。日影で風を受けながらごくごく飲める、そんな味わいです。
 
深煎りアイスコーヒー
 
そして、おいしさの秘密がもうひとつ。うすはりグラスに注がれていること。くちびるにあたるグラスの薄くて軽やかなあたりが、より涼しさを運んでくれます。
 
暑いからこそ飲みたくなるのが「このさざなみサイダー」
 
もうひとつ、暑いからこそ飲みたくなるのが「このさざなみサイダー」。ほんのちょっとの塩とレモン果汁が入ったこのドリンク、サイダーの甘みとぴりぴりした炭酸とで、とにかくおいしい。 
 
なにをかくそう、1日中外にいる辻さんが暑い時に飲みたい!と思ってつくったものだから、夏にぴったり。ネーミングは、飲んだ瞬間にぴん!とひらめいたものだそうです。
 
珈琲屋台ひばり屋の席
 
「沖縄は風が気持ちいい場所です」
 
ふとつぶやいた辻さんの言葉が耳に残り、あたりを見渡すと、まだ小さな緑が風に優しく揺れていました。
 
「那覇の街にずっとありつづけたい」という辻さんの願いとともに、この店の緑はぐんぐん大きくなって、月日を追うごとに力強く色濃くなっていく。その様子を、ゆっくりと目に焼きつけていきたいと思います。
 
小道の入口にあるこのやかん
 
さいごに店の場所ですが、新しい「ひばり屋」は、モノレールの美栄橋駅(みえばしえき)から、迷わずたどりついたら徒歩30秒ほど。
 
目印は「美栄橋駅前」のバス停近くの、小道の入口にあるこのやかん。隣の小道を12歩進んでひょいと左に折れたら……
 
珈琲屋台ひばり屋の入り口
 
珈琲屋台ひばり屋の看板
 
奥に見えるこちらです。
 
深煎りアイスコーヒー
 
光に透ける葉を眺めながら、辻さんが手渡してくれる至福の一杯を味わって下さい。
 

珈琲屋台ひばり屋

小野暁子

~ もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP ~