沖縄観光情報:原料はカカオ豆とさとうきびの2つのみ、豆の仕入れから焙煎、板チョコになるまで全ての工程を自社工房で行う、「TimelessChocolate」

原料はカカオ豆とさとうきびの2つのみ、豆の仕入れから焙煎、板チョコになるまで全ての工程を自社工房で行う、「Timeless Chocolate」

post : 2016.06.23 18:00

 
ひとかけらの大きさの紙に包まれた小さなチョコレートは、試しに一口噛んでみると弾けるカカオのアロマと程よい苦味が口いっぱいに広がり、「ジャリ」っとした島ザラメという結晶の粗いきび糖独特の食感とともに、爽やかな酸味と甘みが追いかけてきた。とろけるような口どけの甘ったるいチョコレートを美味しいと思ってきた私は、そのカカオの存在感が強く甘みの少ないチョコレートのあまりの美味しさに、今までの概念を覆された。一度その味の虜になってから、家には常にTimeless Chocolateのストックがあり、来客には必ずひとつ食べてもらっている。広めたくなるほどに、そのチョコレートの美味しさが新しく衝撃的だったからだ。
 
 
カカオ豆からチョコレートへ。「Bean to Bar」とはカカオ豆の仕入から板チョコになるまでのチョコレート製造工程の全てを自社工房で一貫して行うやり方だ。キューバ、コロンビア、ガーナ、ベトナムなどそれぞれのカカオの産地の味と風合いを活かし、またそれに合う様々なテイストのサトウキビを組み合わせることで、個性豊かな味のバリエーションを生み出している。一般的なチョコレートはカカオバターやカカオパウダーなどに加工されたものを輸入し、様々な物を添加し固め、味付けをしている。しかしTimelessのチョコレートは余計なものは一切使用せず、カカオ豆とサトウキビのみだ。豆から作るチョコレートが目の前で搾る100パーセントフレッシュなオレンジジュースだとしたら、一般的なチョコレートは濃縮還元果汁を使用したオレンジジュースのようなもの。添加物を使用せず、挽きたての酸化が進んでいないカカオ豆から作られるチョコレートは、カカオ70パーセント以上のものでもチョコレート独特の胸焼けや頭痛などが出にくい。
 
「チョコレートはすごく繊細なもので、温度によって艶がでなかったりします。こだわりの粒子の大きさにするため、温度を上げたり下げたりの工程を何度もやります。そういったことを誤魔化すために、一般的なチョコレートは乳化剤などいろいろなものをいれて加工し、口どけを滑らかにして食べやすくするのですが、植物性油脂や白糖が過多になると胸焼けの原因になります。ちょうどいい練り方や粒子の大きさを確立させるのに、2年の時間を費やしました」
 
カカオは薬局でしか取り扱えなかった歴史があるほど、薬効成分の高いものだ。血の流れを良くし、脳の細胞が活性化し、集中力が上がる。スーパーフードやパワーフードに必ずランクインされるほど、いろいろな栄養素がある。
 
個性爆発ユニークなスタッフ達
 
もともとはオーナーの林さんがサンフランシスコに滞在中サードウェーブコーヒー(ワインのようにコーヒーをとらえ、ぶどうの種類、産地、醸造方法にこだわるように、コーヒー豆の種類、産地、焙煎方法にこだわるということ)に出会い、カフェをオープンしようと思ったのがきっかけだ。コーヒーを学ぶためにアメリカの様々なお店を周り、メルボルンでバリスタのライセンスを取得した。そうした中で、豆と焙煎というシンプルな材料と工程ながらも味が変化するエスプレッソに興味が湧いた。
 
「エスプレッソに砂糖を入れるじゃないですか。濃い原液に砂糖を入れると酸がぐーっと締まり様々な表情を引き出す事ができるんですよ。その効果が面白いなと思ってサトウキビの本質を知りたくなり沖縄に飛んできました 笑」
 
日本でサトウキビが採れるのは沖縄と鹿児島の一部のみ。そこで3年以上前から何度も足を運び、島ごとによって異なる味わいを確かめてきた。その中でも沖縄の黒糖は産地や作り手によって味が全く違うことに気づき、これとコーヒーで学んできた焙煎の技術をカカオ豆に活かせば、チョコーレトでもコーヒーと同じ様に繊細な表現ができるのじゃないかと気づいたという。その頃日本にはまだBean to Barのお店がほとんど存在せず、海外の文献を見て実験しながら友人とチョコレートを作り始めた。
 
 
豆を仕入れたら必ず全部の豆を触りながら、虫食いやカビなど味に影響しそうな豆を手でさばいていく。基準は厳しく、大体2~3割の豆が不合格になる。その選び抜かれた豆を自家焙煎し味を引き出し、10もの工程を経てようやく一つのチョコレートができあがる。産地よって異なる味わいのカカオ豆とサトウキビの性質を徹底的に細分化しているのも、Timelessならではの特徴だ。
 
 
 
店内では実際にカカオの製造工程が見えるスペースがあるので、ぜひ彼らの手仕事をライブで味わってほしい。
 
チョコレートという名の原料が、他店のパティシエや料理人とコラボレーションしながら、新しいスィーツや料理として生まれ変わっていく。ここTimelessのFactory+Cafeでは、パティシエのゆうすけさんがタイムレスのチョコレートを使って生み出す、芸術品のような美しく美味しいスィーツを食べることができる。
 
ガーナ産チョコレートをベースに、ピーナッツバターとクリームチーズをふんだんに使った人気の「罪深きタルト」は、名前の通り罪深いほどにとろけるような濃厚かつリッチな味わい。
 
反する名前を持つ「罪悪感ゼロのケーキ」はリコッタチーズを使いながら蜂蜜を混ぜ、クリームチーズの層重ねている。小麦粉を使わずにアーモンドプードルでつくってあり、食べた時にさっぱりしているので罪悪感はないが、こちらもやはり罪深いほどに美味しい。
 
スィーツメニューはその日の仕入れ状況などにより日によって違うので、店頭にて確認してみてほしい。
 
 
 個性的で目にも楽しいカトラリーは、沖縄在住の若き陶芸家「今村」のもの。古着の買い付けやクラシックカー、バイクの買い付けなどをしていた林さんはカウンターカルチャー、サブカルチャーが大好き。アーティストがカフェで自分の作品発表の場やインスピレーションをもらう場所、交流の場を作りたかった。その為店内は若き才能溢れるアーティストの作品のセレクトショップのようにもなっている。
 
 
いつも行く場所だからこそ、毎回展示物が変わって新しい刺激が得られるような場所であってほしい。「チョコレートは五感を使用して楽しむ物、原料の本質を知り、感性を高めより良い刺激を受ける社交場になればいいですね」。
 
 
サトウキビを追いかけてスーツケースひとつで沖縄に来た林さんだが、その生活は決して楽ではなかった。とれたての野菜をくれたり、いろいろな親切でその生活を支えてくれたのは他ならぬ地元の人だ。沖縄の原料を使いながら「チョコレート」という分かりやすいパッケージにして、サトウキビ本来の本質に気づいてもらう。そうすることで現地の方々に恩返しをしていきたいという。その他にも、ヤギのヨーグルトを使用した生チョコレートで作ったボンボンショコラなど、地元の食材がいろいろな形で活かされている。現在は宮古島で地元の人と組み、オリジナルのサトウキビも開発中だ。サトウキビを一括で買い取らせる為に農薬を撒くような負の連鎖を断ち切り、本当にいいものをつくる人が自信を持って販売できる仕組みをつくっていきたいという。
 
お店にいけば、もれなく林さんのあふれんばかりの「カカオトーク」を聞くことができる。素晴らしい情熱と絶え間ない探究心でその一粒のチョコレートが作られていることを実感できるだろう。このチョコレートは間違いなく北谷町(ちゃたんちょう)の、いや沖縄の新しい形のお土産として定着していくに違いない。なによりこんな本物を追求した素晴らしいチョコレートをつくるお店が沖縄からなくなったら、私自身が困ってしまう。Timelessで友人と素晴らしいチョコレートケーキを食べ比べながらカカオの実ジュースを飲むのが、私にとってなによりの贅沢な時間なのだから。
 
Timeless Chocolate
住所/沖縄県中頭郡北谷町美浜9-46 ディストーションシーサイドビル2F
電話/098-923-2880
営業時間/年中無休 11:00-20:00
 
 
 
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沖縄CLIPフォトライター Sandy 
 
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Information

沖縄県中頭郡北谷町美浜9-46