【連載】島の恵み、島の味 その34 ウンチェー

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初回投稿日:2016.06.28
 最終更新日:2024.03.27

【連載】島の恵み、島の味 その34 ウンチェー

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ウンチェーまたは空芯菜(クウシンサイ)
 
沖縄の真夏に照りつける日射しの強さ。言葉では現すことの出来ないほど過酷です。この時期、沖縄ではほとんどの葉野菜が育ちにくくなり、市場やスーパーには他県から運ばれたものを多く見かけます。そんな厳しい環境のなかでも、元気にガンガン育つ葉野菜、それが「ウンチェー」です。市場の中央にずらりと山積みされたウンチェーは、なによりお値段も家計に優しいのが魅力的。野菜不足になりがちな夏場の食卓では、ウンチェーに頼る家庭も少なくないはず。5月から9月頃まで市場で手に入る野菜です。夏の沖縄では珍しい、今が旬の葉野菜。ツル性、ヒルガオ科の植物で、茎の中が空洞なのが特徴で、モロヘイヤやツルムラサキのような粘り気が少しあります。
 
ウンチェーまたは空芯菜(クウシンサイ)
 
「茎が空洞? それって・・・」
 
って思われる方も少なくないと思います。そう、本土では「空芯菜(クウシンサイ)」として知られている葉野菜でもあります。本島では「ウンチェー」「ウンチェーバー」「エンサイ」、宮古島では「パナイ」、石垣島では「ウンツァイ」と呼び名もバラエティーに富んでいます。中国語のエンツァイからエンサイは来ているようですが、ウンチェーの由来は謎のまま。因みに、沖縄では「空芯菜」といっても通用しないことが多いです(笑)
 
中華料理やエスニック、アジア料理などによく使われる素材で、油との相性もよく使い方は主に炒め物がメインです。「空心菜を使った青菜炒め」といえば想像しやすいかも。我が家でも炒め物にすることが多いのですが、最近もっぱら合わせに使うのが「アンチョビ」です。アンチョビとウンチェーの相性はサイコーで、輸入物のよくあるアンチョビで作っていたのですが、なんでも「沖縄生まれのアンチョビ」があるという噂を聞きつけ… 買ってみることに。
 
沖縄アンチョビ
 
それがコチラ「沖縄アンチョビ」! この直球なネーミングの商品は、沖縄の青い海で育ったイワシに似た「ミジュン(ミズン)」という魚をオイル漬けにしたアンチョビ。洗練されたパッケージの可愛さもニクイな~と思わせる商品です。
 
沖縄アンチョビ
 
ふたを開けてみると、程よい爽やかな酸味とローズマリーの香りがします。馴染みのあるアンチョビよりも肉厚で、弾力があります。一口頰ばると、ビネガーの爽やかさと、コクのあるオイルが絡み合い、ピリっとしたとうがらしと塩気が全体を引き締めている味わい。ちょっと贅沢な気分にさせてくれるアンチョビです。
 
そんな、沖縄アンチョビを細かくして、今回の主役ウンチェーと最高の出会いを演出していきましょう。
 
弱火でスライスしたニンニクと鷹の爪をオイルで炒めます
 
まずは、ゆっくり弱火でスライスしたニンニクと鷹の爪をオイルで炒めます。ここは、本当にゆっくり、慌てず、鍋全体にニンニクの香りが行きわたるのを想像して。
 
細かく刻んだ「沖縄アンチョビ」を加えて
 
ニンニクの香りがキッチンにふんわり広がったら、細かく刻んだ「沖縄アンチョビ」を加えてまた弱火で味を馴染ませます。
 
4cm幅に切ったウンチェー入れる
 
「あ~、もうこのオイルだけでパスタを食べても美味しいに違いない!」と思うようなったら、4cm幅に切ったウンチェーをフライパンに入れます。まずは、茎の部分から。
 
茎に少し火が通ったところで、残りのウンチェーを入れる
 
茎に少し火が通ったところで、残りのウンチェーを入れ、少し中火に火を強めます。一気にフライパンを振りながら炒めていきます。味付けは塩のみ。塩気の強いアンチョビが味の基礎を作ってくれているので、仕上げに少量加える程度でOK。
 
お皿に盛りつけて完成
皿/山田義力(陶房土火人)、フリークロス/宮良千加(花藍舎)
 
全体的に火が通ったら素早くお皿に盛りつけて完成です。
 
お皿に盛りつけ
 
ニンニクと沖縄アンチョビの風味がウンチェーにあわさって、香りと味から最高のハーモニーが堪能できます。暑い日にビールと一緒に食べるのがオススメです。ビタミンA、B1、Cが豊富に含まれ、鉄分やカルシウムも補えるウンチェー。どんな食材とも相性がいいので、和、洋、中と姿を変えて食卓を豊かにしてくれます。沖縄アンチョビが手に入らなくても、普通のアンチョビでも美味しく仕上がりますよ!
 
夏バテ防止に、是非活用してみて下さい。
 
[ウンチェーの沖縄アンチョビ炒め]
材料(4人分)
 
ウンチェー  1束
にんにく 2かけ
沖縄アンチョビ 5、6切れ
オリーブオイル 適量
鷹の爪 好みの量
塩 少々
 
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沖縄CLIPマルシェ

monobox(河野哲昌・こずえ)

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