沖縄観光情報:シマアシビ<大神島>今昔おもひで徒然と

シマアシビ<大神島>今昔おもひで徒然と

post : 2016.08.03 18:00



宮古島の島尻(しまじり)漁港から、海上をゆっくりと滑る定期船で約15分。宮古島の北北東に位置する宮古諸島でもっとも小さな島に渡ることができます。島民30名に満たない島の名は、「大神島(おおがみじま)」。宮古諸島で最も古い地質である神の島は、宮古本島の島尻集落や狩俣(かりまた)集落を見守るかのように、静かに佇んでいます。
 
 
大神島の存在を知ったのは、いまから20年あまり前。地図上で偶然その名を認めました。名前からして、おいそれとは、訪れてはいけないような気がしました。
 
2008年に休校となった大神島小中学校(2010年10月18日撮影)。再開の目処が立たず廃校。2011年に校舎は解体され、現在は更地になっています。
 
初めて大神島へ渡った時のことはいまでもよく覚えています。沖縄に移り住んで5年ほどの歳月が流れた2010年10月18日。島尻の奇祭「パーントゥ」の取材に訪れたタイミングでした。それまで宮古島には何度も足を運んでいますが、このとき、ようやく大神島を訪れても良いような気がしたのです。
 
 
当時の大神島は、小さな商店が1軒あるだけ。民宿や食事処をもたない島は日帰りをするしかありませんでした。当時、島尻漁港には定期船の券売所はなく、出航時間前になると、ごく普通の乗用車が1台、何食わぬ顔でやってきました。そのクルマのトランクが開けられると、即席の券売所に早変わり。トランクにはチケットや日付スタンプ、手提げ金庫など、券売所として必要な備品が積まれていました。なんとまぁ、効率的なのだろう、と妙に感心。いまでは見ることのない素朴な光景でした。
 
当時、島で1軒だけの商店(2010年10月18日撮影)。現在は閉店して看板もなくなっていました。
 
初めての大神島行きの小さな定期船の乗客はまばらでした。「宮古諸島で仕事をするときは、必ず大神島にご挨拶に来るようにしています。今回も新しい仕事をさせていただくので、そのご挨拶です」。そう話す沖縄本島在住だという男性乗船客の言葉から、早くも大神島の神聖性に触れた気がしました。
 
 
周囲2.753km、面積0.24k㎡の小さな大神島を歩いて回りました。大神島の第一印象は「なんて静かな島なのだろう」。これに尽きました。観光客はまったく見当たらず、島民の方を数人見掛けただけ。島は、息を潜めるようにひっそりとしていました。
 
それもそのはず、偶然、神行事「ウヤガン(祖神祭)」の期間中だったのです。島のハイライトである遠見台への入口には、立入りを禁止する案内が掲げられていました。
 
 
島尻や狩俣で途絶えてしまったウヤガンは、集団祭祀の原始的な形を留め、秘祭として島外の人々を拒み続け、神事の内容はベールに包まれています。島を覆う鈍色の雲が、俗世を拒絶するようで、島を威厳に満ちた神秘的なものにさせていました。
 
遠見台へ登る途中の階段からも宮古ブルーの海が見渡せます(2016年7月16日撮影)。
 
ウヤガンのときにはじめて島を訪れて以来、宮古島へ来島した際に、島尻港や狩俣から大神島を見つめることが多くなり、時間が許せば大神島へ渡るようになりました。そして、遠見台に上がっても良い期間中は、必ず遠見台に登ります。
 
標高74.5mの遠見台からは、宮古本島はもちろんのこと、コバルトブルーの海に浮かぶ池間島(いけまじま)や八重干瀬(やびじ)など、360度を見渡すことができます。見晴らしの良い頂上ももちろん好きですが、私の一番のお気に入りは少し別のトコロ。
 
 
遠見台へ誘う、緑に覆われた階段の途中に腰を掛けるのです。周囲の草樹を眺めながら、しばし耳を澄ませます。さわさわ。ザザザー。生命力にあふれた緑の合間を吹き抜ける心地よい島の風を頬に受けます。取り立てて何もないところなのですが、ここに佇んでいると、不思議ととても癒やされるのでした。
 
 
先日2016年7月16日にひさびさに大神島へ渡りました。少し前まで想像もできなかったほど、定期船は観光客の方であふれていました。これまでの印象からして、大神島にまさか宿泊所ができるとは思ってもみませんでしたが、2013年に食堂兼民宿がオープンしたことが、島に活気をもたらせたように思います。
 
今回、食堂で島の方とお話する機会に恵まれました。「食堂ができたおかげで、みんながここに集まるようになりましたよ」。島尻との定期船が停泊する大神漁港を見下ろす食堂は、島人たちが集う憩いの場となっていました。あれこれとお話しているうちに、宮古本島で暮らす共通の友人がいることがわかりました。快活な彼女は大神島に遊びに来るとココでも酒豪ぶりを発揮しているよう。今度は彼女たちといっしょに飲みに来よう。次回は大神島に泊まってみたい。そんな想いが強く湧き上がりました。
 
 
数年の歳月を掛けて、ひとり、またひとりと島の人たちと繋がり、大神島も少しだけ身近に思えるようになってきました。「世の中は狭い」、「沖縄は狭い」と言うけれど、これが、私が沖縄に根を下ろし、日々の暮らしを紡いできたということ。琉球弧で生きているという証のひとつなのかもしれない。これからも、生きている限り旅は続き、少しずつゆるやかに、琉球弧の島々の人たちと繋がって行くのです。
 
沖縄CLIPフォトライター 安積美加 
 
 
 
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