沖縄観光情報:息を飲むアクションと荘厳で優雅な手技が光る『EISA-SPIRIT・REQUIOS王朝伝』

息を飲むアクションと荘厳で優雅な手技が光る『EISA-SPIRIT・REQUIOS 王朝伝』

post : 2017.01.27 21:00

 

 

沖縄の伝統芸能の魅力を60分に凝縮した舞台「Ship of the Ryukyu」。 バラエティー溢れる5つの演目の中から今回ご紹介するのは、世界エイサー大会3連覇を成し遂げた創作芸団レキオスの新作舞台『EISA-SPIRIT・REQUIOS 王朝伝』。琉球王国統一を成し遂げた尚 巴志(しょうはし)を主人公にした創作劇の見所は、エイサーや琉球舞踊に加え、ダイナミックにアレンジした獅子舞、旗頭、国頭サバクイ(くんじゃん さばくい)などの民俗芸能。また、動きの大胆さやスピード感など、これまでの動的な見せ場に“静”の要素を取り入れて、さらに魅力度が増しました。

 

開演すると同時に、会場は激しく打ち鳴らされる太鼓と、躍動感あふれる踊りが生み出すバイブレーションに、のみ込まれていきました。レキオスの十八番、エイサーに続いては、沖縄伝統の木製の船「サバニ」を漕ぐ時に使うエーク(ボートでいうところのオール)を武器にした格闘劇が披露され、激しい動きにテンションが上がっていきます。

 

 

 

「太鼓とエイサーを続けるだけでは観客にどうしても飽きがきてしまいます。新作では静と動、緩と急のメリハリを特に意識して舞台づくりを行いました。また、この作品の舞台は王国として統一される前の琉球です。沖縄には東の海の彼方に神々の世界があるという、ニライカナイ信仰があるのですが、それを中国と沖縄の関係に当てはめてみました。中国から見て海の東にある沖縄を龍の住む理想郷と見立て、皇帝の命によって家来の懐機(かいき)が海を渡って島 に到着するところからストーリーが始まります」。レキオスを主催する照屋忠敏(てるや・ただとし)さんの言葉通り、二匹の龍が現れました。ここでは龍は人間の欲望の象徴として描かれています。

 

 

 

そして、登場したのは三人のチョンダラー。もともとはエイサーの起源である念仏踊りの主役だったチョンダラーは、今でこそおどけた道化役ですが、本来は霊的な力を持つ僧侶の役割も演じていたそうです。この舞台でもチョンダラーのもつ霊力で龍は逃げていくことになります。

 

 

 

 

賑やかな民衆芸能と躍動感あふれるエイサーや太鼓。そして、厳かで気品ある宮廷舞踊や創作の祈りの歌。場面場面のコントラストが実に鮮やかです。龍が退散した後の舞台はまさに静謐な空気に包まれます。元ネーネーズの与那覇歩(よなは・あゆみ)さんのボーカルはまるで神に捧げる聖なる祈り。人間の欲深さがきれいに浄化されていくようです。

 

このように、ステージワークと音楽とのコラボレーションも見所です。琉球音楽のテイストをしっかり押さえながら、エンヤやセリーヌ・ディオンを思わせる天使のようなボーカル曲やハードロック風にアレンジしたダイナミックなオリジナルの楽曲は、役者の所作や踊りとぴったり重なっています。

 

 

 

ここで、主人公の尚巴志が獅子とともに登場します。獅子神という言葉があるように、伝説の生きものである獅子は強い力を持つといわれていますが、尚巴志との駆け引きが見ものです。尚巴志によって心地よい眠りを妨げられた獅子は最初は攻撃的に向かってきますが、尚巴志の強さと優しさについには従順な家来になっていきます。

 

 

尚巴志の登場で活気づく村々では賑やかなお祭りが始まったようです。無病息災と五穀豊穣を祈願して、旗頭は集落の誇りを象徴するシンボルのようなもの。沖縄本島の首里だけでなく、最西端の与那国島でも豊年祭では地域の男たちによって空高く掲げられています。

 

 


 

 

勇壮な旗頭のあとは沖縄角力(すもう)、艶やかな女性による手踊り、エイサーを村人たちは満喫します。そして仲間入りした獅子までも楽しげに輪の中で踊っています。

 

 

 

そこに突然現れたのが、あの龍です。チョンダラーの呪文がとけたのでしょうか、不気味に目を光らせています。対するのは尚巴志と獅子。息を飲む攻防の結末はいかに。

 

 

場面が変わります。聖なる空気に包まれるように現れた二人の女性。手を合わせて祈るのは島々の平和でしょうか。

 

 

沖縄にはヲナリ神信仰があり、古くから女性は霊的な力を持つと考えられてきました。歴代の琉球国王を霊的な力で支えてきたのが聞得大君 (きこえのおおきみ)。国家のまつりごとを決める際には聞得大君が受けとった宣託が大きく影響しました。そのような女性の力を表現したのがこの女性の所作だそうです

 

 

こちらは、琉球舞踊を代表する「四つ竹」です。女踊りの代表作で花笠をかぶり、艶やかな紅型の衣装を身にまとった踊り手が抑制された最小の動きで、喜びを表現します。

 

 

「国頭サバクイ」は四つ竹とは打って変わって勇壮な民衆芸能。沖縄本島北部のやんばるの山から切り出された木材を王府まで運ぶ際に歌われた曲 で、沖縄を代表する木遣り唄(大木を運ぶ際に歌われる唄)です。どうして、この場面で「国頭サバクイ」が登場するのでしょう。琉球を統一した尚巴志の新た な国づくりを象徴させているのかもしれませんが、照屋さんは「一人ひとり、それぞれの感性で感じてほしい」と、予備知識なしで観ることを勧めています。

 

 

 

「太平の世となり、我が琉球は平和な国を目指す」。尚巴志の力強い言葉に続いて、フィナーレへ。

 

 

大太鼓、パーランクー(小太鼓)を手にした若者たちによる勇壮でアクロバティックな演舞によって観客の気分の高まりも最高潮へと向かいます。ドラム、太鼓、ボーカルが加わって、ステージから観客席へとエネルギーの波が押し寄せていきます。

 

 

 

「沖縄の中では歴史ある芸能である琉球舞踊や組踊も、他の国に比べると歴史が浅いです。レキオスが取り組んでいる芸能はそれよりもずっと新しい ですが、いずれはこれからの伝統芸能になっていくと信じています」。舞台のあと晴れやかな表情で語る照屋さん。「1987年に開催された海邦国体を機に結 成された『琉球國祭り太鼓』で初めてこの世界に入ってから30年。ようやく次の世代が育ち、さらに進化した舞台が今後も展開されていきますよ」。そう語る時の笑顔がとても印象的でした。

 

「エイサーはもちろんですがストレッチを通じた体づくりや、挨拶や感謝 などの礼儀なども子どもの頃から教えられてきました。辛いこともありまし たが、舞台に立つのが自分の生きがいです」。そう語る団長の里壮平(たまざと・しょうへい)さんは小学校4年生、比嘉翔也(ひが・しょうや)さんは小学校3年生のときからレキオスで稽古に励んできたそうです。彼らのようにこれからのレキオスを支える若いエネルギーは、そのままこれからの沖縄を形づくっていくのでしょう。 今回の公演はいよいよ1月29日(日)までです。お見逃しなく!

 

◎年々人気が高まるレキオスは2月には東京で、3月にはベトナムで。6月にはブラジルでの公演が予定されているそうです。

 

 

※Ship of the Ryukyu公演では、本演目の他、『沖縄燦燦(おきなわさんさん)』、 『YAESE芸能 ~結~』が下記の日程で行われていますので、こちらもお見逃しなく!


『沖縄燦燦』 

日程:平成29年1月31日(火)~2月5日(日) (2月2日(木)除く) 

会場:テンブスホール(那覇市ぶんかテンブス館 4階) 

『YAESE芸能 ~結~』  
日程:平成29年2月7日(火)~2月12日(日) (2月9日(木)除く)
  
会場:テンブスホール(那覇市ぶんかテンブス館 4階) 

 

 

 

 

[チケット予約・販売お問い合わせ]

 Ship of the Ryukyu 公式サイト

http://www.magnetcontents.net/program03.html

 

創作芸団レキオス

住所/沖縄県今帰仁村字天底37

電話/0980-56-5502

 

 

沖縄CLIPフォトライター 福田展也

 

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