創業は明治35年! 首里の老舗酒造所『咲元酒造』の今も昔も変わらない泡盛

Reading Material

買う

初回投稿日:2017.03.15
 最終更新日:2024.03.08

創業は明治35年! 首里の老舗酒造所『咲元酒造』の今も昔も変わらない泡盛

 

咲元酒造

「うちの泡盛は、同じ条件で飲んでもその日の気分や体調、人によって味や香りの感じ方が微妙に違うんです」




『咲元酒造(さきもとしゅぞう)』の代表 佐久本 啓(さくもと けい)さん

そう話すのは、明治35年(1910年)の創業当時から変わらない製法で泡盛を造り続けている『咲元酒造(さきもとしゅぞう)』の代表 佐久本 啓(さくもと けい)さんです。今はボタンひとつで操作・管理が出来てしまう時代ですが、咲元酒造では極力機械に頼ることなく、泡盛造りのプロである杜氏(とうじ)の知識と経験・勘で伝統の味を受け継いでいます。
盛造りのプロである杜氏(とうじ)の知識と経験・勘で伝統の味を受け継いでいます

口に含むと芳醇な香りが広がり、まろやかで香ばしさを感じる咲元酒造の泡盛。多くの酒造所では麹に水と酵母を加えてから約14日間発酵させるのですが、咲元酒造は19日~20日(場合によっては25日)寝かせます。ゆるやかに発酵させることで酵母菌に負担をかけず、香りの良い泡盛に仕上がるのだそうです。

泡盛作り

咲元酒造の味を作る際のこだわりがもうひとつ。それは、ろ過を最小限にとどめる“粗ろ過”仕上げをすること。蒸留後の原酒には雑味の原因となる油成分が含まれているのでろ過をするのですが、どのようにろ過するのかによって泡盛の味や香りが左右されるため、そこが大きなポイントに。

ろ過はすればするほど口当たりよく飲みやすい仕上がりになりますが、同時に香味・旨味成分も取り除かれてしまうため個性のない泡盛になってしまうという欠点が。そこで咲元酒造では布フィルターを使い、粗ろ過仕上げをします。こうすることによって香味・旨味成分のみを残した仕上がりが可能になるのだそうです。

泡盛の試飲
泡盛は沖縄CLIPマルシェから購入することも可能ですが、沖縄にいらっしゃった際にはぜひ酒造を訪ねてみてください(運が良ければ泡盛を造っている様子が見られるかも!)。工場見学の後は試飲することが出来ますので、購入する前に飲み比べをして、自分好みの1本を見つけるのも良いですね。

咲元酒造の泡盛

咲元酒造の泡盛はどっしりとしたボリュームのある口当たり。上品かつ個性的な味わいで「一度口にすると、多くの方がリピーターになってくれるんですよ」と佐久本さん。華やかで甘い香りのする『咲元(40度、30度、25度)』は味のバランスが良くて飲みやすく、初心者からも泡盛通の方からも好まれる一本だそうです。

咲元酒造の泡盛

そして泡盛の魅力は、寝かせれば寝かせるほど美味しくなるという点かもしれません(長期熟成に向く泡盛はアルコール度数が30度以上のもの)。違いを楽しむために同じ泡盛を2本購入し、1本はすぐに味わい、もう1本は熟成させて数年後のお楽しみにしてみてはいかがでしょうか?

甘さや香ばしさ、酸味など様々な味わいが絡み合う咲元酒造の泡盛は「泡盛ってどれも同じ味に感じるんだよね」と思っている方にこそ飲んでいただきたいです。

※現在沖縄CLIPマルシェでのお取り扱いはございません。

咲元酒造

住所 /
沖縄県那覇市首里鳥堀町1丁目25番地
電話 /
098-884-1404
定休日 /
日曜・祝祭日

舘 幸子(たち さちこ)

同じカテゴリーの記事