沖縄観光情報:さとうきび畑のなかの『茶房一葉(南城市大里)』で、まどろみ茶藝時間。

さとうきび畑のなかの『茶房一葉(南城市大里)』で、まどろみ茶藝時間。

post : 2017.06.29 12:00

 
本島南部、南城市大里(なんじょうしおおざと)。さとうきび畑に囲まれた長閑な田園風景の中にひっそりと佇む、小さな『茶房一葉(いちよう)』。
 
 
自宅の敷地内の一角に建てられた茶房の扉を開けると、オーナーの上原美智代さんが、茶葉の仕入れで出かけた旅先での思い出の品々が出迎えてくれます。
 
 
テーブル席が4つばかりの隠れ家のようなミニマムな茶房。大きく切り取られた窓からは時間ごとの光が差し込み、木々や花々を愛でながら心ゆくまで中国茶・台湾茶をはじめ、日本茶・紅茶などさまざまなお茶を楽しむことができます。
 
 
かごや茶器など、上原さんのお気に入りのコレクションと中国や台湾の茶葉が上手にディスプレイされた棚。円盤のような形の紙包みにはプーアール茶が入っているのだそう。茶葉の買い付けやお茶の研修のため、年に6〜7回は台湾や中国へ出かけるという上原さん。それまでのお仕事を早期リタイアされてから始めたこのお店も、今年で8年目を迎えました。
 
 
最初にいただいたのは、大交易時代、琉球王国が行き来した中国・福建省の烏龍茶“安渓鉄観音(あんけいてっかんのん)”。スイーツは『芋圓湯(ユイエアタン)』とよばれる台湾の伝統菓子を沖繩風にアレンジした一葉オリジナルメニュー。紅芋とかぼちゃのお団子にナツメやタピオカが加わり、ほんのり甘い黒糖のスープでやさしい味。
 
 
一葉の軒先に鉢植えされて、可憐な真っ白い花を咲かせているのはジャスミンです。「5〜6月、夕方になると蕾を摘んで、やんばる(本島北部)産の緑茶の中に入れておくの。これを4〜5回繰り返すとね、ゆっくりとジャスミンの香りが茶葉にうつって、自家製のジャスミンティーができあがるのよ」と上原さん。
 
 
“香り”といえば、一葉のドアの足元に置かれた茶香炉からも、香ばしく甘い香りが漂ってきます。茶葉を使ったアロマテラピーですね!
 
 
一葉では、スイーツから小腹を満たしてくれるちょっとした軽食まで、上原さんお手製“お茶請けメニュー”も充実。左は『ちいるんこう(鶏卵糕)』とよばれる中国伝来の琉球菓子。卵を使った蒸し菓子で、トッピングには、県内の老舗名店「謝花(じゃはな)きっぱん店」から特別に譲り受けているきっぱんを使っています。右は、ふかふか蒸したての『まんとう(饅頭)』。沖繩らしい“アンダンスー(油味噌)”も入っていますよ。甘いのがお好きな方には、県産ターンム(田芋)あん入りのあんまんもおすすめ。沖繩風クレープの“ちんびん(黒糖味)”や“ポーポー(みそ包み)”なども人気です。ゴーヤーや島にんじんなど季節の島野菜のピクルスとの相性も抜群でお茶もおかわりがすすみます。
 
 
中国茶は初めてという方にも、上原さんが丁寧にわかりやすくその魅力や飲み方を説明してくれます。もちろん、目の前で、お茶を淹れてくれるので安心です。
 
 
色、香り、風味。二杯目からは自分でお湯をさし、“茶藝”を満喫してみましょう。それぞれのテーブルの上には湯沸かしポットも置かれているので、茶葉が出し切るまで何杯でもおかわりしてくださいね。
 
 
一葉では、多彩なお茶の種類がお好みで選べます。本場台湾や中国の、烏龍茶・花茶・プーアール茶はもとより、緑茶も!それから、近年人気の高い日本産の紅茶、インドやスリランカの紅茶、中国や台湾の紅茶まで。もちろん、日本茶もお茶どころの逸品が揃います。茶器もお茶の種類に合わせて、見立ててくれるので、飲み比べも楽しいものです。
 
 
「たとえば、コーヒーか紅茶か日本茶かみたいに、中国茶や日本茶、紅茶も全く別もののようなイメージもありますが、本来は、茶葉の発酵度合いによって種類分けされているもの。もともとは、“お茶”というひとつの世界のものなんですよ。だから、ここではリラックスして自由にいろんなお茶を楽しんでいただけたら」と上原さん。日本茶インストラクター、中国国家認定中国茶高級茶芸師、中国茶評茶員・中国茶制(製)茶師、中国茶文化講師、紅茶コーディネーター、沖縄伝統ぶくぶく茶保存会会員などの資格も持つ上原さんの、お茶にまつわるお話も、素敵なお茶請けのひとつです。
 
 
ひとしきりお茶をたのしんだあとは、沖繩のお土産に県産の紅茶や緑茶などはいかがでしょう? 本島北部・名護(なご)市で無農薬のEM農法でつくられた稀少な『金川(かにがわ)紅茶』などもありますよ。『月餅』などその時々で、上原さんが手作りするお菓子も並びますのでお見逃しなく。
 
 
紀元前2700年ごろ中国でお茶の歴史が始まって以来、陸路・海路を経て、お茶は“チャ”“ティー”“テ”など少しづつ名前を変え世界各地で愛飲されています。ここ沖繩では、お茶といえば“さんぴん茶”というくらい、広く親しまれていますが、これは台湾からジャスミンティーが沖繩に入ってきた際に『香片茶(シャンぺンチャ)』がなまって“さんぴん茶”となったものです。それよりはるか昔、海洋交易国家として栄えた琉球王国時代の初期1400年頃から、沖繩では、王族や士族、文人らの間ですでに中国茶・抹茶・煎茶が楽しまれていたようですよ。小さな南の島で、悠久のお茶ロマンに思いを馳せながら、テーブルの上のお茶のショートトリップへ出かけてみませんか。
 
 
「茶房一葉(さぼういちよう)」
住所/沖縄県南城市大里字嶺井502-2
電話/098-955-2618  
営業時間/12時~19時
定休日/火曜日(不定休あり)
Webサイト/http://ichiyo.ti-da.net
 
 
 
沖縄CLIPフォトライター 鶴田尚子
 
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今のところガイドブックに載っていないおすすめの店。タコスが絶品、ローカル率がほぼ100%の「うちのやまち」(南城市)
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Information

沖縄県南城市大里字嶺井502-2