沖縄の太陽と農家の愛情たっぷりの果物を使った島スムージーと島スカッシュ〈okinawasun(本部町)〉
沖縄の太陽と農家の愛情たっぷりの果物を使った島スムージーと島スカッシュ〈okinawasun(本部町)〉
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初回投稿日:2018.08.11
最終更新日:2024.07.26
最終更新日:2024.07.26
青くきらめく美しい沖縄の海、澄み渡る空に向かって懸命にジャンプするイルカたち、ジンベイザメが悠々と泳ぐ大きな水族館、そして、真夏でも木陰が心地よい備瀬(びせ)の集落。沖縄本島北部の美ら海水族館から800m、備瀬のフクギ並木からわずか200mの場所にある『okinawasun』は、農家が心をこめて育てた果物を使ったひんやり冷たいドリンクを味わえるカラフルでヴィヴィッドなお店だ。手作業でていねいに作られるスムージーとスカッシュは都会の暮らしでちょっと疲れた自分自身をリセットしてくれるし、沖縄を心ゆくまでエンジョイした後に、ちょっとひと息ついたりするのにもちょうどいい。
昔懐かしい古民家をリノベーションしたお店の中は、元気がみなぎるレインボーカラー。ポップでキュートでナチュラルな店内ではインスタ映えする写真もバッチリ撮ることができる。
「子どもが借りてきた『どんぐりむらのぼうしやさん』という絵本に、私たち親も学びました。フクギ並木のある備瀬になじむようなお店に…と思っていたのですが、私たちらしく、自由にカラフルに彩ることにしました。来てくれた人がワクワクしてくれることを願って」。お店の雰囲気そのままの、眩しすぎる笑顔が印象的な秋山和恵さんはそう語る。ときめく気持ち、自分らしくいられる時間、大切な出会い。沖縄に旅行に来た人が忘れられない思い出を作れるよう、お手伝をしいたいという気持ちがベースにあるのだろう。
okinawasunに来たらぜひ味わってほしいメニューは、やっぱり「島スムージー」(税別650円/プラス100円でパッションフルーツのトッピング)。甘酸っぱさが持ち味のイエローパッションフルーツと鮮やかな紫色が印象的なドラゴンフルーツの二つのトロピカルフルーツを主役にした看板メニューだ。
ほどよい柔らかさのスムージーをストローでひと飲みするだけで、濃厚なフルーツ感が口の中に一気に広がっていく。やがて、身体の中で眠っていた生命力が目覚め始めるのがわかる。すっきり爽やかな酸味と華やかな香りのパッションフルーツ、口当たりがクリーミーでマイルドな甘さのドラゴンフルーツ。
パッションとドラゴンの美味しさを引き出してくれるバナナ、シークヮーサー、パイナップル、そしてソイミルク。それぞれの素材の持ち味がうまく響き合うことで、見た目だけでなく、味わいもカラフルに仕上がっている。
続いてのおすすめはキリッと爽やかな季節の島フルーツスカッシュ(税別500円)。こちらも主役はドラゴンフルーツとパッションフルーツだ。沖縄の太陽を浴びて育ったフルーツの素材感とその魅力を丸ごと味わえるし、渇いた喉をソーダが潤し、スーパーフードとしても知られるドラゴンフルーツが体に必要な栄養分を補ってくれる。
ドラゴンフルーツにはビタミンB1・B2・B6のほか、葉酸、ナイアシン、ビタミンCといったビタミン類が豊富な上に、カリウム、マグネシウム、鉄等のミネラルとポリフェノールが含まれている。しかも、カロリーは100gあたり50kcal。カロチンなどが豊富なパッションフルーツと、ノビレチン(ポリフェノールの一種)が豊富なシークヮーサーとあわせて元気の素を吸収できるのも見逃せないところ。
「顔見知りの農家さんが育てたドラゴンフルーツとパッションフルーツをメインに沖縄のフルーツを伝えたい!という気持ちからokinawasunは始まったのですが、今もそれは変わっていません。季節によって甘さや味が変わるので、組み合わせるフルーツを変えたり、配合を調整して、いつでもおいしいスムージーを提供できるようにしています」。
秋山和恵さんと英輔さんは、メニュー化する際には、小学1年生と幼稚園生の子どもが『おいしい!』、『これ、かわいい!』と言ってくれたものだけを形にしてきたそうだ。シークヮーサーときび糖で整えた味わいは甘すぎず、淡すぎずで、子どもから大人まで幅広く楽しめそう。海遊びや集落散歩でたっぷり汗をかいた後に特におすすめ!
使われている素材の多くはやんばる産。ドラゴンフルーツとパッションフルーツは本部町(もとぶちょう)のもの。バナナはできるだけ隣の今帰仁村(なきじんそん)のもの、シークヮーサー果汁は名護市(なごし)勝山のものだ。「大好きな沖縄の恵みと、沖縄に暮らす人々の温かさや優しさを、スムージーやスカッシュというカタチで、このお店で出逢う人に届けたい」という気持ちが、すべての原点にある。
秋山和恵さんと英輔さんは、服飾デザインの専門学校にいた頃から何度も沖縄を旅してきた。そして、ついに9年前に移住した。
「やんばるの暮らしは、子どもの頃から見てきた祖父母の暮らしに似ています。大切に育てた庭や畑のお野菜を分けてくれたり、漁師さんが近くにいるおばあちゃん方は、お魚料理を分けてくれたり。アーサーを使ったもちもちした天ぷらのようなお料理など、昔からの食べ方を教えてくれたり。おじいちゃんおばあちゃんも、本当にみなさん温かいのです。
しまくとぅば(沖縄の言葉)がまざるおばあちゃんとの会話が好きです。昔の話や、沖縄の食べ物や植物の話。それから伝統行事のこと。神様のこと。色々と教えてくれます。『おばあちゃん、何て言ったの?』、『わからなかったからもう一回言って!』という言葉にも、笑いながら優しく何度も教えてくれて、感謝してるんです。okinawasunというお店を通して、地元の方々のあたたかい空気が、来てくれた方にも届いたらいいなと思いながらお店を構え、ドリンクを作っています」。
はたからみると、移住して来た秋山さん一家を近所の人たちは自分の親戚のように可愛がっているように見える。スムージーやスカッシュは、そうした地元の人との出会いから生まれたといってもいいだろう。
イエローパッションフルーツの生産者、古堅さんに出会ったのは町内の市場だったという。「何してる人ねー?」と、笑顔で話しかけて来てくれたその人は、コミュニテイFMのパーソナリティもやったり、バドミントンサークルの中心メンバーだったりという地元ではちょっとした有名人。
話をしてみるとパッションフルーツなど、トロピカルフルーツをなるべく農薬や化学肥料を使わずに、自然に近い形で栽培していることがわかった。立ち話をしているうちに「それじゃあ、畑を見にくるねー?」と自然な流れでおつきあいが始まったそうだ。
ドラゴンフルーツをお願いしている浦崎さんとの出会いは2年ほど前のこと。近所の居酒屋の店主の紹介がきっかけだった。「浦崎さんは、物知りで、優しいんです。お店の庭に挿し木した植物を見て『今肥料あげたら枯れるよ』とか、『バナナの木は収穫終わったら切らないと、バナナの子どもたちが育たないよ』とか、植物の育て方から、島フルーツや島野菜の特徴や食べ方、注意する植物や虫のこと、台風対策の仕方まで教えてくれるんです。
そして、私たちが庭のことで苦戦しているときには、畑からすぐに来てくださり、ガジュマルの太すぎる枝を、高いところにすいすい登って切ってくれたこともあります。お店のドラゴンフルーツが足りなくなったときには、すぐに畑を見に行ってくれて…。本当にいつも頼りにしてるんです」と秋山さん。
取材の日にもわざわざお店を訪ねてきてくれ、畑まで案内していただいた。「ドラゴンフルーツの花は夜しか咲かないんだよ。それも旧暦の1日と15日あたりの新月と満月の夜にね」と熟れ頃になった実を収穫しながら浦崎さんは教えてくれた。ドラゴンフルーツの花は6月から11月に咲き、花が咲いてから夏場は30日、涼しくなると40日で収穫できるそうだ。
ちなみに蕾は天ぷらにして食べるとおいしいらしい。少しのつもりが2時間近く、畑のこと、食べ物ことなど色々楽しく教えていただいた。
「お客さんに『おいしい!』と言ってもらえるのは農家さんのおかげです。そのことをお客さんにもっと伝えられたらいいなと、沖縄の太陽と、農家さんの愛情たっぷりの島フルーツが、それから太陽のような笑顔がどんどんつながっていけばいいなぁ~と思ってます」。和恵さんの言葉通り、okinawasunでは沖縄の元気に出会えるはず。やんばるにお出かけの際はぜひ足を運んでみてほしい。
◎「スムージーやスカッシュをぜひ、友達にも味わってもらいたいけど、さすがに飛行機では運べないし・・・」という方には、ブーゲンビリアで作ったアクセサリーはいかが? 専門学校を卒業後沖縄に移住する前まで洋服やアクセサリーを作っていた英輔さんの作品だ。「simaloha」というオリジナルブランドで販売されている。
okinawasun(オキナワサン)
- 住所 /
- 沖縄県本部町備瀬224
- 電話 /
- 090-9473-0909
- サイト /
- https://www.facebook.com/okinawasunsmoothie/
- 料金 /
- 料金は2018年7月現在です。
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