沖縄観光情報:組踊(くみおどり)上演300周年!浦添市「国立劇場おきなわ」で伝統芸能を堪能【PR】

組踊(くみおどり)上演300周年! 浦添市「国立劇場おきなわ」で伝統芸能を堪能【PR】

post : 2019.03.18 15:00




沖縄で本格的な伝統芸能を観てみたいけれど、どこでなにを観たらよいかわからない。そんな人にぜひ訪れていただきたいのが、那覇空港から車で約20分、浦添市(うらそえし)にある「国立劇場おきなわ」です。




沖縄の伝統芸能とひとくちに言っても、さまざまなものがありますが、この劇場では、組踊(くみおどり)、琉球舞踊、三線音楽、民俗芸能、沖縄芝居といった5つのジャンルに分けて定期公演を開催。たとえば、唄三線の音色に酔いしれたいという人は「三線音楽」の公演を、村の祭りで生まれた唄や踊りを体感したいという人は「民俗芸能」の公演を……と、それぞれ興味のあるジャンルから鑑賞できる、わかりやすいプログラムが魅力です。



 琉球舞踊「四つ竹」/写真提供:国立劇場おきなわ


 沖縄芝居「泊阿嘉」/写真提供:国立劇場おきなわ

なかでも組踊は、昭和47年に国の重要無形文化財、平成22年にユネスコの世界無形文化遺産に指定された、沖縄が誇るべき伝統芸能。しかも今年は、なんと組踊上演300周年! そんな大きな節目を記念して、国立劇場おきなわの2019年度プログラムは、スペシャルな組踊の公演が目白押しだそうです。それならぜひ観てみたい。でも、組踊って初めてだと難しそうだし、なんだか敷居が高そうで……。そんな方々のために「もっと組踊の魅力を知ってほしい」と日々奮闘されているのが、劇場で芸術監督を務める嘉数(かかず)道彦さん。



 三線音楽/写真提供:国立劇場おきなわ

沖縄生まれ、沖縄育ちの嘉数さんは、幼い頃から大の踊り好き。4歳で舞踊を始め、沖縄県立芸術大学で本格的に組踊を学んだ後、舞踊家として国立劇場おきなわの舞台に数多く出演してきたそう。裏方として芸術監督の職に就いた2013年以降も、演者として舞台に立つことがあり、表からも裏からも沖縄の伝統芸能に深く携わることで、この大事な文化を継承していきたいと切磋琢磨されている方なんです。




そんな嘉数さんに組踊を楽しむためのアレコレを教えていただきました。まずは「そもそも組踊ってなに?」という疑問から。

「組踊は、琉球王朝時代の宮廷芸能。中国から訪れる皇帝の使者『冊封使(さっぽうし)』をもてなすために作られた歓待芸能です。『琉球にはこれだけ素晴らしいものがある』というものを伝えるために、言葉、音楽、踊り、衣装、持ち物、沖縄の伝統的な要素をすべて詰めこんだ歌舞劇。国の誇りと意地を持って作られた琉球王朝の総合芸術といえます。

劇のストーリーは、中国の方々が重んじていた儒教道徳の思想に基づいていて、『主人に忠実を尽くす』、『親に孝行する』といったものが主体。『我が琉球王国も、あなた方と同じ思想を持っています』という姿勢を舞台の上からも示そうとしたのでしょう。歓待の席で相手方に気に障ることが起きてしまわないよう、国を存続させるためにどうやっておもてなしをするのか。先人たちが苦心の末に編み出してきた、誇らしく素晴らしくもあり、また悲しさもある芸能だと思います」



 組踊「孝行の巻」/写真提供:国立劇場おきなわ

琉球王朝時代、一般庶民の前では演じられることがなかった組踊。それが現代のように誰でも観られるようになったいきさつも気になります。

「組踊は、そもそも士族が公務員として雇われ演じていたものなので、王府が亡びた後は給料がもらえず食べていけなくなりました。そこで、入場料をとって庶民の前で組踊を披露したのが始まりです。当初は庶民も興味津々だったようですが、大衆芸能とは違う優雅な宮廷芸能。ゆったりとした様式で進められる演劇には馴染めないということで、だんだん客足が遠のいてしまったそうです。演者たちは食べていくための方法に困り、今度は庶民のニーズに合わせた新しいジャンルの芸能を生み出すことに。

沖縄芝居や雑踊り(ぞうおどり)の誕生です。僕がすごいなと思うのは、組踊は組踊としてちゃんと残したこと。組踊を庶民化して芝居風にアレンジしてしまうのは簡単だったはず。でもそれをせず、いくら観る人が少なくても王朝時代の芸を続け、伝統の型を保持しようと踏ん張った。琉球芸能の核となるものを守り抜いた先人の姿勢は本当に素晴らしいなと思います」



 組踊「女物狂」/写真提供:国立劇場おきなわ

では、その組踊ならではの特徴とは一体どんなものなのか、ぜひ知っておきたいところです。

「唱え(セリフ)、音楽、踊り(所作)という3つの要素から構成されていることですね。セリフは、琉歌と同じサンパチロク(八・八・八・六調)のリズムで作られていて、沖縄の古語を独特の旋律でゆっくり読んでいきます。

音楽は、唄と三線、琴、笛、胡弓、太鼓で演奏され、登場人物の喜怒哀楽、時間の経過、場面などを表現する重要な役割を果たします。音楽の特徴としては、前奏がないこと。たとえば、役者が『悲しい』と言ったら、その台詞に乗りかかるように『悲しい』と歌う。役者の心情を効果的に表現するため、あえて前奏をぬいて歌い上げる手法をとっているんです。

踊りは基本ゆったり。舞台上での所作はすべて踊りを基本にしているので、優雅な動きで物語が展開していきます。能、歌舞伎、狂言といった本土の芸能の要素が取り入れられているのも特徴的。見得を切る場面があったり、そういった影響を見つけるのもおもしろいかと思います」



 組踊「銘苅子」/写真提供:国立劇場おきなわ

台本があることも大きな特徴。琉球王朝時代の台本には、曲名、歌詞、セリフが記されており、当時のものはこれまで変わることなく、忠実に演じられてきたそうです。とりわけ、組踊の創始者、玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)が創作した演目は根強い人気。1719年に初演された「二童敵討(にどぅてきうち)」、「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」をはじめ、「女物狂(おんなものぐるい)」、「孝行の巻」、「銘苅子(めかるしー)」という5演目は、名作「朝薫の五番」として知られています。



 劇場ロビーに展示されている「朝薫の五番」パネル

「5作品それぞれの色があってどれもおもしろいですよ。たとえば、『執心鐘入』は、少しくだけた紹介をすると、クールな美少年『若松』と、彼を慕うストーカー的な女性の話(笑)。女性は相手にされず最後、鬼になってしまいますが、これも深読みしてみると『琉球王朝の士族となる男性陣は、恋愛感情に流されず、首里王府への忠誠を誓っているんだ』というメッセージがあるように思います。

必ず物語に王府のアピールが入っているのは、いかにも歓待芸能として作られたゆえんですが、その中でも人間的な悲しさ、苦しさ、思いがしっかり描かれているのが沖縄らしさ。女性が男性を思う気持ち、親子の絆、人の情けが染み入るのも組踊の魅力です」



 組踊「執心鐘入」/写真提供:国立劇場おきなわ

国立劇場おきなわでは、上演中、舞台左右の電光掲示板に標準語の字幕が映し出されるのが嬉しいポイント。沖縄の言葉がわからなくてもセリフの意味が理解できるので、あらすじをしっかり追うことができます。とはいえ、字幕を見ながら舞台の演者たちにも目を凝らして……となると、なかなか大変。嘉数さんのおすすめは、事前にあらすじを頭に入れておき、上演中は舞台に集中する鑑賞スタイルです。



 花道が作られた大劇場/写真提供:国立劇場おきなわ


 大劇場/写真提供:国立劇場おきなわ

「組踊のあらすじはいたってシンプルなので、すんなり理解いただけると思います。それから、組踊独自の約束ごとも知っておくといいですね。組踊は、舞台の紅型(びんがた)幕の前で演じられるのが基本。劇中の時間や場所に沿って幕が変わるという展開はありません。なので、見るべきポイントは演者の所作です。

たとえば、ぐるりとその場を一巡したら場所が変わったという意味。杖を持ったり、笠を被っているとおでかけ中、下をうつむくと悲しんでいる、相手の前に手を差し出すと抱き合っている、など型の意味を知ることで一層楽しむことができます。国立劇場おきなわでは、こうした説明を受けたあと、続けて本編公演が観られる組踊鑑賞教室『普及公演』も開催しているので、初めての方にはおすすめですね」



 組踊「執心鐘入」/写真提供:国立劇場おきなわ

組踊の伝統的な様式はそのままに、台本を新しく書き下ろした「新作組踊」というジャンルも上演。2019年度は、新作組踊の第一人者であり、芥川賞受賞作家の大城立裕(おおしろたつひろ)さんが組踊300周年のために書き下ろした演目も上演されます。実は、嘉数さんも新作組踊の台本を手掛ける作家のひとり。芸術監督から、舞踊家、台本制作・演出・振付まで務める多彩な活動ぶり。その源となっているのは、やはり「組踊の魅力を広めたい」という思い。



 組踊「二童敵討」/写真提供:国立劇場おきなわ

「組踊は、先人たちが小さい国ながらに自身の文化に誇りを持ちつつ、懸命にしたたかに、たくましく育ててきた素晴らしい芸能。時代は違えど、今を生きる僕たちにも共感できる思想があり、はっとさせられる部分もあり、知れば知るほど新しい魅力に気づかされていく毎日です。

初めて組踊を観るという方がまだまだ多いかもしれませんが、まずは五感で素直に感じていただけたら。この地に300年継承されてきた組踊という芸能を生で体感していただき、なにか少しでも刺激を持ち帰っていただけたら嬉しいですね」


国立劇場おきなわ
住所/沖縄県浦添市勢理客4-14-1
電話/098-871-3350
営業時間/10:00~18:00
定休日/年末年始ほか
HP/http://www.nt-okinawa.or.jp/
Facebook/http://www.facebook.com/ntokinawa


アクセス(路線バス)/
・那覇空港23・26・120・99「勢理客(じっちゃく)」(58号線沿い)バス停より徒歩10分
・那覇バスターミナル20・24・27・28ほか「勢理客」(58号線沿い)バス停より徒歩10分
・糸満バスターミナル334「国立劇場おきなわ(結の街)」バス停より徒歩1分
・那覇バスターミナル47「勢理客」(シーサー通り沿い)バス停より徒歩12分
・赤嶺駅87「勢理客」(シーサー通り沿い)バス停より徒歩12分

沖縄CLIPフォトライター 岡部徳枝 

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Information

沖縄県浦添市勢理客4-14-1