沖縄観光情報:冬の沖縄を存分に楽しめる芸術祭「やんばるアートフェスティバル2019-2020」

冬の沖縄を存分に楽しめる芸術祭「やんばるアートフェスティバル2019-2020」

post : 2019.12.20 21:00



2019年12月14日よりスタートした今年で3回目を迎える『やんばるアートフェスティバル』。今年のコンセプトは「山原黄金之杜(やんばるくがにぬむい)」。やんばるエリアの最北端にある聖地を冠に、数多くのアート作品や工芸品を楽しむことができます。




大宜味村(おおぎみそん)、辺土名(へんとな)、奥間、本部町(もとぶちょう)など、やんばると呼ばれるエリアの8つの場所でアート作品が楽しめます。メイン会場は大宜味村立旧塩屋小学校。こちらでは、多くのアート作品を見たり体験したりすることができ、沖縄の工芸品に触れ合い、購入することができます。また、去年大好評だった、台湾東部のアーティストたちによる1泊2日合宿型の「石斧作り」や「簡易金継ぎ」「やちむんネイル」などのワークショップも開催されています。他にも、旧大宜味村村役場や、オクマプライベートビーチ&リゾート、美ら海水族館などがある国営沖縄記念公園などにアート作品が展示されています。旧塩屋小学校をメインにやんばるアートフェスティバルの見どころを紹介していきます。




会場の入り口は学校の正門。ここに今回のメインヴィジュアルである俳優・村上虹郎さんのポスタービジュアルがドドン!とお出迎え。かつて虹郎さんは東村に住んでいたことがあり、やんばるに縁の深いアーティストの一人。月桃とハイビスカス、貝殻のアクセサリーを付け、謎めいた佇まいが印象的。自ずと他の作品へと期待が膨らみます。




運動場の真ん中に鎮座しているのは、永澤嘉務(ながさわ かむ)さんの琉球石灰岩で作ったオブジェ『UTAKI -せいめいのれきし-』。荒々しくも繊細な部分がある琉球石灰岩に注目し、沖縄の大地で繰り返される生命の営みについて思い創られた彫刻。




オランダのアーティスト、ニック・クリステンセンさんの部屋はシルクに水性インクで描き壁のように配置したインスタレーション。透き通ったシルクの向こう側には重なるように連なるシルクの壁。教室に入る陽の光によって様々な表情を見せてくれる、心地よい空間に仕上がっています。




漫画家・横山裕一さんは沖縄に伝わる二つのエピソード「キジムナーショー」と「がじゃんびら」をベースにした漫画を展示。よく見るとセリフは全てウチナーグチ(沖縄の方言)です。絵やストーリーもシュールですが、ウチナーグチが絵やコマとなぜかマッチしていて面白い。漫画のサイズが大きいので、より混沌とした部屋となっています。




会場の一階には工芸品の展示がなされています。こちらは大宜味村喜如嘉(おおぎみそん きじょか)でつくられている芭蕉布と、首里城の麓で16代にわたり受け継がれている紅型三宗家の一家「城間家」の紅型が展示されています。人間国宝の平良敏子さんの手によって織られた着物と琉球王朝時代から300年以上続く城間びんがた工房の帯を合わせた、沖縄の歴史的な工芸の美を堪能できます。




多目的教室で展示されている工芸品は、見るだけでなく、手に取ったり購入することもできます。工芸・クラフトを展示販売しているのが「YAF CRAFT MARKET」。やんばるを始めとした沖縄で制作をする25組の工芸・クラフト作家の作品が手に取って楽しむことができます。やちむん、琉球ガラス、紅型、芭蕉布、琉球藍織物、木工、漆、金細工、植物など幅広いラインナップが揃っています。気になる一品ばかり、早い者勝ちなこと間違いなし!




YAF CRAFT MARKETと対をなしているお店がもう一つ。こちらは京都のユニット「副産物商店」の部屋。今回のYAF CRAFT MARKETに参加している工芸作家の工房を巡り、制作の過程で出た実験材料や端材、使えなくなった道具などをいただき「工芸品が産まれるまでにできた副産物」として価値を見出して展示販売しています。主産物である工芸品と副産物を交互にみながら作品ができるまでのストーリーを想像できる、面白い試みです。




体育館にはミュージアムショップやカフェコーナーが設置されています。ここの体育館は塩屋湾に面していて、その眺めを見るだけでもここにくる価値があるといえます。




ミュージアムショップではオリジナルTシャツをはじめとしたやんばるアートフェスティバルのオフィシャルグッズや参加アーティストのグッズを販売してます。特に目を引くのが野性爆弾くっきー!さんの巨大なキューブリック「ミスティ1000%」、お値段44000円。ミュージアムショップにはトリッキーな商品ラインナップも特徴の一つといえますが、その中でも特に異彩を放っていました。では、そろそろ他の会場にも移動してみましょう。




大正14年に建てられた「大宜味村役場旧庁舎」は沖縄で最も古い鉄筋コンクリートの建物。コンクリートで建てられた先駆けの役場として注目され、平成9年に県の有形文化財として指定されています。大正時代に建てられた、ノスタルジックな佇まいが素敵です。ここに作品を展示しているのは誰でしょう?




中には、野性爆弾くっきー!さんの「キジムナーと肉屋敷」が。タイトルからしてアレな、くっきー!さんの世界が炸裂しています。ボードに書かれた「肉屋敷にキジムナーが密かに住んでいて肉の柱があってそこから滴る血をすすり、、、」というコンセプトを読んでるうちに、頭がクラクラしてきました。




大宜味村役場旧庁舎の二階は小さなスペースになっています。今回やんばるアートフェスティバルのヴィジュアルや冊子を担当されたアートディレクター信藤三雄(しんどう みつお)さんと、Keng-Singさんの作品が展示されています。昔の沖縄で女性が手のひらや甲、肘に入れていた刺青「ハジチ」をモチーフにつくられたオブジェ。小さな空間で表現された大きな作品の存在感が印象的です。




車を走らせて辺土名商店街までやってきました。築40年以上経っている宿泊施設をリノベーションした「YANBARU HOSTEL」は、商店街の新たなホットスポット。古い建物だからこそ出てくる良さをを、うまく活用した雰囲気作りが素敵です。さて、どんな作品が待っているのでしょう。




ここにはYuko Moriiさんの植物を使ったインスタレーション「Love Sanctuary」が展開されています。クバやリゴディウムなど沖縄の神事で使われる植物を選んで、彼女の中にある聖域と自然の中に存在する聖域の共存を思ってつくられた作品。スタイリッシュなインテリアとも融合して心地よさを感じる空間になっていました。頭上にある作品をずっと見上げていたい気分です。




最後に紹介するのは辺土名商店街のとある廃屋を使った、西野逹(にしの たつ)さんによる作品「忘れようたって忘れられない」です。ここはもともと「ひかり医院」という病院で、その前は共同売店が営まれていました。商店街や地域に住む人々にとって、なくてはならない存在といえます。町に住む人たちの思い出が詰まっている建物を白いモニュメントにすることで、それぞれが持っている思い出を素朴なイメージとして残すのが狙いの作品。純白に塗られた建物をみているうちに、自分の小さい頃に住んでいた町や、通っていた病院のことを思い出していました。




今年のやんばるアートフェスティバルはアートや工芸・クラフトなど魅力的な作品がとてもたくさん点在しています。そして、やんばるの地域の歴史を語ってくれる建物や、そこにある思い出や物語を感じさせる場所も堪能できます。アートフェスティバルを堪能したら、近くにある街並みや商店街を歩いてみてください。きっと、そこにある魅力的なストーリーを、見いだすことができるはず。

やんばるアートフェスティバル2019-2020 山原黄金之杜

開催期間/2019年12月14日(土)~2020年1月13日(月)
開催時間/11:00~17:00(大宜味村立旧塩屋小学校)毎週火曜日/元旦・1月2日休館
※夜間イベント開催時は営業時間が異なります
入場/無料
総合ディレクター/仲程長治

開催場所/大宜味村立旧塩屋小学校、大宜味村役場旧庁舎、辺土名商店街ひかり医院跡、YAMBARU HOSTEL、オクマ プライベートビーチ & リゾート、国営沖縄記念公園(海洋博公園・熱帯ドリームセンター)、カヌチャリゾート、名護市民会館前 アグー像
出品作家/エキシビション部門:22組/クラフト部門:25組 合計/47組

主催/やんばるアートフェスティバル実行委員会
共催/大宜味村、島ぜんぶでおーきな祭
後援/沖縄県、一財)沖縄観光コンベンションビューロー、北部市町村会、国頭村、東村、本部町、今帰仁村、名護市

公式HP/http://yambaru-artfes.jp/


沖縄CLIPフォトライター monobox(河野哲昌、こずえ)

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Information

沖縄県国頭郡大宜味村字塩屋538