沖縄観光情報:泡盛と陶器と沖縄料理とユンタクを愉しむバー「オニノウデ」(那覇)

泡盛と陶器と沖縄料理とユンタクを愉しむバー「オニノウデ」(那覇)

post : 2020.02.04 15:00

2016年7月オープンの「オニノウデ」。ちょっと不思議な屋号のバーは、国際通りから農連市場へ向かってのんびりと歩くこと10分、ガラス越しに並ぶ酒瓶と独創的な暖簾(のれん)が目印です。




弥勒様が誘う暖簾をくぐると、酒瓶で埋め尽くされ朱色の大壁が目を引きます。




朱壁の中央、夜叉面の真下で存在感を放つ花器が、屋号でもある「オニノウデ」だそう。



「オニノウデとは、細長い徳利(とっくり)のことで、わたしの一番好きな陶器です」と店主・佐久川長将(さくかわ・ちょうしょう)さん。「オニノウデはさまざまな用途に使うことができるという多様性をもっています。徳利として、花器として、枕として、ときには武器として使われたりと、ひとつのモノから広がりがあるんです」とオニノウデの魅力を語られます。




店内には酒瓶、沖縄の酒器「カラカラ」、世界最小であろうおちょこ「ちぶぐゎー」が数多く陳列されており、椰子の実の酒器、夜光貝の盃、いまでは貴重な道具「サルカチ(サルカケミカン)」のすりこぎ棒や、読谷(よみたん)の「喜納(きな)焼き」など、変わり種の品々も目に入ります。

「これは200年ほど前の」、「それは400年ほど前の」といった陶器や作品がポンポンと登場するので、「ここは小さな博物館?」と思ってしまうほど。

それぞれにまつわるストーリーを解説してくださる佐久川さんのお話と、ユニークなウチナームン(沖縄のモノ)は見ても愉しく、聴いても愉しく、ひとつひとつの作品に興味が尽きません。




個性豊かな品々に加え、沖縄を代表する作家さんたちの酒器もひっそりと陳列されていました。

たとえば、沖縄県初の人間国宝(国指定重要無形文化財保持者)に認定された「陶工」の故・金城次郎(きんじょう・じろう)氏の作品、県外の愛好家からの人気が高いとされる故・國吉清尚(くによし・せいしょう)氏の作品など、大作家の酒器で泡盛を味わえる贅沢さも魅力です。




「陶器好きではじめた夜の飲食店、そこには泡盛が必要でした。泡盛新聞の河口(かわぐち)さんとの出逢いがあって、泡盛新聞プロデュースで泡盛の基本ラインナップが揃い、今では400種類の泡盛があります。島外にあまり出廻らない波照間島(はてるまじま)の泡盛『泡波(あわなみ)』が100円で飲めることも珍しいかもしれませんね」とお話しつつ佐久川さんは「泡波」を3つの酒器に注ぎます。




「酒器の大きさ、厚み、形、素材に含まれる成分によって味は変化するんですよ。飲み比べてみてください」。

それぞれの酒器の泡盛を少しずつ口に含んでみると、確かに味が違って感じます。酒器によってこれほど味わいが変わるとは。新たな発見に目からウロコです。




さて、泡盛に合うお料理に舌鼓を打つ楽しみも忘れてはなりません。

チャージ(1,000円)にサービスでお通しが振る舞われることもあるそうで、この日は「ゴーヤーの酢の物」、「シブイ(冬瓜)のオクラソース」、「ボルチーニとベーコンのポテトサラダ」、「軟骨ソーキの燻製」、「大根のお漬物」が大皿に盛られて登場しました。軟骨ソーキの燻製は、琉球シナモンとも呼ばれる「カラキ」で燻した一品だそう。いずれも泡盛のアテとして唆(そそ)られます。



 お米と泡盛をふんだんに使い6時間かけて仕上げる「塩ラフテー」。お米のとろみにやさしい味わいながらも食べごたえのある一品です。佐久川さんの季節の沖縄料理を存分に味わいたい方はぜひご予約を。[写真提供:オニノウデ]

「料理が好きで、料理の基本は子どもの頃に母から習いました。食材も調味料もできる限り沖縄県産にしています。あ、包丁も沖縄県産ですよ(笑)」と佐久川さん。

食材や調味料だけでなく、調理道具まで沖縄県産品にこだわる徹底振りには驚くばかりです。




泡盛に合うお料理だけでなく、ていねいにつくられたスイーツも絶品です。

泡盛とコーヒーで煮込んだ豆と、泡盛に漬け込んだ県産コーヒーチェリーで仕上げたオリジナル「ぜんざい」は、甘さ控えめで、泡盛を嗜む大人のスイーツ。



 泡盛レーズンサンド[写真提供:オニノウデ]

庶民のおやつとして沖縄で親しまれているほんのり甘い焼菓子タンナファクルーは、そのままパクリと食べるのが一般的。そのタンナファクルーに、クリームチーズと泡盛レーズンをサンドするという斬新なアイディアの「泡盛レーズンサンド」は、タンナファクルーをお酒にも合うスイーツへと見事に昇華させています。




「趣味は陶器。時間があれば、シーサーを撮るために出掛けたり、屋根の形を眺めたり、市町村の文化財を観に行ったりします。造形も好きなんですよ。歴史や文化にも興味があります。いわゆる沖縄探検も趣味のひとつですね。とにかく沖縄が大好きなんです」という那覇生まれ那覇育ちの佐久川さん。

会話の端々に、沖縄への熱い想いが隠せずにいる。もはや、“滴り落ちている”と言ってもよいほど、沖縄愛が溢れていました。




酒器で泡盛の楽しみ方が無限に広がることを伝えていらした佐久川さん。2つの挑戦があるのだと次のように語られました。

「1つ目は、忘れられた食材、地元市場にしか出回らない食材も取り入れつつ、泡盛を使った料理の開発に挑戦していきたいと思っています。2つ目の挑戦は酒室の空間づくり。店内は全て手作りですので、内装や店内にある沖縄の民具などを季節やお客さまにあわせたカタチに進化していきたいと思っております。進化していくおもてなしの心と場所づくり。オニノウデのこれまでとこれからをどうぞよろしくお願い申し上げます」。




陶器の魅力、泡盛の魅力、沖縄料理の魅力、あらゆる沖縄の魅力を愉しませてくれる、好奇心と五感をここまでくすぐるバーはそうそうお目に掛かれません。佐久川さんのお話が聴きたくて、今宵もまた弥勒様の暖簾をくぐってしまうのです。


オニノウデ
住所/沖縄県那覇市壺屋1-7-13
営業時間/18:00~24:00
電話/090-3797-0577
定休日/水曜日
HP/https://www.facebook.com/pages/category/Bar/オニノウデ-1548839365139960/
※料金は2020年1月現在です。


沖縄CLIPフォトライター 安積美加 


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Information

沖縄県那覇市壺屋1-7-13