首里の物語を焼き菓子「Shulien(シュリアン)」で楽しむ。首里金城町のスイーツ店「Dessert Labo Chocolat」

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初回投稿日:2020.02.03
 最終更新日:2024.03.08

首里の物語を焼き菓子「Shulien(シュリアン)」で楽しむ。首里金城町のスイーツ店「Dessert Labo Chocolat」

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デザートラボ・ショコラ外観

那覇市首里(しゅり)の散策名所として知られる、金城町の石畳道。そこから少し歩いたところに、地元の人から愛され続けるケーキとスイーツのお店「Dessert Labo Chocolat(デザートラボ・ショコラ)」があります。名前の由来は、オーナーパティシエの田島由幸(よしゆき)さんが「チョコレートが大好き」なことから。看板商品は、ずばり「ショコラ」。チョコの甘みとラズベリーの酸味が絶妙に溶け合う、見た目もかわいいケーキ。2007年のオープン当時からずっと変わらず作り続けてきた定番の味は、このお店の魅力を物語る人気商品です。

デザートラボ・ショコラのケーキ

ケーキの飾りにチョコレート細工をふんだんに取り入れるのも、このお店のこだわり。オーダーを受けて作られる特製ウエディングケーキの中には、ティアラをデザインしたこんな美しいものも! 「せっかくきれいに飾るなら、食べられるものにしたい」という想いから生まれた、見て食べて嬉しいチョコレート細工がさまざまなケーキを彩っています。

デザートラボ・ショコラの特製ウェディングケーキ
画像提供:Dessert Labo Chocolat

「お店に来てたくさんのお菓子を見てワクワクして、選べる楽しさがあるように」と、ケーキ以外にも、クッキーやマカロン、フィナンシェ、メレンゲなど焼き菓子も豊富に用意。

デザートラボ・ショコラの焼菓子

イートインスペースもあり、散策の途中にちょっとスイーツで一息なんてときにもぴったり。一緒にコーヒーや紅茶などを飲みたいときは、店内の販売機で自由に購入できるというカジュアルさも魅力です。

デザートラボ・ショコラ店内


オーナーパティシエの田島さんは、首里からほど近い真地(まあじ)という土地の出身で、このあたりは通学路だったこともあり、昔から馴染みの深い場所。「お店をやるなら実家のそばの知り合いのいる場所で」という願望を叶えてから、もうすぐ13年を迎えます。

オーナーパティシエの田島さん

そもそもスイーツ作りに興味を持ち出したのは、小学生のころ。「家で姉がクッキーを焼くのを見て、楽しそうだなと思ってよく手伝っていました。オーブンで焼かれるのをじーっと見ながら、でき上がったときの香りとか、食べたときのおいしさとか、あぁいいなって(笑)。それから将来は、こういう仕事をやってみたいと考えるようになったんです」。

Dessert Labo Chocolatショーケース

高校卒業後は大阪の製菓専門学校に通い、その後、沖縄と東京でパティシエの修行を計9年。わき目もふらず、この世界一筋でもう20数年になります。そんな今でも、「スイーツ作りを嫌いになったことは一度もない」ときっぱり。「常に研究し続けたい、立ち止まることなく新しいものを作っていきたい。そういう気持ちを大切にしているので、日々発見も多く、毎日が楽しいです。店名に“研究所”という意味の“Labo”を入れた理由はそこにあるんですよ」。


Dessert Labo Chocolat店内


沖縄の地産食材を使って、ほかにはないスイーツを作る。これは、“新しいもの”を目指す田島さんが常に取り組んでいる試みです。伊江島産のラム酒「イエラムサンタマリアゴールド」を使ったレーズンサンドは、まさにそのひとつ。ホワイトチョコ入りのバタークリームに、ラム酒漬けにした大粒のレーズン。やわらかくほんのり甘いクリームの中に、食べごたえのあるレーズンの食感、口いっぱいに広がるラム酒のふくよかな風味がたまらない一品です。

Dessert Labo Chocolatのレーズンバターサンド
画像提供:Dessert Labo Chocolat

2017年、オープン10周年という節目には、新しい挑戦として焼き菓子シリーズ「Shulien(シュリアン)」をスタート。「このお店は、首里で生まれ、首里で育まれてきました。その感謝も込めて、首里に根差したお菓子作りをしたい、地元の企業とコラボして何か一緒に商品を作りたい、と考えたのが始まりです。それで焼き菓子の素材として使える食材がないか調べて、直接企業さんに相談に行って。いろいろと味の研究を重ねて完成したのが、この4種のフィナンシェです」

デザートラボショコラのフィナンシェ
画像提供:Dessert Labo Chocolat

「新垣養蜂園」の首里王朝蜂蜜を使い、蜂蜜の甘味とレモンピールの爽やかな風味を絶妙にマッチさせた「首里王朝蜂蜜×レモンピール」。「瑞泉(ずいせん)酒造」の泡盛を生地に練りこみ、焼き上がりにも染みこませ、黒糖とのコンビでコク深く香り高く仕上げた「瑞泉・泡盛×黒糖」。「玉那覇(たまなは)味噌」の味噌を、溶かしバターに伸ばして甘じょっぱく。チェダーチーズのゴロゴロとした食感がアクセントの「玉那覇味噌×チーズ」。末吉豆腐加工所で作られる「繁多川(はんたがわ)豆腐」の手造り豆腐を盛りこみ、甘さ控えめの優しい風味に。ゴマの香ばしさが上品に際立つ「繁多川豆腐×ごま」。

Dessert Labo Chocolatのフィナンシェ

「コラボする素材を単体で使うのではなく、ほかの素材も組み合わせることで風味や食感が豊かになる。そう考えて、相性のいい素材を探しながらいろいろ試しました。初めてお菓子に使う素材もあって、いつもの作り方だと焼き上がりが思うようにいかなかったことも。たくさんの試行錯誤の末にできあがった自信作です」

Shulien(シュリアン)

この「Shulien」は、種類別に2個詰めの箱で販売。全種類をセットにした4箱セットも販売されていて、旅のお土産にも嬉しいシリーズです。注目は、首里城をモチーフにしたパッケージデザイン。4種の箱それぞれに描かれているのは、「首里城 正殿」、「南殿・番所」、「奉神門」「北殿」。繊細で色鮮やかなイラスト、洗練されたデザインは、歴史深く美しい首里の気品を現しているかのよう。

Shulienパッケージ

「“Shulien”は、首里=“Shuri”と、フランス語で“つながり、縁、絆”を意味する“Lien”を組みわせた造語。この商品を手にとっていただくことで、首里とつながり、絆が生まれ、縁が広がっていってほしい。スイーツを通じて首里のストーリーを味わっていただきたい。そんな願いをこめて作っています」

2020年、首里城再建への道はまだまだ始まったばかり。この「Shulien」シリーズの売上の一部は、首里城の復旧・復興金として寄付されるそうです。首里で生まれたスイーツを味わい、首里の地を想う。ぜひスイーツが紡ぐ首里物語を、体験してください。

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沖縄CLIPマルシェ

Dessert Labo Chocolat

住所 /
沖縄県那覇市首里金城町4-70-4 1F
電話 /
098-885-4531
営業時間 /
11:00~19:00
Webサイト /
https://chocolat2007.jp/

岡部 徳枝

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