西表島『農家民宿マナ』でゆったりと過ごす島時間。

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初回投稿日:2020.10.20
 最終更新日:2023.12.14

西表島『農家民宿マナ』でゆったりと過ごす島時間。

八重山諸島(やえやましょとう)のひとつ、西表島(いりおもてじま)大原港までは、石垣島(いしがきじま)から高速船で約45分、手つかずの大自然が残る島として知られ、海遊びや、カヌー体験、滝を観に行くネイチャーツアーなど、アウトドアアクティビティが人気の島です。そんな西表島で、農家にホームステイするように、ゆったりと島暮らしを体験できる宿があります。

農家民宿マナ

『農家民宿マナ』は、西表島大原港から車で約15分ほど走った先、東部地区の古見(こみ)集落にあります。敷地内に入ると中庭の中央に大きなガジュマルの木が枝葉を繁らせ、その木の枝からは、ブランコが下がっていて、まるで絵本の中から抜け出してきたような風景が広がっています。

農家民宿マナ


宿泊するのは、敷地の一番奥にある緑に囲まれたプライベートな雰囲気の赤瓦の一軒家です。家をまるごと一軒貸しという贅沢さに心が踊ります。入り口から一歩入った空間は、どこかノスタルジーを感じさせる落ちついた部屋で、窓からは外の緑が見え、天井が高いことから開放感もあり、一面の本棚や装飾品が非日常の世界観を演出しています。

寝室は2部屋あり、最大6名まで宿泊することが可能です。 居間にはピアノも設置されており、自由に弾けるようになっています。

農家民宿マナ

農家民宿マナの部屋

貝殻

農家民宿マナの部屋


オーナーの石原和義(かずよし)さんと孝子(たかこ)さんは、お互いに東京でキャリアを持ち、追われるように忙しい毎日を過ごしていました。そんな生活に疑問を抱くようになり、自然の中でもっと自分たちらしく暮らしたいという思いから1995年に長野県へ移り住み酪農家のお手伝いをする仕事をしていました。その後、1999年に西表島へと移住、2007年に農家民宿マナを始めました。

12月から4月の期間が、農家として一番忙しくなる時期だそうです。石原夫妻は、サトウキビの他にウコン、ローゼル、じゃがいもを育てて出荷しています。(ローゼルはジャムなどに加工して販売しています)

「サトウキビのシーズンは、とても忙しくて体力的にも本当に大変だけれど、僕はこの仕事が大好きなんだ」と現在さとうきび生産組合の組合長も務める和義さんは満面の笑顔で話してくれました。サトウキビ刈りをするときに和義さんが使っている鎌を見せてもらいました。4年間使い込んだ鎌の取っ手は和義さんが握った手のあとに変形していました。

「自分の道具は体の一部みたいになるんですよ。他の人が使ったら、1日で刃がかけてしまいました。僕の道具は、使い込めば使い込むほど僕専用の道具になるんです」(和義さん)

サトウキビ刈りの鎌


農家民宿マナでの食事は、和義さんと孝子さんと一緒に、石原家のダイニングでいただきます。

夕飯を担当するのは和義さんです。

この日のメニューは、島魚と島野菜のオイル煮、猪肉のミニハンバーグ、ゆし豆腐の味噌汁、カーナ(海藻)の和え物、グルクンの稚魚の唐揚げ、マグロのお刺身、ローゼルの漬け物でした。島ならではの食材を使って、添加物などを使用せず作られた料理は、どれも絶品でした。猪は、和義さんが西表島の山から獲ってきた物です。

食卓では、石原夫妻から色々な話しを聞くことができます。農業の話しや猪狩りの話し、島の文化やお祭りの話しなど、西表島のローカルな暮らしを島人目線で色々と教わることができます。

石原家のダイニング

朝食には、孝子さんの焼いた自家製ベーグルと自家製ローゼルジャム、優しい味のヘチマの豆乳スープ、ローゼルの葉が刻み込まれたサラダに、人参シリシリ、そしてその日に孝子さんが焙煎したコーヒー豆で淹れたコーヒーを頂きました。どれも素材の味がストレートに伝わってくるシンプルでホッとする食事です。

自家製ベーグルと自家製ローゼルジャム

敷地の入り口には、『マナの店』があります。小さな商店内では、ローゼルジャムや粉末ウコンなどの自家製加工品のほか、孝子さんが発注して仕入れる調味料や自然食、おやつなどが並んでいます。地元のお母さんが子供たちを連れてお買い物に立ち寄り、孝子さんとおしゃべりを楽しんでいました。

マナの店

お店の奥では、さをり織りの体験ができます。2つの機織り機には、孝子さんが掛けた経糸がセットされていて、好きな方を選びます。 色とりどりの横糸が壁に設置されていて、その中から好きな糸を選びながら織ることができます。色合いやデザインなどは、その時の気分で決めていけるので、自由度があり気軽にチャレンジできるのがさをり織りの魅力です。

自分だけのオリジナルストールやテーブルセンターなどにチャレンジしてみるのも素敵ですね。体験費は1500円から〜(+糸代)

 色とりどりの横糸
機織り機


大自然の中、島の暮らしを体験できる宿『農家民宿マナ』で心と体を癒してみませんか?

オーナーの石原和義(かずよし)さんと孝子(たかこ)さん

※料金は2020年10月現在です。
 

農家民宿マナ

住所 /
沖縄県八重山郡竹富町字古見202
TEL /
0980-85-5656
定休日 /
不定休(地域行事でお休みの場合あり)
Webサイト /
https://painusima.com/760/

水野 暁子

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