琉球王朝時代から守り継がれた紅型を、現代の暮らしに取り入れる「琉球びんがた普及伝承コンソーシアム」

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歴史文化

初回投稿日:2021.03.25
 最終更新日:2024.03.27

琉球王朝時代から守り継がれた紅型を、現代の暮らしに取り入れる「琉球びんがた普及伝承コンソーシアム」

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沖縄県には16品目の伝統工芸品があり、京都、新潟に続いて全国順位で第3位だそうです。生産額の割合は、織物が31%と最も多く、陶器は24%、琉球ガラスは23%、琉球紅型(びんがた)は7%にとどまっています。

琉球王朝時代から守り継がれてきた沖縄の伝統工芸品、琉球紅型。他の染色物との違いは、色に顔料を使用するところ。水に溶けず、耐光性にも優れた顔料は沖縄の強い紫外線でも色褪せることなく、その他の染料よりも鮮やかに発色します。

琉球紅型
(画像提供:琉球びんがた普及伝承コンソーシアム)

「大胆な模様は絵画的で、着物以外でも“デザインとして”紅型を活用することができるのではないか?と思いました」と話されるのは、琉球びんがた普及伝承コンソーシアムの事務局長、小渡 晋治(おど しんじ)さんです。

事務局長、小渡 晋治(おど しんじ)
(社員の當間さんと、小渡さん)

琉球びんがた普及伝承コンソーシアムは2019年4月に立ち上がった一般社団法人。「伝統を守り続けていることだけが成果ではないと思っています。」と話す小渡さんは、琉球王朝時代から受け継がれてきた技術と文化を大切にしながら、現代の暮らしに合った琉球紅型を提案します。

事務局長、小渡 晋治(おど しんじ)

琉球びんがた普及伝承コンソーシアムを立ち上げるきっかけとなったのは「URUSHI TUMBLER(ウルシタンブラー)」。福井県鯖江(さばえ)市は約1500年の伝統を誇る越前漆器の産地ですが、そんな伝統工芸品である漆をタンブラーに施すことで「伝統工芸品の付加価値を高めることができる」と思った小渡さんは「紅型でも何かできるのではないか」とひらめいたそうです。

国際通りや空港などで格安で販売されている紅型風のお土産品は“沖縄っぽい”かもしれないが、実は職人とまったく繋がっていないのだそうです。いろんな国の技法や絵柄を取り入れながら工芸品に昇華させた琉球紅型。「時代の変化を受け入れながら、伝統を残せたら良いですよね。より多くの人が紅型に出会うきっかけづくりをしたいと思いました」と小渡さん。

琉球紅型の制作
(画像提供:琉球びんがた普及伝承コンソーシアム)

著作権が切れてしまうなどして無断で使われてしまうことが多い琉球紅型。低品質の商品が流通している現状に対しても、小渡さんは疑問を感じていたといいます。琉球びんがた普及伝承コンソーシアムでは、職人に適切な利益をもたらせる仕組みづくりを構築。事業を通して商品化されたプロダクトに対して、デザインを採用した職人にロイヤリティを支払い、琉球紅型の普及や技術伝承に繋がる活動をされています。

タンブラー

琉球びんがた普及伝承コンソーシアムが紅型工房・職人と共に開発したプロダクトは、ランチョンマットやタンブラー、マスク、壁紙など、暮らしの中に取り入れたくものばかり。こちらは、知念紅型研究所が制作した「七宝」と「ふくら雀」を施したタンブラー。永久に反映する姿や夫婦円満、繋がるご縁、豊かさなどの願いが込められています。やふそ紅型工房のブーゲンビレア(ブーゲンビリア)シリーズも人気で、タンブラーはバンブーファイバー(竹の繊維)やコーンスターチ、樹脂などから作られたエコフレンドリーなアイテム。手触りはとても滑らかで、スリーブの部分はシリコン製となっています。

マスク

マスク

琉球びんがた普及伝承コンソーシアムと沖縄CLIPマルシェとのコラボレーションマスクはおしゃれなのに派手すぎず、日常遣いはもちろん、ビジネスシーンで第一印象をアップしてくれそうですね。

ランチョンマット

表面に撥水加工が施されているランチョンマットは、食卓をパッと華やかにしてくれるアイテム。

マーリオチョコレートの紅型パッケージ
(画像提供:琉球びんがた普及伝承コンソーシアム)

イタリアの老舗チョコレート工房「MAGLIO(マーリオ)」と沖縄の食材をコラボレーションしたチョコレートは黒糖、島唐辛子、紅芋、シークヮーサー、塩の5フレーバーを展開中。パッケージは知念冬馬さんデザインの「サトウキビの花」の図柄を採用し、中身だけでなく見た目からもしっかりと沖縄を感じられるようになっています。


琉球びんがた道具箱

ステイホームをきっかけに商品化されたのは“色染め”の体験ができる「琉球びんがた道具箱」。説明書や色付けをする風呂敷、紅型職人が実際に使用している顔料や筆などがセットになった道具箱で、体験工房に出向くことなく自宅で紅型体験が楽しめる内容となっています。

手染めの紅型をデータ化し、さまざまなアイテムの商品化を展開する琉球びんがた普及伝承コンソーシアム。「伝統工芸品である紅型を身近に感じることで、興味や関心を持ってもらえたら嬉しいです。そして、これからも琉球紅型のさらなる普及を目指していきたいです」と小渡さん。

3/26〜28日には、那覇市のホテルアンテルーム那覇で、ファッションブランドkizuna okinawaとのコラボレーションイベント「かりゆしウェアのセミオーダー会」が開催されます。夏を快適に過ごしたい方は、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

※イベントは終了しております。

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沖縄CLIPマルシェ

琉球びんがた普及伝承コンソーシアム

住所 /
沖縄県那覇市久米1-4-17(事務局住所)
TEL /
050-5471-6988
Webサイト /
https://bingataconsortium.com/ja/

舘 幸子(たち さちこ)

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