連載/島の恵み、島の味 その5 イーチョーバー

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初回投稿日:2014.04.02
 最終更新日:2024.03.27

連載/島の恵み、島の味 その5 イーチョーバー

「イーチョーバー」ってあまり聞き慣れない名前ですよね。

でも、ヨーロッパが原産で「フェンネル」や「ウイキョウ」といえばピンと来る方もいるはず。

むかし、胃腸薬として重宝されたことから「胃腸葉」と言われ、

沖縄では「イーチョーバー」と呼ばれるようになったようです。


イーチョーバー

 

暑さの厳しい沖縄でも、通年育てやすい野菜として重宝されています。

我が家の家庭菜園でもイーチョーバーが元気に生い茂っています。


イーチョーバーの茎

 

茎の部分はセロリのようにシャキシャキした食感で、

ニンニクとオリーブオイルなどでシンプルに炒めたり、細かく刻んでスープに入れると、

イーチョーバー本来の風味が楽しめます。


イーチョーバー根本

 

イーチョーバーに限らず、バジルやコリアンダー、ディルなど、

沖縄では色々なハーブが売られています。

しかも、すべてお手頃価格なのが嬉しいです。

買ってきたイーチョーバーを花瓶やグラスにさしておけば、

日もちもよくハーブの香りがキッチンを爽やかに演出してくれます。


ハーブ

 

特に魚介類との相性は抜群で、島の代表的な料理「いまいゆ(鮮魚)のマース煮(塩煮)」に使われます。

新鮮な魚が手に入ったらすぐに作りたくなる、マース煮をご紹介します。

 

【シチューマチのマース煮】

シチューマチのマース煮

 

材料(4人分)

 

・シチューマチ  1尾(白身魚、鰺などお好きな鮮魚でお試し下さい)

・イーチョーバー 適量

・天然塩     小さじ 1.5~2

・にんにく    1かけ

・昆布      10cm(なくてもOK)

・泡盛      1/2カップ(日本酒でもOK)

・水       2カップ

・カットレモン  1

 

作り方

 

1.魚の下処理をし、両方の腹に切り込みを入れる。

2.フライパンに水、昆布、にんにく、泡盛を入れ火にかけ、魚の頭を左にして入れる。

3.3cmくらいに刻んだイーチョーバーの葉をふんだんにいれる。

4.沸騰したら、灰汁をすくって落としぶたをして3~5分ほど煮る。

5.お皿に盛りつけて、味のしみこんだイーチョーバーを添え、

  フレッシュな部分があれば飾り付け、カットレモンを添えて完成。


シチューマチのマース煮完成

 

爽やかな香りが、新鮮な魚の味わいをグッと引き立ててくれます。

磯の香りがしみこんだイーチョーバーを食べてみれば、その相性の良さを舌で実感できます。

 

イーチョーバーを沖縄のいまいゆとお気に入りのマース(塩)で、是非試してみて下さいね。

それと、残ったスープでパスタを作るのが特にお薦めです!

 

monobox(河野哲昌・こずえ)

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