沖縄観光情報:車の屋根から木が生えてる!?笑顔を生み出すふしぎな車

車の屋根から木が生えてる!?笑顔を生み出すふしぎな車

post : 2014.06.22 21:00

 

数年前から噂になっている「屋根の上に木の生えた車」。

県内外のメディアや、地元の新聞で聞いたことはあっても、

実際に見た方は少ないのではないでしょうか。

 

どうしてこうなったのか、何のために?

どうやって固定しているのだろう…と謎は深まるばかり。

車に木が生えたいきさつを、持ち主にたずねてみました。

 

 

こちらが車の持ち主の知念満二(ちねんみつじ)さん。

仕事内容とこの車はまったく関係ありませんが、

自家用車として通勤に使っています。

 

車の屋根に植物を植えようと思ったのは6年前。

横浜から故郷の沖縄へ帰省する際に、車のエアコンが壊れてしまい、

直すにもお金がかかるし、良い方法はないかと考えて思いついたのが、

「車の上に木かげを作ったら、熱を吸収して涼しくなるのでは」

というアイディア。

 

試行錯誤の末に、屋根に土台を作って芝生を定着させることに成功。

その後、風にのって飛んできた植物の種が芽を出し、今のような姿になったそうです。

 

 

上の写真は2年前の秋に撮影したものですが、

このときはまだ「車上の花畑」といった感じでした。

 

「僕が植えたのは最初の芝生と、ヒマワリの種だけだよ。

あとはぜんぶ風が運んできて自然に育ったもの。

マツバボタンは、知らないおばさんに植えられたんだ。

花が少ないからこれ刺しなさい、すぐ根付くからって 笑」

 

 

こちらが現在の様子。2年でおどろくほど成長しています。

花畑というよりは、ちょっとしたジャングルのよう。

 

エアコンは直したものの、窓を開けて走るとかなり涼しいので、

ほとんど使っていないそうです。

 

ちなみに私は、2年前にも助手席に乗せていただいたのですが、

今回乗ってみてさらに涼しくなったように感じました。

走り出すとダッシュボードに木かげができて、森の中にいるみたいです。

 

 

4年かけて今の高さに育ったガジュマルの木と、

ものすごいスピードで伸びたアコウの木。

あふれそうに茂ったオオタニワタリ、

きれいな花を咲かるマツバボタンやベゴニア、ユリの仲間など。

自然に生えてきた沖縄の植物たち。

 

どうやって屋根に固定されているかというと…

 

 

土台は6層構造になっていて、いちばん下にはおむつシート、

その上に園芸用のココナッツシートなどをひいて、釣り糸とネットで固定されています。

緑色のじゅうたんに見えるのは自然に生えた苔。

このおかげで、土をまったく使わずにすんだとか。

 

今後特許を取るかもしれないので、くわしい方法は公開できないそうですが、

万が一どこかが外れても飛んでいかないように、しっかりと固定しているそうです。

 

強風で木が折れたり、飛ばされたことは一度もありませんが、

万が一のことを考えて高速道路は使わずに、いつも安全運転をこころがけているそうです。

 

 

手入れは水やりのみ。

朝起きたらまず植物に水をあげるのですが、すぐに蒸発してしまうので、

3〜4時間に1回の目安で水やりしているそうです。

ぬるい水をかけると枯れてしまうので、

なるべく冷たい水をかけるように気をつけているとか。

 

土のない場所で、水だけで植物が育つのがふしぎですが、

知念さんいわく「苔が天然の栄養剤になったんじゃないかな」とのこと。

自然の生命力に驚かされます。

 

 

 

助手席から顔を出しているのは愛犬のトマトちゃん。

植物に水をあげると、「わたしにもちょうだい!」とおねだり。

かわいらしいですね。

 

 

車上に植物を植えはじめてから、2回車検を経験した知念さん。

1回目は高さ5cmほどの芝生なので外さずにクリアできましたが、

2回目は草木も高くなっていたのでそうはいかず。

 

「車のキャリーと同じで、乗せたままで車検は通らないということがわかって。

外したら同じ状態で取り付けることはムリだと思ったから、だいぶ悩んだね。

そしたら、明日車検に出さないと間に合わないという前日、

夢の中の僕が「こうやればいいじゃないか!」と教えてくれたんだよ。

でもそのやり方は秘密ね。笑」

 

車検のときは上の草木を外して、再度取り付けること、

高さは3m80㎝以下で、車幅よりもはみ出なければ問題ないそうです。

※この撮影の後日、車幅からはみ出している部分を切ったと連絡がありました。

 

 

エアコンも直った今、なぜこの車で走り続けているかというと、

注目を集めたいわけではなく、ある目的のため。

 

「車の上に花が咲いたらアートでしょ。

観光客がこれを見て”沖縄はなんてファンキーな島なんだ!”って感じてくれたら嬉しい。

人に指をさされて笑われるのはつらいし、恥ずかしい。

毎月一度は嫌になって車に乗れなくなることもあるよ。

でも、子どもたちの笑顔や、手をふって応援してくれる人たちの姿を見ると、

続けてよかったなと思う」

 

 

この車を続けている理由はもうひとつあります。

現在Facebookで連載中の写真と言葉でつづる物語、

『走れ!ガジュマル兄妹』を完成させて、

絵本として出版すること。

 

車の屋根で育ったので、どこにでも行けるガジュマルの兄妹ガジュとマルーは、

動くことのできないお母さんに頼まれて「唄う木」を探す旅にでます。

「唄う木がほんとうにあるならその唄を、

そしてお母さんにこの世界の素晴らしさを伝えてあげたい」

兄妹をのせて沖縄中をかけめぐる知念さん。

 

「やる前から不可能と思ったら何もできないよね。

この物語の兄妹は、唄う木なんてあるわけないって周りから言われてもあきらめない。

僕自身も唄う木はどこかにきっとあると信じているし、

物語が完結するまで、この車を続けていくつもり」

 

走っているだけで笑顔を生み出すふしぎな車。

 

もし沖縄でみかける機会があれば、あたたかく手を振ってあげてくださいね。

読んでいくとやさしい気持ちになれる、

ガジュマル兄妹の物語もおすすめですよ。

 

 

車に関する質問などもこちらから受け付けているそうです。

『走れ!ガジュマル兄妹 Run!Little Banyans』

https://www.facebook.com/FlowerGardenCar

 

 

沖縄CLIPフォトライター 中尾たかの

 

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