沖縄観光情報:凛とした美しさと存在感を放つ「木漆工とけし」の器

凛とした美しさと存在感を放つ
「木漆工とけし」の器

post : 2014.09.01 12:00

「木漆工(もくしっこう)とけし」の器を初めて目にしたのは、

とあるショップでのことでした。


 

黒い板皿の美しいたたずまいに引き寄せられ、

両手でそっと持ったとたん、たちまち料理を作りたくなって。

 

ゴーヤの炒めもの、島にんじんのサラダ、紅いものマッシュ。

いつもの料理が、色鮮やかなおかずが、

ぐっと美味しそうに見えそう。

沸き上がるわくわくする気持ちをおさえながら、

しばらく器を眺めていたことを覚えています。


 

木漆工とけしは、木材を加工して形を作る

木地師(きじし)の渡慶次 弘幸(とけしひろゆき)さんと

その木材に漆を塗る、塗師(ぬし)の愛さん夫婦が漆器を作る工房です。

 

沖縄出身のふたりは、地元で基礎を学んだのち、

漆器の本場、石川県の輪島で修業を重ねます。


  

漆をもっと学びたくて輪島へ向かった愛さんと

まわり道をしながらも導かれるように輪島へ渡り、

木地師になった弘幸さん。

 

修業しながら描いた、ふたりで漆器を作る夢を

生まれ育った沖縄でかなえました。


 

漆器は一見、敷居が高くて扱いにくそうと思うかもしれません。

でも、手に包んだ時も口当たりもやさしくて

熱いものを入れても器が熱くならず、

保温性があり、落としても割れにくい。

 

冷たいものも熱いものも、和風も洋風も、

デザートだって受け止める大らかさを持ち、

なんでもない定番おかずが

とても美味しそうに上品に見える魔法の器。

 

洗って拭いて使い続けることで表情が変わり、

少しずつ艶を増す、育てる楽しみもあります。


 

そんなよさを伝えたくて、木漆工とけしでは、

気がまえせずに普段使いできる漆器を作っています。

 

ふたりの手から生まれる器は、

全て沖縄の木で作られ、軽いのが特徴。

どんどん使ってほしいから、

細かいキズがついても目立たないマットな仕上がりに。

手持ちの器と並べても、すっとなじむように

あえて艶をおさえています。

 

そして、どこか手のぬくもりを感じてもらえるように。

これも、ふたりの大切なこだわりです。


 

板皿は、寸分の狂いもなく

縁をまっすぐに仕上げているわけではありません。

よくよく見ると、木の自然な流れにそった

ゆるやかなまっすぐです。

 

表面は、一見平らなようでいて

実はまん中がほんの少しだけくぼんでいます。

サラダを盛ったらドレッシングがこぼれ落ちないように。

ソテーした肉や魚にかけたソースもまた同じ。

使いやすいように工夫がほどこされています。

これは微妙に力加減できる手仕事ならでは。


  

今、弘幸さんが一番力を入れているという椀は

ほんの少しずつ高さや径が違います。

ぴしっと同じ形で作ると

木材のロスが多くなってしまう。

だから、手にした木の個性を探りながら

ムダが出ないように、その木の持ち味を生かして作ります。

 

愛さんは、より木の風合いを大切にするために

塗りを必要最低限におさえています。

 

表情を見ながら、手を加えすぎず、

木の特徴を生かしたものづくり。

やっぱり手仕事だからできること。


 

どっしりとした存在感と凛とした美しさ。

研ぎ澄まされているのに、

どこかほっとするようなあたたかさがあって、まっすぐで。

 

木漆工とけしの器に魅かれてやまないのは、

ふたりの心が映し出されているせいかもしれません。


 

この夏、渡慶次家にはふたり目の赤ちゃんがうまれました。

それを機に、本格的に子どもの漆器を作っていきたいそう。

行事の多い沖縄でニーズの高い重箱も、

定番にしたいひとつです。

 

そしていずれは、品ぞろえも在庫もたくさんある

「漆器屋さん」を作るのが大きな夢。

二人で作れる数には限りがあるため、

最近人手を増やし、新たな歩みをはじめました。

 

一歩ずつ、でも確実に前に。

ふたりの描く未来は、これからも大きく広がっていきそうです。

 

 

 

木漆工(もくしっこう)とけし

電話/0980‐43‐0319

HP/http://www.tokeshi.jp/

 

◇購入できるショップ

GARB DOMINGO(ガーブ ドミンゴ)

http://www.garbdomingo.com/

 

Shoka:(ショカ)

http://shoka-wind.com/

 

ホテル オリオン モトブ リゾート&スパ内ショップ「沖縄いちば」

http://www.okinawaresort-orion.com/shop/

 

 

沖縄CLIPフォトライター 小野暁子

 

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