沖縄観光情報:おいしいごはんを食べるために外国からも訪ねる人がいる、米や松倉

おいしいごはんを食べるために
外国からも訪ねる人がいる、米や松倉

post : 2015.02.06 21:00

 

「おいしいごはんを食べにいきたい」

パンケーキを食べる朝にふと思う時があります。

その日が月曜日でなければ、間違いなく訪れる店、それが米や松倉です。


 

沖縄では馴染み深いアカギの大木やガジュマルの木に囲まれた

静けさをたたえる一角に立つ、米軍関係者向けに建てられた外人住宅。

むかし使われていたはずのレンガ造りの煙突や

番地を記した金属製のプレートがそのまま残されています。


 

新たなオーナーの手によって古民家のような

温もりのある建物につくり変えられたコンクリート住宅。

引き戸を開けて中に入ると、ざわついていた心が一瞬で穏やかになるような

静かな空間が窓から差し込む日の光を受けて広がっています。


 

さて、お目当ては炊きたてのごはんと香ばしく焼き上げられた焼き魚。

注文してしばらくすると、まず前菜の登場です。

今日の前菜は菜の花のお浸し、筍と県産セイイカの木の味噌和え、

ワカサギとパプリカの南蛮漬けでした。

 

やがて、ゆるゆると立ち上る湯気とともに

白く光るふっくらしたごはんが、手間暇かけてつくられたであろう

旨そうな煮ものと焼きもの、そして味噌汁とお新香とともに運ばれてきました。


 

ふーっ!とため息が漏れてしまいます。

眺めて味わう、触れて味わう、噛み締めて味わう。

季節折々の「よいもの」から、これはというものを選び抜き、

板前さんが心を込めて手を加えた料理を前に、

味わうことの意味を考えさせられます。


 

おいしさの秘訣をオーナーの浅野さんに尋ねてみると、謙虚な返事が返ってきました。

「これっていうのはないんですけどねぇ・・・。

『おいしいお米はこれしかない』という気持ちで提供してはいますけど・・・」

こういうのを誠実さの表れというんでしょうね。

浅野さんの飾り気のない返答に正直な人だなあとあらためて感心すると同時に、

こういう心のあり方がごはんや料理に現れるのだろうと独り納得してしまいました。


 

田んぼの状態、お米の育て方、お米の乾燥や貯蔵の仕方、

研ぎ方、水加減、そして火加減。

ごはんの味を左右する条件はたくさんあるはずなのですが、

「これっていうのはないんですけど・・・」という言葉でご本人が語りたかったのは

ごはんに関わるすべてのことがおいしさを左右するということなのでしょう。


 

羨ましいいことに、小さい頃から毎日おいしいごはんを食べてきた浅野さん。

だからこそ、ごはんのおいしさに誰よりも敏感だし、

どうすればおいしいご飯を提供できるか知っているのです。


 

生まれ育ったのはのどかな山々に囲まれた宮城県の大和町。

七つ森というメルヘンな名前がついた、民話にも登場する山々。

その一つ、松倉山の懐で浅野家は三代にわたって米作りを行ってきました。

お米作りに最適な山と里の中間あたりで、丁寧に育てられたお米は

最近まで、○○米として近隣のお米にブレンドされて市場に出回っていたそうです。

農薬と化学肥料をできる限り控え、誇りの持てるおいしいお米を作っても、

そうでないお米と一緒くたにされてしまうわけですから、実にもったいない。

そういうわけで、最近まで、家族や近しい人たちの間だけで食べていたお米を、

もっと多くの方に味わってもらおうと、米や松倉が誕生したのです。


 

米や松倉には、今日も舌の肥えたお客さんがやってきます。

30〜40代の地元の方々がご両親や、おじいちゃん、おばあちゃんを連れてきたり、

最近ではこの店を紹介したガイドブックを手に、

(『あたらしい沖縄旅行』セソコマサユキ著/WAVE出版)

台湾や韓国など海外からもおいしいごはんを求めて訪ねてくる人がいるそうです。

アメリカの建物、宮城のお米、沖縄の料理人と沖縄のおもてなし、

そして、世界各地からのお客さん。ごはんを通じていろんな人がつながる場所。

米や松倉は文字通り、誰かが誰かに出会うことを「待つ蔵」なのでしょうね。

 

店内での食事のほか「松倉仕出し弁当」*(1,700〜2,500円)もご利用いただけます。

「弁当持ってやんばるの森の中へ」というのもオツかもしれないですね。

* 仕出し弁当は10個以上から注文できます。三日前までに必ず予約を入れてください。

 

 

 

 

米や松倉

住所/沖縄県宜野湾市大山2-11-26

電話/098-943-1058

営業時間/11:30〜15:00 18:00〜22:00

定休日/月曜

http://komeyamatsukura.net

 

沖縄CLIPフォトライター 福田展也

 

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Information

宜野湾市大山2-11-26