沖縄観光情報:伝統的な沖縄そばでも中華そばでもない、あたらしい味、金月そば

伝統的な沖縄そばでも中華そばでもない、あたらしい味、金月そば

post : 2015.02.25 12:00





たしかな歯応えの、コシのある太生麺。シコシコした食感とともに熟成された小麦の味が広がる麺だ。
しっかりした旨味の豚骨スープ。沖縄そばと中華そばのそれぞれのよさが合わさったようなスープからは重層的なおいしさが伝わってくる。
しっかり煮込んであるのだろう、ほどよく脂身が抜けた口当たりのよい三枚肉は十分に柔らかい。
かまぼこの代わりだろう、ぷるぷる感のあるさっぱりした厚揚げも麺とスープに思いのほか合っている。




看板メニューの金月(きんちち)そばには炙(あぶ)り軟骨ソーキが付いてくる。
取り分け用のお椀にそばとスープを入れ、ソーキを乗せて食べてみた。
ほんのりとした甘味とこんがり香ばしい風味と一緒になって、舌の上でとろける柔らかなソーキさが胃袋にするするっと落ちていった。




沖縄のソウルフード、沖縄そばの可能性に着目し、世界に通用する次世代の沖縄そばを確立すべくいろんな角度から追求している金城太生郎(たきろう)さん。
2008年に独立してこの店を立ち上げてから4年ほどは、つけ麺というスタイルで今までにない沖縄そばにチャレンジした。




珍しさと味の良さで評判になり、お客も増えていったが、“つけ麺=中華そば”のイメージが一人歩きし始めたため、つけ麺を一旦休止。
「なんでやめるの?」と残念がる声が周囲から次々に耳に入ったが、汁そばで沖縄そばの新しい可能性をあらためて探り直すことに決めたそうだ。




このそばを食るためにはるばる読谷(よみたん)まで来る人も多いという「坦々そば」も間違いなく汁そばの新しい形の一つ。
運ばれてきたどんぶりに、金城さんがその場でラー油を垂らしてくれた。
イタリアンやフレンチのように、見て味わうという視点がちょっと嬉しい。




麺はさきほどの金月そばより細めだが、コシの強さは変わらない。
トロ味のある濃厚な白ゴマスープに、刻んだばかりの白ネギの香味、ラー油と唐辛子の辛味が相まって、沖縄そばとも中華そばともどこか違う、新たな味のハーモニーが口の中で奏でられる感じがした。




悦楽の余韻に浸っていると口直しに注文したデザートが運ばれてきた。沖縄の大地と海が育てたサトウキビが原料の、黒砂糖が使われた、ひと味違うクリームブリュレ。




「農家の役に立ちたいんです」地産小麦を使った「地粉麺香り鰹そば」や読谷村のそら豆味噌を活用した「そら豆味噌野菜そば」など、できる限り地産地消にこだわっている金城さん。
農家に生まれ育ったこともあるが、沖縄の経済が基地に依存せずに成り立っていけるように力になりたいという思いがあるからだという。
新しい沖縄の可能性を意欲的に追い続ける金城さん。彼の背中は実際よりも大きく見える。



「手がけていくそばの姿はこれからも変わっていくはずです」 この記事を目に留めてくれたしてあなたが、沖縄を訪れ、実際に金月そばに足を運んでくださったときには、また別の新たな可能性が、形になっているかもしれない。




*金月そばは夜になると炭火焼を提供する火乃鳥屋に変身します。


金月そば(きんちちそば)
住所/沖縄県読谷村喜名201
電話/098-958-5896
営業時間/11:00~15:00(日曜は16:00まで)
定休日/月曜
HP/http://kintiti.ti-da.net


沖縄CLIPフォトライター 福田展也

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読谷村喜名201