沖縄の空気観が移しとられた芭蕉の布と紙、そして紅型

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初回投稿日:2015.07.11
 最終更新日:2024.04.11

沖縄の空気観が移しとられた芭蕉の布と紙、そして紅型

紅型ブックカバー


紅型
紅型絹絽半衿(びんがた)
 
紅型が襟元を彩ります。

紅型ガマ口財布
 
使うたびに思い出す、あの手触り。

ツワブキ紅型額装
 
沖縄で目にした景色を身近な場所に。
 
旅先の思い出をポケットに入れて持ち帰りたくなることはありませんか? 例えばそれは海辺で拾った貝殻だったり、やんばるの森で見つけた何かの種だったり。
 
沖縄CLIPが見つけたのは、里山的な自然に寄り添った暮らしの中で育まれてきた、どこか懐かしい沖縄の魅力です。
 
今回ご紹介するのは、沖縄を代表する伝統技法、紅型で沖縄にゆかりのあるモチーフを丁寧に染めた着物用の半襟、ガマ口、ブックカバー。
 
そして、材料の栽培から糸づくりや染めなど、いくつもの行程を経て織り上がる幻の布、芭蕉布のテーブルセンターです。
 
芭蕉布と同じ糸芭蕉の繊維で漉(す)いた芭蕉紙に繊細な紅型染めを施した、芭蕉紙紅型染とハンドメイドのフレームで額装された芭蕉紙紅型染も用意しています。芭蕉紙は芭蕉布同様、作り手がわずかで、手に入れるのが難しい工芸品です。
 
どの商品もやんばるの豊かな自然に寄り添って暮らすご夫婦の手によるものです。
 
沖縄に移り住んでおよそ30年、芭蕉布・芭蕉紙・紅型を二人でつくり続けてきた染織工房バナナネシアの福島さん夫婦。「芭蕉布を織りたいから」。二人が沖縄に移住した理由は実にシンプルでした。
 
1985年から1989年まで、福島泰宏さんは人間国宝の平良敏子さんのもとで、芭蕉布づくりを一から学び、独立したあと自分たちの工房を構えました。
 
東京でグラフィックデザインの仕事をしていた福島律子さんは、沖縄で佐藤実さんや嘉陽宗久さんのもとで紅型を学び、芭蕉紙や、麻の生地などに沖縄の風景や自然を描き始めました。
 
都会での日々の暮らしに、沖縄ののどかな時間を取り入れるのにうってつけ。太陽や雨や風とともにある暮らしから生まれた布や紙たち。二人の手がつくりだすものたちには、沖縄の空気観が丁寧に移しとられています。
 
【プロフィール】
福島泰宏(ふくしまやすひろ)さん
埼玉県出身。1985年沖縄本島北部、長寿の村として知られる大宜味村(おおぎみそん)に移住。芭蕉布再興に尽力した平良敏子さんのもとで、芭蕉布の技術を学ぶ。独立後、読谷村に移り、染織工房バナネシアを設立。原料となる糸芭蕉の栽培から収穫、繊維の取り出し、糸づくりから、染め、織りまで一貫した生産をおこなっている。芭蕉布・芭蕉紙を担当。学生時代には社会人類学を学び、日本研究や沖縄研究が専門の文化人類学者ヨーゼフ・クライナー氏のもとで学びたいとドイツに留学したユニークな経験を持つ。

福島律子(ふくしまりつこ)さん
宮崎県出身。東京でグラフィックデザインを学んだのち、育児玩具を扱う会社でデザインや広報を担当。泰宏さんと結婚後、沖縄に移住。和装に関心を持ち始め、着付けを学び始めるととともに紅型の修行をスタート。「和装に活かす紅型」をテーマに、小物に力を入れて製作。鼻緒、帯締め、半衿などオリジナル柄の商品づくりを楽しんでいる。

沖縄CLIP編集部

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