沖縄観光情報:空手の王国「沖縄」で、本物の空手に触れてみる

空手の王国「沖縄」で、本物の空手に触れてみる

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post : 2015.07.16 18:00




 
県外のみなさんに沖縄らしさを感じてもらえるものを挙げるとすれば、エイサー、美ら島水族館、なんくる精神、ゴーヤチャンプルー・・・。そして、何番目になるかはその人しだいですが、沖縄県民の多くが、みんなに「自慢したい沖縄」の一つが、たぶん空手でしょう。
なぜなら沖縄こそが空手の発祥の地であるだけでなく、沖縄の結婚式でしばしば披露されるポピュラーな存在の武道であり、「目に見える沖縄の伝統文化」の一つが空手だからです。そして、空手には、沖縄に特有な身体の動きや礼儀作法だけでなく、長い歴史のなかで育まれてきた、人と人との関係や国と国との関係のあり方のエッセンスが体現されているからです。



 
でも、空手に興味は持っても、いきなり空手道場の門を叩くのは気が引けるし、いきなり体験してみるというのもハードルが高いですよね。そこで、今回ご紹介したいのが、無料で見学できるこのセミナーなのです。

 
7月13日から7月18日まで、沖縄県立武道館で開かれている「沖縄伝統空手・古武道国際セミナー」。今年で3回目なので、まだあまり知られてはいませんが、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、インド、中国、台湾、ロシアなど世界中の国から、老若男女100名以上の空手家が年に一度空手のメッカ沖縄に集まり、流派を超えて技術を高め合い、国境を超えて交流を深めるというイベントです。会場の沖縄県立武道館は那覇空港と県庁前からモノレールで3駅目。交通至便な場所にありますので、沖縄の伝統文化に触れられる特別な機会としてオススメです。


 
さて、いまや世界の競技人口は5,000万人を超え、世界でもっともメジャーな格闘技、あるいは武道となった空手ですが、そのルーツが沖縄にあることは意外なことにあまり知られていないようです。
 
沖縄に古くからあった、「手」(ティー)と呼ばれる在来の武術が、中国をはじめ、大航海時代に交流があった太平洋の国々を含めた世界の格闘技と結びついて、新たな武術として発展したのが空手です。

オフの日に首里城を訪れて沖縄文化を堪能するフランスから来た若者。彼は今回セミナーで空手初体験。映画でカンフーや空手を知り、学校の先生からも話を聞くうちに沖縄の空手に興味を持ったそうです。
 
同じく、上海から来た空手家です。
 
国籍と世代を超えてつながる人たち。
この空手が世界の人々を魅了し続けているのは、それがスポーツや格闘技という枠におさまらないユニークな存在だから。空手は人間としての作法であり、生きるための術であり、自分を高めるための手段でもある。そういう多面的で深い世界を内に秘めているからかもしれません。

修学旅行生とロシアから来た空手家たち。

 

日本の「カワイイ」に見とれるヨーロッパの女性空手家。



空手の特徴について語るときに、よく使われるのは「空手に先手なし」や「勝つ考えは持つな、負けぬ考えは必要」という言葉。空手は相手を倒すことを目的にしたものではなく、相手に倒されないためのもの。「人の手足を剣と思え」という言葉からもわかるように、空手が持つ破壊力は一撃で人を殺めてしまうほど凄まじいものであることが、かえってその力を安易に使うことへの戒めになっているのでしょう。

「料理も建物もそうですけど、古い沖縄の言葉も中国と似ていますね」と、沖縄や日本との類似性に目を細めるのは上海からの若い空手家でした。
 
こちらは、福岡や富山からの空手家です。
 
首里城正殿前で空手を披露し、観光客の注目を集めるイギリスの空手家。
 
「相手を倒すことで、倒した相手の仲間や家族の恨みを買う。恨みは新たな対立を生み、そのほこさきは自分だけでなく、自分の家族や親しい人にさえも及ぶ。だから、戦わずして『負けない』存在になるのが空手の究極の姿だ」。
 
沖縄のある著名な現役空手家から以前そういう言葉を聞いたことがありますが、実際、今年のセミナーに参加しているロシアの空手家は、「空手の魅力は身体だけでなく心さえも成長させることができ、純粋にその道を極めていけば、争うことから自由になれるところにある」という意味のことを語っていました。
 
また、インドで200もの道場を運営し、25,000人もの弟子を抱えるインドのSureshu Kenichiharaさんは次のように話してくれました。
 
「インドと沖縄の間には二つの共通点があると思っています。一つはイチャリバチョーデーに代表される“他者をもてなすホスピタリティ”。そして、もう一つは『怒りが出たら手を引き、手が出たら怒りを引け』という沖縄の金言に代表される“争いを好まない精神”です」。

 
空手を通じて、沖縄と日本のファンになったフランスの若者。
 
空手を通じて国籍や人種の壁を越えて集う姿は、空手が文字通り万国津梁(世界の架け橋)であることを示しています。
 
インターナショナルな沖縄が見せるもう一つの顔。
 

このように、空手は精神的な沖縄らしさを身体的な沖縄らしさとして表現している、貴重な文化。この機会にぜひ、その魅力に触れていただけたら幸いです。セミナー期間中に限らず、首里から国際通りのにかけての那覇市内では、メッカ巡礼に訪れている海外からの空手家の姿をしばしば見かけます。あたらしい沖縄旅行の楽しみ方の一つとして、こうした空手家との交流というのがあってもいいのかもしれませんね。
 
 
 
 
第三回沖縄伝統空手・古武道国際セミナー
主催/沖縄県、沖縄伝統空手道振興会
開催場所/沖縄県立武道館
     沖縄県那覇市奥武山町52(奥武山公園武道館内)
開催期間/2015/07/13〜2015/07/18
問い合わせ/070-5412-4931(沖縄伝統空手・古武道国際セミナー事務局)
http://karate-otkk.jp/ja/seminar/the-3rd-okinawa-traditional-karate-and-kobudo-worldwide-seminar
 
 
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也

Information

沖縄県那覇市奥武山町52