天上から降りた龍が舞う! 夕暮れの生ビールと宮古島夏祭り

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歴史文化

初回投稿日:2015.08.12
 最終更新日:2024.03.27

天上から降りた龍が舞う! 夕暮れの生ビールと宮古島夏祭り

7月最後の週末、夏のさかりに宮古島の目抜き通りを盛大に賑わせる「宮古島夏祭り」に行ってきました。
 
この日は、中心市街、車が入れず歩行者天国。どの路地にも浴衣姿の女の子や中高生のグループ、カップルや家族連れがそぞろ歩きをしていて、華やいだ雰囲気が満ち満ちています。集まっている人がみんな楽しそうなだけで、不思議と心が浮き立ってくるから不思議。

「宮古島夏祭り」の模様
 
※なお、夏祭りの日は車が市街地に入れないので、たくさんあるコインパーキングには駐車できず、30分ほど周囲をうろうろすることに・・・。結果的に、漁港に停めて歩くのが最も効率的でした。
 
日差しも落ち着いた頃、19時〜の大綱引きに合わせて公設市場前に到着。ここにたどり着くまでに道の両脇にチラつく「生ビール500円」の手書き文字に、何度心躍らせたかわかりません。素敵なのは、道路に面してお店を構える飲食店の多くが、歩道に簡易テーブルセットを出していたこと。お祭りの雰囲気を味わいながらのんびり夕涼みできるスポットがそこかしこに出現していて、人混みなのにリラックス感満点。宮古島らしいと思えるワンシーンでした。

生ビール、おつまみのてんぷら(さかな)
 
ようやく大綱引きの現場を確認し、生ビール自主規制を解禁。おつまみは鉄板のてんぷら(さかな)を注文。すると、「生ビールを頼んでくれた人にサービス」と、てんぷら(いか)もつけてくれました。オレンジと薄紫に暮れなずむ空の下、明るいうちから外で飲む生ビールが絶品だったことは言うまでもありません。

大綱引きの模様
 
大綱引きは、宮古島の11の集落を東と西にわけ、三回戦で行われます。「西が勝てば豊漁。東が勝てば五穀豊穣」力一杯戦って、どっちが勝っても、食べるのには困りません。なんとよくできた伝統行事なのでしょうか。二杯目の生ビールをいただきながら、東西から人々の手で運ばれてきた大綱が、中央でドッキングするさまを見物しました。大綱は全長100mで重さは1.5t。無数の小綱がついていて、子供もおとなも、ギャルもおばあちゃんもみんな一緒になって引っ張ります。ちなみに、この小綱は縁起物とされ、切って持ち帰る習わし。

子供もおとなも、ギャルもおばあちゃんもみんな一緒になって引っ張ります
 
西軍の勝利。
 
人々の手で東へ西へと引かれながらうねる大綱は、まるで天上から舞い降りた龍のようでした。現場には、地元のラジオ中継、宮古テレビや新聞、その他メディア総出の取材も入っていて、いかに全島民的イベントかがわかります。旅行者にとっては、ありのままの島の盛り上がり、島の人々が心をひとつにする粋を感じられる、またとないチャンスです。

「宮古島夏祭り」の模様
 
勝負がついた頃には、すっかり日も暮れて。夜のとばりが降りる中、街のすみずみに行き渡った人波は、静かに引いていきました。数少ない通常営業中の飲み屋を探してたどり着いたBarは、名残り惜しくて帰りそびれた人であふれていたのでした。
 

沖縄CLIP編集部

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