沖縄観光情報:那覇市の7つの伝統芸能

那覇市の7つの伝統芸能

post : 2015.10.22 21:00

 
那覇市の三大祭り、「那覇ハーリー」、「那覇大綱曳き」、「琉球王朝祭り首里」のほかにも、たくさんの伝統芸能があるのをご存知でしたでしょうか? 今回は、「首里のクエーナ」、「国場のウズンビーラ」、「赤田のみるくウンケー」、「地バーリー」など、7つの団体の伝統芸能をご紹介します!

 
今回、7つの那覇の芸能が披露された舞台は、10月4日に那覇市民会館大ホールで開催された「地域文化芸能公演TSUNAGU」(主催:那覇市)。普段はそれぞれ違う時期に行われたり、不定期であったりするため、一堂に会する機会は滅多にありません。主旨としては、「先人より古くから受け継がれてきた民俗芸能の継承発展を通して、次世代へと繋いでいきたい」という想いがあります。ストーリーテーラーは、那覇市のご当地ヒーロー「美ら結シンカ ムムヌチハンター」。そのような想いを込めながら、那覇の伝統芸能の案内役を務めました。

 
まず最初に客席後方から楽隊が登場したのは、那覇市指定無形民俗文化財の「首里王府の路次楽(ろじがく)」。16世紀に中国から伝来した吹奏楽で、楽器も独特で、哨ナ(ツォナ)、笛、銅角(ウシブラ)、ウマブラ、大鼓、小鼓、両班(リャンハン)、銅鑼で奏でられます。路地楽は首里城での儀式などで演奏されたもので、現在でも首里城の古式行列などで観ることができます。路地楽の音楽は中国では明時代に滅びましたが、沖縄では400年以上も現存していることは大変貴重ではないでしょうか。

 
続いて、「安里(あさと)のフェーヌシマ」(那覇市指定無形民俗文化財)。こちらは15世紀の初め頃にアジアとの交易を行っていた読谷(よみたん)の長浜から那覇の安里に伝わったものと言われています。現在読谷村にはフェーヌシマはもうありませんが、那覇の安里のほかいくつかの地域に残っています。また容姿も印象的で、赤ガンターと呼ばれるかぶり物はまるでキジムナーのよう。フェーヌシマは四尺棒を使った棒術であり、棒踊りでありますが、ほかにも、二人一組で組み合ってくるりと回転し続けるサールゲイなどとても特徴的です。

 
そして、ほかの地域にはない唯一無二の伝統芸能が「国場のウズンビーラ」(那覇市指定無形民俗文化財)。琉球王朝時代に国王の前で田を耕す勝負で国場が勝利した際、歓喜のカチャーシーを躍りながら地元(国場)まで帰ってきた様子を、芸能に発展させたものといわれています。真っ白い衣装に、帯・たすき・ハチマキをわら縄で結び、片手にはヘラを持ち、野声(ヤグイ)と呼ばれる独特の掛け声を放ちながら集団で隊列を変化させながら踊ります。

 
「首里汀良町(てらちょう)の獅子舞」(那覇市指定無形民俗文化財)は、15世紀の尚巴志王時代の頃にはじまったといわれ、現在も旧暦8月15日に五穀豊穣を祈願して舞われています。まるで魂が宿っているかのような凄みのある演舞が見ものです。

 
古謡の「首里のクエーナ」は、大衆音楽である沖縄民謡以前からある祈りの歌、神歌です。よって、民謡とは構成も違い、とても厳かに唱えられます。毎年12月の後半に行われている「首里のお水取り行事」などで披露されることがあります。

 
ハーリー船といえば、海に浮かぶ船のイメージがあるかもしれません。「泊の地バーリー(ぢばーりー)」(那覇市指定無形民俗文化財)は、なんと陸地で行われています。琉球王朝地代の行政区分であった那覇・久米・泊の3地域対抗でハーリー競漕が行われていましたが、一時期途絶え、大正時代に泊の青年たちによって復活しました。しかし青年会だけでは長く続けるのが厳しく、そこで「地バーリー」が陸地で行われるようになったといいます。昔ながらのハーリー歌が、現在も継承されているところも注目です。

 
最後は、「赤田(あかた)のみるくウンケー」。琉球王朝時代の18世紀頃、中国との交易でみるく(弥勒様)の掛け軸をいただき、赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)に奉納。その掛け軸を元にして、みるくの面と胴を作ったといわれています。県内各地にあるみるく様の大元は、首里の赤田のみるく様からはじまったのです。現在も赤田町自治会では旧暦7月16日行事として、新暦の8月にみるく様の行列が行われています。

行列は、地域の子供たちと共に「赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)」を奏でながら、みるく様が集落の人々に福をもたらす所作を行いながら、スネーイ(練り歩き)します。「赤田首里殿内」は、弥勒世果報(みるくゆがふ)=平和な世の中を迎えたいと祈念する歌で、八重山地域では「みるく節」として豊年祭などで歌われたりするほか、沖縄を代表する童歌でもあります。

フィナーレでは、全出演者が勢揃いして、「赤田首里殿内」を合唱し、その伝統と心(ウムイ)を未来へつないでいきたいと、閉幕しました。
沖縄の都心である那覇市に、これほどの伝統芸能があることを知って頂ける機会になりましたら幸いです。そして、ぜひ一度、本場に足を運んでいただけたらと思います。
 
 
沖縄CLIPフォトライター 桑村ヒロシ(KUWA)
 
 
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