【リトハク×沖縄CLIPコラボ】『粟国島の塩』のルーツを求めて 沖縄海塩研究所に潜入!〔PR〕
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post : 2015.10.24 15:00
那覇市の北西約60km、東シナ海にぽつりと浮かぶ孤島・粟国島。 面積7.64平方キロメートル、周囲12.8km、石灰岩に覆われた半円形の小さな離島は、1999年公開の映画『ナビィの恋』の舞台となり、一躍有名になりました。
数万年前の火山堆積物によるダイナミックな景観、古の鍾乳洞に美麗な海岸線、フクギ並木と赤瓦古民家が残る集落など、オンリーワンの魅力に溢れます。
独特な風土や地形を活かした特産物も様々で、それらを紐解けば、島の歴史や社会が見えてきます。古くは粟、現在はサトウキビやソテツが特産品として有名。中でも黒糖は県内トップクラスの糖度に定評があります。そして何と言っても『粟国の塩』と言えば、全国的に知られるプロダクト。島北部の沖縄海塩研究所にて製造されており、見学可能とのこと。島の魅力をより深く見知るために、いざ潜入です!
島の最北部、静かな海岸沿いに、研究所(という名の工場)はひっそりと佇んでいます。遠目でも分かる、一見異様な風貌のコンクリート構造物… その正体は、後に分かります。
“いのちは海から”という、意味深な看板が掲げられた敷地内を案内していただいたのは、研究所長の小渡 幸信(おど こうしん)さん(77)。1979年より約40年、学者とともに塩の研究に携わり、粟国島に当研究所を設立したという、まさに筋金入り…海塩の第一人者です。
元は読谷村が本拠地でしたが、沖縄本島の開発が進んだため、移転を決意。近場に工場排出が一切無いことによる澄んだ海水、山や建物など遮る物のない太陽光と潮風…という難しい条件を求めて、沖縄全域をくまなく歩き回り、とうとう見つけたのが、この粟国島北岸でした。島では農薬がほとんど使われていなかったという嬉しい要素も加わり、1994年、この地に研究所を設立し、現在に至ります。
やはり圧巻は、あのコンクリート構造物。その正体は、オリジナルの立体式塩田タワーです。
穴空きブロックを約10m積み上げた建屋内に15,000本もの孟宗竹(モウソウダケ)が吊るされています。枝数も豊富なこの竹に、ポンプで隣接する海岸から海水を汲み上げ、流し、一日20回循環させ、これを一週間以上続けます。竹の表面を滴り落ち、太陽熱と壁の穴から吹き込む風に水分を飛ばされた海水は、最終的に、塩分濃度約6〜7倍(塩分20%前後)に凝縮させた、かん水(塩分濃度の高い塩水)となります。 遮る物のない地形と汚れの無い海水…。粟国島北岸というアドバンテージが、まさにここで活かされている訳です。
出来上がったかん水は、漉された後、2通りの工程に回されます。
そのほとんどは釜炊き塩として仕上げられます。廃材の薪を燃やした平釜で煮詰め、丁寧にかき回します。切らす事なく薪を燃やし、気温によって20〜40時間、二交代制の付き切りで煮詰める事で、塩が出来上がります。この作業を経る事で、適度に 『にがり』(マグネシウムやカリウムなど60種類以上ものミネラルの成分=微量元素)を残せます。
「市販に流通している食塩は、塩化ナトリウムが99.9%ですが、バランスよくにがりが残されたものこそ、理想の塩です」と、これが小渡さんが最も重要視するポイントです。
その後、脱水槽で、余分な水分を抜き、さらに自然乾燥を行います。
2工程のうちのもう一方は、天日塩として、温室のプールに送られます。かん水を、天日に晒し、夏場で20日・冬場で60日ほどかけて、結晶化させます。出来上がった塩を脱水槽に移し、こちらも自然乾燥。釜炊きとは微妙に異なる特有の風味にこだわるファンも多いそう。ただ、釜炊きとは異なり、天候に左右されるため、量産はできません。
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