夫婦揃って泡盛マイスター! 那覇市久茂地の『カラカラとちぶぐゎ~』で泡盛を堪能するひとときを。

Reading Material

食べる

初回投稿日:2015.11.15
 最終更新日:2024.03.27

夫婦揃って泡盛マイスター! 那覇市久茂地の『カラカラとちぶぐゎ~』で泡盛を堪能するひとときを。

「泡盛は個性が強くてちょっと苦手」と思っている方は、もしかしたらまだ好みの銘柄に出合えていないだけかもしれません。だからこそ、沖縄滞在中に是非お気に入りの1本に出合っていただきたいと思っています。

『カラカラとちぶぐゎ~』の店内
 
そこで今回私がご紹介するのは、那覇市久茂地(くもじ)にお店を構えて11年、夫婦揃って泡盛マイスターの資格を持つ長嶺 哲成(ながみね てつなり)さん、陽子(ようこ)さんご夫妻が営む『カラカラとちぶぐゎ~』です。カラカラは泡盛を入れる酒器、そしてちぶぐゎ~は古酒を飲むための小さなおちょこのこと。

実はご主人の哲成(てつなり)さんは2008年に惜しくも休刊になってしまった泡盛の情報誌「カラカラ」の編集長を務め、現在は琉球泡盛倶楽部の代表をされています。泡盛界でとても有名な方だったのです。 私は時々泡盛を飲みますが、知識はほとんど持ち合わせていなかったため「すごいお店に来てしまった!」と一瞬怯んでしまいましたが、私のような初心者にも気軽に美味しく飲める泡盛を優しく教えて下さいました。

甕(カメ)で貯蔵・熟成させている古酒(こしゅ)他
 
こちらには甕(カメ)で貯蔵・熟成させている古酒(こしゅ)と、沖縄県内全46ヶ所の泡盛酒造所の代表銘柄が全て揃っており、20mlのショットで飲むことも可能ですので「グラスで頼む前にどんな味か試し飲みしてみたい」という時にはまずショットで頼んでみるのも良いかもしれません。

おちょこ
 
沖縄で「クース」と呼ばれている古酒は甕で3年以上寝かせたもののことを指しますが、泡盛独特の甘い香りが出はじめるのは10年目ぐらいからなのだそうです。「クースは飲み方が大切なんです。水で薄めずにストレートで。一気に飲むのではなく、舐めるようにほんの少しずつ時間をかけて鼻に抜ける香りを感じるんです。そして最後にはおちょこに残った香りも楽しんで下さい」と哲成さんが教えて下さいました。

泡盛
 
一般の人たちが泡盛を飲むようになったのは1980年代から。それ以前は品質管理が非常に難しく安定していなかったこともあり「泡盛は臭くて不味いもの」と思われていたそうです。そしてウイスキー全盛時代だったため、飲むお酒と言えば=ウイスキーだったと言います。本土復帰後に品質も味も改善され、泡盛のマイナスイメージを一新するためにウイスキーボトルの形によく似た緑色の角瓶(通称グリーンボトル)が登場し、県内で一気に需要が伸びていったのだそうです。

泡盛
 
「泡盛を飲みなれていない人に、古酒ではない飲みやすい銘柄を3つ教えて下さい」とリクエストしてみると、残波(ざんぱ)、琉球(りゅうきゅう)、ender(エンダー)をお勧めしてくれました。そこで早速「琉球」を、氷の入ったグラスに泡盛と水を1対1の割合で飲んでみることに。こうすることで30度ほどのアルコール度数が15度前後になるのでまろやかで飲みやすくなり、料理の味を引き立ててくれるのです。琉球は、口に含むとふんわりフルーティーな香りが広がり、まろやかで優しい口当たりでした。後味はキレも良く、とても飲みやすかったです。

酢飯にイカスミを混ぜ込んだ「イカスミにぎり」
 
酢飯にイカスミを混ぜ込んだ「イカスミにぎり」は看板メニューのひとつです。泡盛はどんな料理にも合いやすいということで、沖縄素材を活かしたメニューを中心に数々のお料理が用意されています。

「島豚あぐーの鉄板焼き」
 
「島豚あぐーの鉄板焼き」は豚肉の旨みとコク、そして脂にじんわりとした甘さが感じられ、より一層泡盛が美味しく感じられました。その他にもごーやーちゃんぷるーや沖縄風てんぷら、海老の石垣島ラー油炒めやグルクンの唐揚げなど、泡盛とのマリアージュが楽しめるメニューが揃っています。
 
最後におちょこで琉球王朝の3年と忠孝(ちゅうこう)の24年も味見させていただいたのですが、飲み比べをしてみるとそれぞれの香りや風味、甘さ、余韻など違いがよく分かり、泡盛の奥深さと魅力にすっかり開眼してしまいました。忠孝は24年貯蔵されていただけあって味に深みがあり芳醇な香りが楽しめました。まだ古酒を飲みなれていない私には琉球王朝の3年の方が飲みやすいように感じました。華やかで品の良いスズランや大きな白い百合の香りがふわっと広がり、いつまでもおちょこに残った香りを嗅いでいたいほどでした。自分の好みにぴったりの1本に出合うことが出来て嬉しかったです。しかし、泡盛をもう少しいろいろと飲み比べをして味の違いがしっかりと分かるようになってからもう一度改めて忠孝の24年も味わってみたいと思います。
 
長嶺ご夫妻
 
知識を持ち合わせていなくても敷居の高さを全く感じることなくリラックスして過ごすことが出来たのは、長嶺ご夫妻の温かい人柄と彼らが作りだすアットホームな雰囲気のおかげに違いありません。今回の私のように、自分好みの1本に出合ったことがキッカケで泡盛の世界に足を踏み入れる人もきっと多いはず。
 
『カラカラとちぶぐゎ~』のれん
 
運命の1本に出合いたい方は、ぜひ『カラカラとちぶぐゎ~』へ足を運んでみて下さい。
 

古酒BAR&琉球DINING カラカラとちぶぐゎ~

住所 /
沖縄県那覇市久茂地3-15-15 やまこ第2ビル1F
電話 /
098-861-1194
営業時間 /
18:00~24:00(L.O.23:00)
定休日 /
日曜日
Webサイト /
http://bar.ti-da.net/

舘 幸子(たち さちこ)

同じカテゴリーの記事