たとえば舞台でハイクラスの沖縄に触れてみる。 国立劇場おきなわで楽しむプレミアムな時間【PR】
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post : 2015.11.16 21:00
歌舞伎、能、狂言、文楽とともに国の重要無形文化財に指定されている組踊は沖縄を代表する伝統芸能の代表選手です。セリフ、音楽、踊りの組み合わせで舞台上に創り出される世界観が多くの人の心をつかんできました。

かつて中国から琉球に派遣されていた使節団「冊封使」(さっぽうし)をおもてなしするために、18世紀に創られた組踊は、琉球を訪れる人に洗練された美意識と文化的な素養の高さを印象づけ、小さな島国である琉球国が大国と良好な外交関係を維持することに大きく貢献したと考えられています。

このように組踊は高尚でラグジュアリーな宮廷芸能でしたが、19世紀の「琉球処分」によって琉球国がなくなってしまってから、組踊を取り巻く環境は大きく変化します。それまで宮廷芸能を支えてきた士族たちは職を失い、王府首里から本島内の隅々だけでなく離島へと散らばっていきました。当然、新たに居を定めた場所で元士族は生活していかなくてはなりません。そのような背景から組踊は庶民のための芸能としても演じられるようになり、沖縄全島に広がり、現代まで継承されてきたのです。

さて、今回お邪魔した国立劇場おきなわで上演されていたのは組踊の中でもポピュラーな演目のひとつ「久志の若按司」でした。ストーリーがわかりやすく、登場人物の数も多いことから、沖縄県内のあちこちの集落で、豊年祭の演目として人気が高いようです。

1808年に初演された典型的な仇討ちものである「久志の若按司」は、親を殺された天願の若按司が、親戚である久志の若按司の助けを借りて見事仇討ちを果たすというハッピーエンドのストーリー。人気の秘密は天願の若按司(領主の嫡男)が劇中で立派な青年に成長していく姿と、ウィットと行動力に富む久志の若按司のヒーローぶりだそうです。

そうそう、組踊には知っておくと便利なお約束事がいくつかあるようです。その一つが身振り。琉球舞踊と同様、演者の動きはとても抑制的。大胆さが特徴のミュージカルとは対照的で、喜怒哀楽は表情の微妙な変化や控えめな身振りで表現されるのだそうです。
例えば怒っているいるときは頭を振ったり、地団駄を踏む。なぐさめたくて抱きしめたいとき、再会が嬉しくてハグしたいときは相手の体の間近に手をかざす。そういう風に身振りにはそれぞれ意味があるそうです。

また、舞台上を一周してもと居た場所に立ち止まることがありますが、それは遠い道のりを移動して目的地に着いたことを表しています。


そして衣装。身につけている衣服の豪華さで身分がわかるそうなのです。言われてみれば、按司や若按司、大主(家来の中でも偉い身分)では装飾の派手さが違うのが見た目にもわかります。

さらに、身分や性別によって、セリフの抑揚や音質が変わるというのも興味深いところ。なんと身分の高い人物には入退場する時に演奏される曲(手事)がそれぞれ用意されているというから驚きです。

そういう予備知識を持って鑑賞すると、今どういう場面が演じられているのかがわかるので、より一層組踊の世界に身を委ねられるというわけです。
セリフには沖縄の古い言葉が使われていますが、字幕付きなので心配せずに楽しめます。また、三線、箏、笛、太鼓、胡弓で生演奏される音楽が、演者の喜怒哀楽をセリフや身振りに代わって伝えてくれます。
「観にいくものじゃなくて聴きにいくもの」という人もいるくらい、人ぞれぞれの楽しみ方ができるのが組踊。沖縄の文化に触れる一つの入り口として楽しんでいただけたら嬉しいです。




国立劇場おきなわでの組踊は上演に先立っていくつかの琉球舞踊が演じられます。この日演じられたのは「花風」、「稲まづん」などの艶やかで華麗な作品と「伊野波女童」、「ぜい」といったほのぼのした演目でした。
エイサーや島唄と同様、沖縄文化を五感で味わうことのできる組踊は、観光で沖縄を訪れるみなさんにぜひ体験してほしいものの一つです。国立劇場おきなわでは琉球舞踊と組踊の両方を楽しめるだけでなく、演者や演奏家のクオリティも高いので特におすすめです。
国立劇場おきなわ
住所/沖縄県浦添市勢理客4-14-1
電話/098-871-3350
営業時間/10:00~18:00
定休日/年末年始ほか
沖縄CLIP編集部
※この記事は国立劇場おきなわ様のスポンサード記事です。
Information
沖縄県浦添市勢理客4-14-1