沖縄観光情報:スターバックスもない、マックもない、与那国島島人が集うカフェのようなレストラン「旅果報」

スターバックスもない、マックもない、与那国島島人が集うカフェのようなレストラン「旅果報」

post : 2015.12.25 12:00

 
日本最西端の島、与那国島(よなぐにじま)。数こそ多くはないものの、この静かな島には旅人が毎日のように訪れる。日本で一番最後に眠りにつく夕日を眺めに、絶滅の危機に瀕しているヨナグニウマに会いに、深みのある与那国ブルーの海を潜りに・・・。

 
そういう旅人が島に降り立つ場所に一軒の名物レストランがあると聞いて訪ねてみた。島生まれの三姉妹が名物的存在になっている「旅果報」(たびがふう)。
 
飛行機の出発を待つ旅人だけでなく地元の人も多く訪れる西の果ての空港レストラン。むしろ島の人の利用の方が多いのから交流レストランと呼んだ方がよさそうだ。平日は島内で仕事をしている大人たち、週末には子ども連れた家族がやってくる。

 
「だからこそ頑張ってられるのよ」
 
この店を切り盛りしている三姉妹の長女、米浜玉江(よねはま・たまえ)さんは空港に着陸したばかりのプロペラ機を眩しそうに眺めながらそう言った。玉江さんはこの島で生まれ、この島で育った生粋の島人(しまんちゅ)の一人。

 
同級生や親戚の中には島を出て沖縄(離島の人は本島のことを沖縄と呼ぶ)や内地で暮らしている人が少なくない。それはやっぱり寂しいことに違いない。でも、この場所で仕事をしてると、幼なじみや先輩・後輩、そして恩師など懐かしい顔にも出会える。それは小さな島で暮らしてきた玉江さんいとってものすごく大きなことなのだ。
 
島の人の社交場であり、情報交換の場でもある旅果報。島の中にはスターバックスはもちろん、喫茶店らしきお店もない。だからカフェに行く感覚で島の人は旅果報に足を運ぶ。台風の被害について、仕事について、新しい移住者について。ある人にとっては島のニュースを得るための場所でもある。

 
店名の旅果報は与那国島を代表する舞踊「旅果報節」からとったもの。昔は船での移動だったから、島を出る人の旅の安全をナンタ浜から祈る様子を表現している。船から飛行機の時代になった今、毎年春を迎えると中学校を卒業した子どもたちが島を出る。そして家族だけでなくこの店も、子どもたちの安全と健康を空港から見送っているのだ。
 
島を出た子どもたちはまもなく高校を卒業し、島の外にある大学に進むか島の外で仕事に就く。島に戻ってくるのはお盆や正月、あるいは冠婚葬祭や伝統行事のときだけになる。そのときに、島に残った懐かしい人と再会を果たす場所がこのレストランでもあるのだろう。

 
さて、この店の人気メニューは2タイプ。一つは地元の人が大好きなカツ丼(¥1,000)だ。特に与那国らしさがあるわけではないが、ボリュームたっぷりでアジクーター(濃い味付け)のカツ丼はオープン当初からの看板メニュー。


 
観光客に人気なのは、艶のある緑が食欲をそそる健康メニュー「長命草ざるそば」(¥700)。長命草は某大手化粧品会社が健康食品として商品化して以来、日本中で知られるようになった島を代表する薬草だ。
 
男性客には与那国名物のカジキマグロがたっぷり乗ったマグロ丼(¥1,000)。シソ、ネギ、錦糸卵に大根おろしの醤油ダレがたまらない。


 
デザートには長命草ロールケーキ(飲み物とセットで¥600)がおすすめだ。苦味がほどよいゴーヤージュース(¥500)で締めくくれば、お腹が与那国でいっぱいになる。
 
 
「島の玄関口」与那国空港で、オープン以来1日も休むことなく営業する旅果報。今年で95歳になるというお母さんが元気なうちに、「みんなで仲良く暮らしたい」とある時思った玉江さん。東京と名古屋で当時暮らしていたという二人の妹を呼び寄せて、お店を始めたのがおよそ10年前のことだ。それ以来、姉妹喧嘩を繰り返しながらも、島で採れた食材を使ってのお袋の味を今日も明日も作り続けている。
 
 
 
与那国空港レストラン旅果報
住所/沖縄県八重山郡与那国町字与那国4350
電話/0980-87-3103
営業時間/8:30~18:00(飛行機の発着に合わせて休憩時間があります)
定休日/なし
 
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
 
 
 
 
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Information

沖縄県八重山郡与那国町字与那国4350