歩いて楽しい那覇の街【後編】 名もなき路地を、暮らしの匂いのするほうへ。
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post : 2015.12.29 18:00
前編では安里(あさと)駅→壺屋やちむん通り→浮島通りの入り口までをご紹介した歩いて楽しい那覇の街。後編は、浮島通りを少し進んでから細い路地を通って公設市場周辺へ。そこから「にぎわい広場」に出てまた浮島通りに戻る、迷路のようなルートをご紹介したいと思います。このルートは、さまざまなモノを売る人と買う人で活気にあふれ、漂う食べものや暮らしの匂いが懐かしさを呼び起こす那覇の宝物。戦後から市民の台所として親しまれてきた時間の堆積がつくる、一朝一夕にはできない雰囲気を、何度でも味わってくださいね。

微妙にずれているのがご愛嬌
まずは、浮島通りから、この不思議な切れ目を目印に路地へ入りましょう。ちなみにこの路地、googlemapに表示されません。「ちとせ商店街ビル」の中ってことになっているようです。

路地から浮島通りをみたところ

昭和の香りがするヘアサロンのウィンドウ

しばらく進むんだ右手にあるお惣菜屋さん


路地に入った瞬間に空気が変わり、徒歩30秒ほどで昼飲み・立ち飲みのメッカ「足立屋」のある十字路につきます。ふと頭上を見上げると、あたりの2階より上は低層ながら集合住宅で、人が住んでいる様子です。市場と住居が一体化しているこの構造は誰が考えてこうなったのでしょう。

足立屋の十字路を左に曲がって進むと、突き当たりにその場でおさしみを食べさせてくれる「川かみ鮮魚」が。ゆんたくを楽しんでいたおじさんが、最高の笑顔をくれました。ついでに「座って一緒に飲もう」とのお誘い。仕事中じゃなかったら絶対にご一緒したのになあ。こんな偶然の出会いも、路地散策の醍醐味です。

暮らしの匂いがあちらこちらに

つまみ食いの歩き食べもし放題ですよ
「川かみ鮮魚」を右に曲がり、まっすぐ行って右手に牧志第一公設市場を見ながらさらに進みます。市場の壁を背に新鮮な野菜や薬草、田芋など沖縄らしい植物が並ぶ様子は一見の価値ありです。



突き当たりを左に進み、「京呉服ふみ屋」の角を右に行くと、またふわっと雰囲気が変わります。ごちゃごちゃした感じが楽しい市場周辺とは打って変わって、静かな放課後の学校のような空気感。その発生源は、すぐ先のにぎわい広場です。

にぎわい広場の向こう側の建物の2階には、クレープ屋さん「O’CREPE」。

広場に沿って歩き、この青い窓枠のお店を目印に右に曲がった先では、「C&C BREAKFAST」と「ポーク玉子おにぎりKatsu Kitchen」が向かい合っています。



その途中のつまみ食いスポット

同じく途中のCDショップ。マニアックな佇まいで気になりますね
にぎわい広場のぐるりは、カキ小屋nirokuやBaraque、「立ち食いカキ」と言いながら座って飲める節子鮮魚店などがあり、飲み歩きスポットです。

子どもからお年寄りまで、誰もがのんびりと気ままに過ごせる広場です。Katsu Kitchenでポーク卵おにぎりをテイクアウトしてここで食べるのも○

節子鮮魚店

にぎわい広場を半周すると、浮島通りに出られるゲートがあります。ここから浮島通りに戻ってみましょう。

角には南国らしい色彩とモチーフが素敵なテキスタイルデザインショップ「mimuri」。
mimuriの斜め向かいにハンドメイド革小物のanshare project。右に行くと、右手に沖縄県産食材をふんだんに使った菜食オーガニックレストラン浮島ガーデンと続きます。このあたりまで来ると、現代日本に帰ってきた感覚。そのまま歩けば国際通りへ。

今回は、沖縄CLIP掲載店舗を辿ってみましたが、もちろんこのルートでなくても探索を楽しめるのが市場周辺です。ふと気になった路地をスルーせずに一歩、足を踏み入れれば、あとは野となれ山となれ。細い路地が入り組む迷宮に迷い込んだ先には、きっと素敵な一期一会が待っているはずです。
沖縄CLIPフォトライター 浅倉彩
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