シマアシビ <阿嘉島> サバニ
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post : 2016.05.18 21:00

那覇から西に約40キロ、那覇港から高速船で約1時間、フェリーで1時間半ほどで渡れる阿嘉島(あかじま)。

2014年の珊瑚の日(3月5日)に31番目の国立公園に指定された慶良間(けらま)諸島。そのなかの有人島・阿嘉島は、人口300人ほどの信号も交番もない小さな島です。

島では天然記念物のケラマジカの姿は珍しいものではなく、一日に何匹かのケラマジカを見掛けることもあります。ときには野生のケラマジカのつぶらな瞳と目が合うこともあります。

橙色に熟したパイナップルのようなアダンの樹の下では、オカヤドカリたちがワサワサと元気に暮らしています。深い青紫色のヤドカリはちょっと珍しくはありませんか?

ソーダ色、エメラルドグリーン、コバルトブルー、海の美しさは言うまでもなく、阿嘉島は自然界の生き物たちの息遣いがごく身近に感じることができる、のんびりとした島なのです。

沖縄に移り住んでからまもなく、ご縁あって、阿嘉島のサバニ・チームの一員に加えて頂きました。サバニとは、琉球弧の伝統的な小型漁船のことで、木造帆掛け舟を想像いただければと思います。
サバニ・チームの一員となってからは、ゴールデンウィークが終わると「サバニ帆漕レース」の準備や練習のために、ほぼ毎週末、サバニのある阿嘉島へ通います。

今年で17回目を迎える「サバニ帆漕レース」は、座間味村の古座間味ビーチから那覇港の一文字沖までサバニで渡るレースです。スタート地点の古座間味ビーチに40艇ほどのサバニが並ぶ景観は圧巻。サバニは沖縄の風景に溶け込み、まるで一枚の絵画のようです。

この週末も練習のために阿嘉島へ行きました。
サバニの動力は風と人力。ウェーク(櫂)で漕いで進めたり、ヨットのように帆で風を動力に変えて進みます。聞こえるのは波の音と風の音。そして、「イチ」「ニー」「イチ」「ニー」という自分たちの掛け声。流れに逆らって漕いでいるときは、それはそれは大変です。でも、うまく風を捉えてサバニがスーッと海を滑って行く時は快感。本当に気持ちがイイのです。また、大好きな海が手に取るように近いこともサバニの魅力かもしれません。
阿嘉島の海でサバニを必死に漕いでいると、すれ違うダイビングボートから「がんばってー!」と声援を送りながら手を振る女性たちの姿がありました。

阿嘉島と慶留間島(げるまじま)をつなぐ阿嘉大橋の上からも、「がんばってくださーい!」と応援してくださる観光客の方々の姿がありました。
手を振り返す余裕がないときもありますけど、声援ってすごく嬉しいんですよね。元気が出ます! もしも、あのとき応援してくださった方がこのコラムをご覧になっていたら、「ご声援ありがとうございました!」。

2016年の第17回サバニ帆漕レースは6月26日(日)。今後、慶良間諸島を中心に、沖縄の海でサバニの練習風景に出会うことがあるかもしれません。そのときは是非あたたかな声援を送ってあげてくださいね。
今年も梅雨明けが待ち遠しいな。
沖縄CLIPフォトライター 安積美加
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