日本最大級の蝶、オオゴマダラに会いにいこう!
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post : 2016.05.21 09:00
沖縄の島を歩いていると、時折ふわりふわりと何かが横切ることがあります。
なんだろう?
不思議に思って振り向いてみると、そこにはまだら模様の大きな蝶が優雅に花の蜜を吸っています。
そう、これが日本最大級といわれる「オオゴマダラ(大胡麻斑)」です。白黒のまだら模様が特徴的で、羽を広げると、なんと13cmに及ぶ大きさ。その羽ばたきはゆったりとしていて、まるでフワフワと新聞紙が風にまかせて飛んでいるようにも見えるので『新聞蝶』と呼ばれたりもします。
東南アジア広域に分布し、日本では奄美大島の東側に位置する喜界島、与論島以南の南西諸島に分布しています。
オオゴマダラの幼虫は、エリック・カールの絵本に出てくるようなビビッドな色をしていて、一見毛虫のように見えますが、触っても大丈夫。キョウチクトウ科のホウライカガミという葉を食べます。なんでもホウライカガミにはアルカロイドという毒性物質が含まれていて、幼虫の時にそれを体内に溜め込むことで他の動物から食べられないように身を守るんですって。
お腹いっぱいにホウライカガミを食べた幼虫は、だんだんと動かなくなり、サナギになる準備に入ります。
気がつけば、光り輝く黄金のサナギがあちらこちらの枝にぶら下がっています。ひときわ目立つ黄金の色は、他の動物たちに毒を持っていると思わせる警戒色とされていて、身を守るのに役立ちます。そして静かに、美しく大きな姿へ生まれ変わるのを待っています。
サナギになって約1ヶ月ほど経つと、優雅な羽を持つ蝶へと羽化します。身体が大きい方がメスで、一度に100~180個もの卵を生みます。ただし、自然界で幼虫になるのはわずか2%だとか。そこには、厳しい自然界の掟が待ち受けています。
そこで、沖縄県の各地では「オオゴマダラが育ちやすい環境を作ろう」とホウライカガミを植える施設や家庭が増えています。観光施設などでも美しい蝶を見てもらおうとホウライカガミを栽培し、蝶を飼育している施設もあります。

読谷村にある「体験王国むら咲きむら」のバナナ園の中には、オオゴマダラと自由にふれあえるコーナーが併設され、たくさんのオオゴマダラと戯れることが出来ます。

島のどこかでふわりと舞うオオゴマダラに遭遇すると、ふと魅入ってしまう。そんな妖艶な蝶をご覧になりたい方は是非訪れてみて下さいね。
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