沖縄の空と海のコントラストが眩しい「アダンの木」

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歴史文化

初回投稿日:2016.06.17
 最終更新日:2024.04.05

沖縄の空と海のコントラストが眩しい「アダンの木」

アダンの木(阿壇、阿旦など)のある海岸への道
 
沖縄の街路樹やビーチなどでよく見かける「アダンの木(阿壇、阿旦など)」はタコノキ科の植物。奄美大島以南に生息する植物で沖縄ではポピュラーな樹木です。
 
ビーチを囲むアダンの木々
 
ビーチを囲むアダンの木々。密集して生える特徴があり、アダンの林に囲まれた浜も少なくありません。台風シーズンには島を守る防風林として活躍しています。
 
アダンになるのは鮮やかなオレンジ色の実でサイズは15cmから20cmくらい。その色とカタチは南国・沖縄のイメージにぴったり。照りつける陽の光と青い空、広がる海にアダンの実のコントラストが、南国の夏を演出してくれます。
 
アダンになるのは鮮やかなオレンジ色の実
 
パイナップルに似たその果実は「毒があって食べられない」と以前は言われてましたが本当は食べられるとか(まだ食べたことありません!)。八重山地方では、新芽の部分を山菜として利用し、法事料理には欠かせない材料のようです。鰹出汁でシンプルに炊き上げたり、てんぷらや魚の煮付けに合わせたりと食材としての隠れたポテンシャルがキラリ。なるほど、食べてみたい。海辺に自生しているので、島に生息する「ヤシガニ」たちの大好物でもあります。
 
アダン
 
実を囲むように生えている葉っぱにはたくさんついたトゲがついています。これには注意が必要ですが、沖縄の人はこの葉っぱ「アダン葉(ば)」と呼び上手く使います。
 
左がアダン葉で編んだ草履。右はアダン葉編みコースター
左がアダン葉で編んだ草履。右はアダン葉編み体験で筆者が作ったコースター。自分で手作りしたので愛着があり、ここ数年使用しています。
 
アダン葉を取ってきて両サイドについたトゲトゲを削ぐ(最近はピーラーで削ぐとラクちんだとか)。それを沸騰したお湯で煮て天日に干せば、草履や籠、帽子などの工芸品を編む素材として活用されています。
 
石垣島の白保で毎週開催されている「白保日曜市」では、おじぃ、おばぁが小上がりに座ってユンタク(おしゃべり)しながら、アダン葉で座布団などを編んでいる「ゆったり、島時間」的な光景を見ることも出来ます。
 
アダン
 
島の人々と共存してきた植物といえるアダン。サンサンと輝く太陽のもと夏のドライブやビーチパーリーでアダンの実を見かけたら、果実からあふれ出る「南国オーラ」を是非堪能してみてください。
 

monobox(河野哲昌・こずえ)

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