名物店長のいる昭和ノスタルジーな「歌声酒場春ちゃん」

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歴史文化

初回投稿日:2016.08.31
 最終更新日:2024.04.12

名物店長のいる昭和ノスタルジーな「歌声酒場春ちゃん」

すっかり前回の浅倉嬢のコラムで呑んだくれキャラにされた私ですが、いやいや貴女も大概ですから(血で血を洗う闘いのゴング)。東京から帰ってきたばかりの浅倉嬢をスーツケース持参のまま呑みに連れ出し、ひとしきりいい感じになったところで最近栄町にオープンした月光荘の名物店長はるちゃんが経営する「歌声酒場春ちゃん」に行くことに。栄町は小さな飲み屋がたくさんあり、東京で例えるならゴールデン街のような、ノスタルジックな昭和の風景が残っている地域です。そんな渋い通りの2階に、見つけましたよ歌声酒場。
 
「歌声酒場春ちゃん」
 
若かりし日は競って「今」の歌を歌うことこそステータスのような部分があったカラオケだけど、歳を重ねていくとどうでしょう。いかに渋い歌が歌えるかを競いあうようになりました。演歌もぐっと染みてきます。そうここは昭和の歌声酒場。
 
春ちゃん
 
そしてこの春ちゃん。とにかく頭の回転が速くておもしろく、接客上手! プロの歌手としても活動している春ちゃんは、カラオケで聞くのがもったいないほどの素晴らしい歌唱力です。彼の歌声を聴きに行くだけでも、このお店に行く価値があると思います。システムはカラオケ歌い放題、お通しチャージ込みで1,000円(ドリンク300円〜)のプランと、チャージ無しドリンク1杯700円という良心的なお値段。
 
お通し
 
壁には那覇の三線の名士の人生観がどーんと。
 
カラオケ
 
Sandyは髪型的に「DESIRE/中森明菜」だよね、なんて無茶ぶりをされ、人生初のカラオケで「ゲラッ ゲラッ ゲラッ ゲラッ バーニンラーーーーッ」を歌うことに。
 
カラオケで歌ってみた
 
酔っているって素晴らしいですね。
 
沖縄らしく、歌によっては三線の弾ける人が合わせて弾いてくれたりします。春ちゃんはオープンゲイなので好みの男性が来客すると可愛く口説き始めます。そんな男性を前に愛の歌を歌い上げる春ちゃん。
 
歌を歌い上げる春ちゃん
 
掛け合う歌と歌。私が「夏の日の1993/class」を入れると浅倉嬢は「分かった!」と言って「何も言えなくて…夏/j-walk」を入れました。「カラオケはまるで連歌※の様じゃない?」(※五七五と七七との連続から成る複数の作者が連作する詩形式)浅倉嬢が、そんな詩的なことをつぶやきました。
 
選曲のセンスが問われるのがカラオケです。みんなが盛り上がれ、かつ琴線に触れる絶妙なバランスの曲。そんな曲をうまく入れられた時の「君、わかってるね」の一体感といったら。「聖母たちのララバイ/岩崎宏美 」や「寂しい熱帯魚/Wink」で異常に盛り上がる店内。最初は男性だけだった店内が、気がつけば完全に女性(と春ちゃん)に支配されていました。そうなるともう無法地帯です。ある女性が「200万円男にだまし取られた〜!」なんて歌の歌詞に合わせて過去の告白を始めたら、その激しい心を表現するかのように誰かが「ゆーれてゆれ 今ここーろーがなにも信じられないままー」と「ROSIRE/LUNA SEA」を歌い上げます。途中春ちゃんの恋愛ときめき事件が発生して、その思いを歌に乗せて歌っていたら「この中で一番乙女は、春ちゃん…」という、気づいてはいけない事実にみんなが気づいてしまいました。
 
「これがいろんなものの原点なんだから!」と「Kiss Me/氷室京介」を歌い上げる完全に神が降りてきている浅倉嬢。この時点で朝の6時過ぎです。さっき東京から帰ってきたばかりの人とは思えないタフさ。
 
歌い上げる浅倉嬢
 
気がつけば夜中1時から朝の7時すぎまでぶっ通しでみんなで歌い続け、ドアを開けたら笑えるほどの完全なる朝でした。
 
歌声酒場春ちゃん

歌声酒場春ちゃん

住所 /
那覇市安里388-101 喜納ビル2F
TEL /
098-943-9133
営業時間 /
21時~3時
Instagram /
https://www.instagram.com/haruchan_sakaemachi/

沖縄CLIP編集部

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