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90%がリピーター! 世代を超えて愛される南城市のタイ料理店『シャム』
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post : 2016.10.19 12:00
美味しいだけでなく、ダイエット効果やデトックス効果、疲労回復、美肌促進の美容食としても注目されているエスニック料理。

中でもトムヤムクンやトムカーガイ(鶏肉とココナッツミルクのスープ)、グリーンカレー、ヤムウンセン(タイの春雨サラダ)など、スパイスやハーブをふんだんに使ったタイ料理は、日本でもじわじわと人気を高めています。

平成6年に沖縄県の南部、南城市(なんじょうし)にオープンした老舗タイ料理店『シャム』。後引く美味しさは一度食べたら忘れられず、遠方から定期的に訪れる人や、親子三世代で通う地元の常連客も珍しくありません。客層は老若男女と幅広く、90%がリピーターなのだとか! 実は私も“タイ料理が食べたくなったらシャム”へ通うひとりです。

シェフは沖縄出身の井上 康(いのうえ やすし)さん。調理師専門学校を卒業後、中華料理店で経験を積み、その後は恩納村(おんなそん)にあるサンマリーナホテル(現在のシェラトン沖縄サンマリーナリゾート)のタイ料理店でさらに腕を磨きました。
接客を担当するのはタイ出身の奥様タノームワンさん。康さんが働くサンマリーナホテルに、タイ人シェフの通訳として来日した際、ふたりは出会いました。そして結婚。

料理だけでなくインテリアにもこだわっているシャム。左のランプはタノームワンさんの手作り
現在シャムで出される料理の数々は、すべて夫婦二人三脚で作り上げたものです。異国の味ですが不思議と私たち日本人の舌によく馴染み、「どこか懐かしさを感じる」という人も少なくありません。味付けの基礎となっているのはタノームワンさんの実家の味だそうで、そこに康さんの長年の経験と工夫が加わり、今のメニューが出来上がったと言います。

世界三大スープのひとつと呼ばれる「トムヤムクン」はシャムの人気メニューのひとつです。テーブルに運ばれてくるとレモングラスやバイマックルー(こぶみかんの葉)、カー(生姜に似たタイの植物)の香りが立ちのぼり、口に運ぶと複雑な香りが一気に押し寄せます。レモンのキュッと爽やかな酸味が全体の味を引き締め、後引く美味しさ! トムヤムクンは脂肪燃焼効果があるそうで、体が疲れている時や風邪のひき始めにもよく効くそうです。

「チキンとカシューナッツ炒め」も定番の人気メニューです。味の決め手は、チリオイルや海老を使った自家製ペーストだそうで、失礼ながらも市販のペーストと自家製はどう違うのか聞いてみると、「味も香りもぜんっぜん違う。市販のペーストでは自分の好きな味が出ないんです」とタノームワンさん。鶏肉と野菜の旨み、カシューナッツのコクとコリコリッとした食感が楽しめる一品は、白ご飯にもビールにも合う一品です。食欲を刺激するのにちょうど良いピリ辛加減ですが、辛さの調整は出来るそうなので、苦手な方はオーダーの際にその旨伝えましょう。

個人的に一番おすすめしたいのは、タイのチャーハン「カオパッ」です。ニンジン、玉ねぎ、玉子、豚肉などチャーハンお馴染みの食材に+刻んだパイナップルが入ったカオパッ。使うのは日本米ではなく、パラッ、ふんわりと軽い食感が特徴のタイ米です。味わいは優しく素朴で、食べ進むうちにじんわりとこみ上げてくる美味しさがあります。その美味しさは、一度食べると忘れられないほど。

「食品添加物や化学調味料、農薬を使って育てられた作物は出来る限り使いたくない」という理由から、食材選びにはこだわっています。「忙しくて野菜までは育てられないけれど、せめて……」と料理に使うハーブはお店の裏で自家栽培を。こちらはグリーンカレーやトムヤムクムなど、代表的なタイ料理に欠かせないバイマックル(こぶみかんの葉)。

バジルやホーリーバジル(バジルとミントを合わせたような香り)、レモンバジル、レモングラス、パパイヤ、日本では手に入りづらいグラチャーイ(タイのうこん)、やカー、バナバリーフ、チャップルーも完全無農薬栽培で育てています。

「今日は風邪気味で」「身体の疲れがなかなかとれなくて」など、常連客から相談を受けることも多いそうで、そんな時はその人の体調に合わせた食材とハーブを選び、特別メニューを作ることもあると言います。おいしくて元気の出る料理だけでなく、そんなおふたりの愛情を感じることができるから、シャムは世代を超えてたくさんの人に愛されているのかもしれません。
シャム
住所:沖縄県南城市玉城字富里136-1
電話:098-948-2057
営業時間:11:30~14:30、17:00~22:00
定休日:月曜、第4日曜
沖縄CLIPフォトライター Sachiko
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沖縄県南城市玉城字富里136-1