沖縄観光情報:八重山でたった一軒だけの本ハギの帆掛けサバニ造船所、吉田サバニ造船。サバニ体験ツアーも【PR】

八重山でたった一軒だけの本ハギの帆掛けサバニ造船所、吉田サバニ造船。サバニ体験ツアーも【PR】

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post : 2017.03.24 09:00

石垣島の北部、久宇良(くうら)というとても小さな集落に、島で一軒だけの帆掛け木造サバニ造船所があります。サバニとは、沖縄に昔から伝わる、鉄釘を一切使用せずにつくられる木造船。舟の種類は少し違いますが、いまでも毎年初夏に行われるハーリーでつかわれているのがサバニです。 
 
石垣島には、モーター船はなくサバニしかなかった時代、たくさんの造船所がありました。しかし、多くの海人(ウミンチュ・漁師)たちがどんどん便利なモーター船に乗りかえていき、自然とサバニをつくる人もいなくなっていきました。
 
「吉田サバニ造船」でサバニをつくるのは東京から石垣島に移住した吉田友厚さん
 
八重山(やえやま)で一軒だけとなった本ハギという技法で造られるサバニ造船所、「吉田サバニ造船」でサバニをつくるのは東京から石垣島に移住した吉田友厚さん。サバニを多くの人に知ってもらい、親しんでもらいたいとツアーも始めました。いまではたくさんの人が体験に訪れ、観光で訪れる外国人たちが乗りに来てくれることも少なくありません。
 
10代の頃に石垣島を訪れてから、いつか住みたいと思っていた吉田さん夫婦。いまから12年前に移住し、ひょんなことから久宇良の古い一軒の家に住むことになりました。
 
吉田さんはもともと木工が好きで、移住当初からずっと気になっていたのが、石垣島で唯一残るサバニ職人であった新城康弘さん。だけれど、会いにいくわけでもなく年月が過ぎていきました。7年ほど経った頃、新城さんが引退するという話を聞き「いてもたってもいられなくなって」という吉田さんは新城さんを訪ねました。
 
突然の訪問にもかかわらず、快く迎えてくれた新城さん。「初めまして」、「つくりたいのか?」、「はい」と3言ほどの会話で、吉田さんはサバニづくりを教わることになったのだといいます。新城さんがサバニを制作するのは本ハギという1800年代に考案された技法。道具の使い方から教わり、新城さんのもとへ通い、自身で3艇目をつくり上げた後に、吉田さんは造船所を立ち上げました。
 
それまで石垣島内でさまざまな仕事をしてきた吉田さん。それまでサバニに乗ったことさえなかったけれど、サバニづくりを始めてすんなりと馴染み、今後ずっとこの道を歩んでいくことにまったく迷いもなかったそう。
 
木造サバニに向かう
 
夏のある日、すぐ近くの浜からサバニに乗せてもらいました。風がなくベタ凪だったこの日、帆をつかうことはほとんどなく櫂を漕いでサバニは進みます。
 
櫂を漕いでサバニは進みます
 
手の届くところできらきらと輝く水面。大自然のなかで山々を眺めながら、透明の海の上をふわっと飛んでいるような感覚です。とても静かで聞こえてくるのは波の音だけ。
 
帆掛け木造サバニ
 
船でしか行くことのできない浜に上陸してみたり。石垣島には名もない自然の浜がたくさんあります。
 
帆掛け木造サバニ
 
透明度が高く、海中のサンゴもご覧の通り。遥か昔から島の人たちが普通にしていたこと。いまでもサバニに乗ると思う、「至福の時間」を少しでも感じてもらいたいと吉田さんはいいます。
 
いま現在、八重山でサバニ乗船体験ができるのは吉田さんのところだけ。ほかの人が同様のツアーを始めるためのサバニを制作し、手助けもしていることに対し、「なんでわざわざライバルを手伝うのか」と言われることがあるそう。吉田さんは、「普及させるためにやっているんです。すたれてしまったサバニの文化を残すためには底が浅すぎる。同業者を増やしたいと思っています」と話します。
 
帆掛け木造サバニ制作
 
かすがいの役目であるフンドウ。これを木と木の継ぎ目に打ち込んで繋ぎ合わせます。使う釘は竹釘だけです。海のうねりにも耐え、サバニは60年から100年ももつといわれているのだそう。吉田さんがひかれるのは、そんなサバニの強さでもあります。誇れるきれいな海と先人たちが残した知恵。「サバニという文化を残したい」と話す吉田さんからは熱い想いがひしひしと伝わってきます。
 
帆掛け木造サバニ制作
 
高齢で、現在は引退をしている新城さんからつい最近、「つくり続けていくうちにいい形が見えてくるからつくり続けなさい」と言われたのだそう。最近は島外からの注文も入り、つくったサバニは現在制作中のもので7艇目になります。
 
帆掛け木造サバニ造船所
 
中学生と小学生のふたりのお子さんも、ツアーの手伝いを進んでしてくれるのだそう。過疎が進む久宇良で、「いつも温かく見守ってくれている集落の人たちに恩返しをしたいし、地域の活性化にもなれば」と石垣島の中心街から離れたこの場所で腰を据えています。
 
帆掛け木造サバニ
 
海に浮かぶサバニ。これだけ見たら、何十年と変わらない風景の一場面なのだろうと思いを馳せました。受け継がれる伝統的な文化を肌で感じ、本来の自分のあり方を見つめ直す。ここだから感じられる貴重なサバニ体験をぜひ味わってみませんか?
 
 
吉田サバニ造船
住所/沖縄県石垣市平久保234-243
HP/http://www.cicadae-sailboat.com/
 
 
沖縄CLIPフォトライター 笹本真純 
 
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*この記事は、沖縄県のスポンサード記事です*
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Information

沖縄県石垣市平久保234-243