沖縄の自然や日常を布に映し出すテキスタイル作家「Doucatty (ドゥキャティ)」

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初回投稿日:2017.10.01
 最終更新日:2024.04.12

沖縄の自然や日常を布に映し出すテキスタイル作家「Doucatty (ドゥキャティ)」

沖縄本島南部に位置する南城市(なんじょうし)。ネコがのんびりと道を歩くような、のどかな住宅街の一角に、田原幸浩(たはらゆきひろ)さん、琴子(ことこ)さんの夫婦ユニット、「Doucatty (ドゥキャティ)」の工房兼ショップがあります。
 
「Doucatty (ドゥキャティ)」の工房兼ショップ
 
小さな看板の入口から先にのびる小道を進むと、見えてくるのは天井の高い大きな工房。中に入ると、色とりどりの手ぬぐいやTシャツがずらりと並び、自然とワクワクしてしまいます。
 
「Doucatty (ドゥキャティ)」の商品
 
ちょっと不思議なユニット名、「Doucatty (ドゥキャティ)」について尋ねると、
 
「沖縄の言葉で『自分勝手』という意味の『どぅかってぃ』からとったんです。
『どぅ(自分)』と『かってぃ(勝手)』。自分たちで好きに作って売ってるから、
どぅかってぃだよねーって、そんな会話から」と幸浩さん。
 
「そこに英語をあてたの。ちょっとイタリア語っぽく見えるかしら」と、隣でくすくす笑う琴子さん。
 
広告やパンフレット作りなどの、クライアントの意向に添う発注仕事をこなしたのち、自分サイズで自由に表現する手仕事スタイルへと変えていったふたり。たどってきた道のりへの思いも伝わるユニット名です。
 
それにしても、洗練された響きの名前だったので外国語と思いきや、まさか由来が沖縄だったとは!(笑)。そんな遊び心こそ、Doucattyの魅力です。
 
 
手ぬぐい
 
ふたりが描くのは、ふと目に映る身近な沖縄。島だこに島かぼちゃ、道ばたにある野草たち。種類豊富な手ぬぐいはどれも、研究を重ねながら、ひとつひとつ手染めしたもの。
 
 
Tシャツで泳ぐイラブチャー
 
こちらはTシャツで泳ぐイラブチャー。沖縄ならではの色鮮やかな魚も、ふたりの手にかかれば、こんなにポップになるんです。
 
沖縄そばの子どもTシャツ
 
沖縄そばの子どもTシャツもかわいい(うちの子に着せていました!)
 
手染めの布
 
大きな布にダイナミックに色をのせ、手染めの布も作ります。
 
 
手染めの布
 
「大判の布のいいところは、生活にわっと入り込んでくるところ。部屋につるすと雰囲気ががらりと変わったり、透ける光がきれいだったり。呼吸しているように一緒に生活できるし、暮らしの一部になるのが楽しくて」と琴子さん。
 
 
布のバッグ
 
布さえあればバッグを作ったり、ストールにもできる。服だって作れる。何に使うか決めこまずに、まずは真っ白なキャンバスに描くように色をのせ、完成してから用途を考えるのも楽しい時間だそう。
 
 
染め上がったばかりの作品
 
工房の窓の外には、染め上がったばかりの作品が風にふわりふわりと揺れるのが日常の光景。天日干しが基本だから、どれも沖縄の光と風を吸い込んだ作品ばかりです。
 
田原幸浩(たはらゆきひろ)さん、琴子(ことこ)さんの夫婦
 
「沖縄には自然はもちろん、人間的な大らかさや人とのつながりなど、あちこちで失われたものが当たり前に残っていると思うんです」と幸浩さん。
 
だからこそ、ふたりの目に映る身近なものは、どれも価値ある見過ごせないもの。決して派手さはない普段の景色から、楽しさやおもしろさをすくいとれるのだと思います。なにより、話のはしばしに『自分たちの手で創る喜び』があふれてる!
 
「できあがるまでのプロセスがとても楽しいの。毎回色の出方も違うし、にじみができたり、できなかったり。こんなに楽しいことはゆずれません」と笑う琴子さん。その喜びが、躍動感のあるタッチになり、色使いになっていくのです。
 
Doucattyが目指すのは、みんなに愛される食堂のような「他にはない味」を出した物づくり。これからもひとつひとつを楽しみながら、新たな作品が生まれていくに違いありません。

Doucatty

住所 /
沖縄県南城市佐敷新里740ー1
電話 /
098-988-0669
定休日 /
日・月曜
URL /
https://doucatty.com/
Instagram /
https://www.instagram.com/doucattykotoco/

沖縄CLIP編集部

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