【ズミ宮古島!食・工芸・島めぐりの旅③】おばぁ秘伝の郷土料理と本格的な民謡・古謡によいしれる『島唄居酒屋 喜山』

Reading Material

食べる

初回投稿日:2018.03.26
 最終更新日:2024.04.12

【ズミ宮古島!食・工芸・島めぐりの旅③】おばぁ秘伝の郷土料理と本格的な民謡・古謡によいしれる『島唄居酒屋 喜山』

宮古島(みやこじま)市内のメインストリート・西里大通りに面した『島唄居酒屋 喜山(きやま)』は赤瓦と一枚板に書かれた貫禄のある看板が目印。店名の“喜山”は、店主の辺土名(へんとな)さんの実家の屋号だそうで、このお店も“喜びが山のように集まる処でありますように”との想いも込められています。


島唄居酒屋 喜山(きやま)の店内

手作りの木のテーブルには、さりげなくお店の名前が刻印されています。店内は全席禁煙という、通りの居酒屋さんや飲食店の中でも珍しい存在。畳席もあり、小さなお子さん連れやファミリー、年輩の方でもゆったり寛いでいただけますよ。


お刺身

ウミンチュ(漁師さん)から直接仕入れる宮古島の新鮮なお魚をまずは召し上がれ。宮古といえば伊良部(いらぶ)島のカツオやマグロなどが有名ですが、喜山では美味しい白身のお刺身が味わえるのも魅力のひとつです。もちろん、握りや煮付けやマース(塩)煮、天ぷらなども堪能できます。


おすすめメニュー

その日のおすすめメニューが書き出された黒板。ブダイの仲間のイラブチャーに、アカジンミーバイ(スジアラ)などお魚の名前の表記は方言がほとんど。店主の辺土名さんのご実家は果樹園もやっているため、季節になると上等なマンゴーも登場しますよ。さてさて、ウチナーンチュの私にも意味不明なメニューを発見。『んーぎーどぅ』ってナニ!? 早速、注文してみました。


『もずく酢』『んーぎーどぅ』(芋の葉っぱ)の炒め物

お吸い物並みにたっぷり入った『もずく酢』、そのお隣が『んーぎーどぅ』です。おお! これは本島でいうところの“カンダバー”(芋の葉っぱ)の炒め物ですね。昔、おばぁが作っていた家庭の味で長寿食だそう。宮古ならではのカツオのなまり節も入っています。宮古島の方言では、芋を「んむ」、召し上がれは「んかぎる」、いらっしゃいませは「んみゃーち」ですから、本島以上に「ん」で始まる方言が多いのかもしれませんね。


パーントゥ焼きそば

続いて登場したこちらの黒い麺料理はその名も『パーントゥ焼きそば』。宮古島のお祭りに詳しい方ならピンときたことでしょう。そう、全身泥まみれの神様が集落内を練り歩き、人や物に泥を塗り厄払いをする伝統行事の奇祭パーントゥにちなんでいます。

沖縄そばをイカスミで炒めてありますから、喜山では歯を黒くしながら召し上がれ。また、お店で使っている器は沖縄の焼き物“ヤチムン”。テーブルの上に並び料理を彩る縁から見え隠れする色柄はどれもおおらかで美しく、手を添えた時のぬくもりもまた格別にいいものです。


店主の辺土名清志(へんとな・きよし)さん

こちらが店主の辺土名清志(へんとな・きよし)さん。フロアも切り盛りしながら、料理もこなすほどの腕前、お店の爆笑ライブでも歌・三線を披露したりとマルチな才能の持ち主です。お店以外でも、ご実家の果樹農園の作業もこなし、“だいず ぱたらきむぬ”(とっても働き者)です。


島唄居酒屋 喜山の記念ボトル

喜山では、宮古ならではの地元のめずらしい泡盛もたんとご用意。飲み放題プランなどもありますよ。


民謡歌手の與那城美和(よなしろみわ)さん

美味しい料理にお酒が揃ったら、さあ、ライブで盛り上がりましょう。フロアの一画に設けられたステージでは、1日3回のステージが繰り広げられます。この日の出演は内外でも高い評価を受ける民謡歌手の與那城美和(よなしろみわ)さん。貴重な宮古島の古謡も聞くことができます。


宮古の有名な民謡『クイチャー』

ライブのクライマックスは客席を巻き込んで、宮古の有名な民謡『クイチャー』で大盛り上がり! 豊年祭や雨乞いなどの祭祀で歌い踊り継がれてきたこの伝統的な民舞、沖縄本島の『カチャーシー』とはまた違った魅力があります。カチャーシーはその場で踊りますが、クイチャーは人々が輪になって手足を振り、声を合わせながらまわります。一説には『クイ(声)をチャース(合わせる)』がその語源とも言われています。ウチナーンチュの私は、クイチャー初体験でしたが、この一体感、最高でした。


島唄居酒屋 喜山

地元の滋味を味わう喜び、人々が大切にしてきた歌や芸能にふれ共に楽しむ喜び。その土地で生まれ育まれたものに、迎えられ、満たされていく心地よい島時間。“旅人に喜び多き、懐深き山”喜山の夜をぜひご堪能くださいね。

島唄居酒屋 喜山

住所 /
沖縄県宮古島市平良西里244
電話 /
0980-72-6234
営業時間 /
17:00~24:00
定休日 /
火曜日
Facebook /
https://www.facebook.com/8131kiyama/
Instagram /
https://www.instagram.com/kiyama_shimautaizakaya/

沖縄CLIP編集部

同じカテゴリーの記事