伝統工芸に挑む若手沖縄紅型作家・新垣優香さん

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歴史文化

初回投稿日:2013.08.02
 最終更新日:2024.03.27

伝統工芸に挑む若手沖縄紅型作家・新垣優香さん

沖縄にはたくさんの伝統文化があります。
その中で今回は「紅型(びんがた)」をご紹介。
「紅型」とは、沖縄で代々受け継がれてきた染色技法です。
沖縄では色の事を「紅」と言います。型を使い染色するので「紅型」と呼ばれます。
紅型を使った着物は、王族と士族のような身分が高い者だけが着用を許されていました。
色鮮やかな配色と、沖縄独特のデザインがとても美しく魅力的です。
この伝統工芸「紅型」を受け継ぐ若き女性作家と出会いました。

紅型(びんがた)


伝統的なデザインや技法の上に、女性の独特な世界感を融合させているような現代的な作品。

新垣優香(あらかき・ゆうか)さん


沖縄県出身の新垣優香(あらかき・ゆうか)さん。

幼い頃から絵を書く事が好きだったという新垣さん。
紅型を学んでいた姉の影響を受け、自らもデザインと紅型を学ぶ為、沖縄県立首里高等学校、染織デザイン科へ入学。
そこで初めて紅型に触れ、ものを作る喜び、表現をする楽しさを学んでいきました。

紅型(びんがた)

 


高校卒業後、紅型に関してもっと本格的に学びたいと思い、首里流染(しゅりりゅうせん)、玉那覇紅型(たまなはびんがた)工房へ入ります。

伝統的な紅型の様々なエッセンスを学ぶうち、紅型に伝統技法を融合させ、新しい表現にチャレンジしたと思うようになったそうです。
さらに沖縄県が主催している伝統工芸支援センターに入学。再び基礎から学び、卒業と同時に独立。

現在は、帯や着物を作りながら、パネルや小物なども製作。作品の幅をどんどん広げています。
20歳から毎年出展していた「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」では、2011年、2012年と二年連続で大賞という快挙を成し遂げました。

「続ける事の大切さは、紅型を通して学ばせてもらった宝物のひとつです」。
そう語る新垣さんに、今後の展望をお聞きしました。

紅型(びんがた)

 

紅型(びんがた)
「いつか結婚して子供ができても、その中で感じた事、学んだ事を表現して、また新しい紅型作品を作り続けていきたい」。
現代女性ならではの感性と、伝統の融合。今、沖縄で大注目されている彼女の作品です。
 

紅型作家 
新垣優香(あらかき・ゆうか)
ブログ:http://yuuka-arakaki.blogspot.jp/

受賞歴
2007年 第16回(平成19年度)りゅうぎん紅型デザイン公募展 奨励賞受賞
2009年 第18回(平成19年度)りゅうぎん紅型デザイン公募展 奨励賞受賞
2010年 第62回 沖展入選
2011年 第20回りゅうぎん紅型デザインコンテスト 大賞受賞  
2012年 第64回 沖展入選
     第34回日本新工芸展 上野の森美術館 奨励賞受賞
     第21回りゅうぎん紅型デザインコンテスト 大賞受賞

沖縄CLIP編集部

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