おばぁも旅人もコーヒーで一息。人をつなぐ小さなカフェ「パラソル」(那覇市)
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post : 2022.09.25 20:00
那覇市にある「国際通り」といえば、お土産屋さんが軒を連ね、シーズンには観光客で賑わっているイメージを持つ方も多いと思います。
しかし大通りを一本なかに入ると雰囲気は一変、地域に根ざしたマチグヮー(商店街)が広がっていることをご存知でしょうか?
カフェ「パラソル」は、そんな国際通りのすぐ近く、那覇市牧志(まきし)の商店街のなかにあります。ディープな沖縄を味わいたい方や、地元の人と交流したい方にぜひおすすめしたいお店です。
地元の人も旅人も、ここで一息
「パラソル」にたどり着くと、コーヒーを飲みながら談笑しているお客さんの姿がありました。
迎えてくれたのは、気さくなマスター、ジャンさんです。
ジャンさんがハンドドリップでコーヒーを淹れると、香ばしい香りが漂います。そして淹れ終わったコーヒーを手に向かったのは、お隣のお花屋さんと、裏手の雑貨屋さん。
「配達もやってるんですよ! 半径5メートル以内限定ですが(笑)」
その後も、近くで商売を営む人たちが次々と訪れては、仕事終わりや休憩にコーヒーでほっと一息ついている姿がありました。
「こんなちゅらかーぎー(美人)撮ったら、カメラが壊れるよー」
と冗談を言いながら取材に応じてくれたお茶目なおばぁも、カフェパラソルの常連さんだといいます。
他にも、やってくるお客さんはさまざま。一人旅で沖縄にやってきた人や、他県から移住してきた人、海外との往来があった時期は、欧米や台湾からのお客さんも多かったといいます。年齢や住んでいる場所を問わずやってきて、コーヒーを飲みながらのんびりとくつろいでいます。
ジャンさんに話を聞いてもらっているうちに他のお客さんが加わってきて、気がついたらその場にいるみんなでおしゃべりしている…というのも、ここではよく見かける光景です。
人と人が交差する、交差点のようなお店
ジャンさんがカフェ「パラソル」を始めたのは、7年前のこと。県外で子育てを終え、サラリーマンをリタイアしてから故郷の沖縄へ戻ってきたのだといいます。
「ぼくの趣味は、カフェめぐりと流木拾いなんだけど、趣味が仕事になったという感じだね。出先では必ず喫茶店に寄っていて。拾ってきた流木であれこれつくるのも好きで、ここのお店もリサイクル材を使って自分でつくったんです。お金をかけてないし、楽しんでつくったお店」。
カフェ「パラソル」のことを、ジャンさんはこんなふうに表現します。「うちには会話があるでしょ。たくさんの出会いがあって、旅人と地元の人をつなぐ場所になっている。人と人が交差する、交差点のようなお店だと思っています」。
お店にたくさん貼ってある名刺は、日本中・世界中から訪れるお客さんが残していくものだそう。別のお客さんが名刺を見てそのお店や人のところに行ってきて、ジャンさんも知らないうちにお客さん同士がつながっていた、ということもあるのだといいます。
「コーヒー屋だけど、気がついたら人と人をつないでいた。楽しい仕事ですよ」。
人と人が出会う小さなカフェ「パラソル」は、公設市場にほど近い路地のなかにあります。
商店街で気ままな街歩きを楽しんだあとはぜひ、足を運んでみてください。気さくなマスターとおいしいコーヒーが、温かく迎えてくれるはずです。
カフェ パラソル
住所/沖縄県那覇市牧志3-3-1 ガーブ川中央商店街 パラソル通り
電話/ 070-5553−4481
営業時間/10:00~17:00
定休日/日
沖縄CLIPフォトライター 八ツ本真衣
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