やんばる海人と出航!天然の水族館ならではの臨場感「定置網体験ツアー」
- 体験する
- 71
- Clip
post : 2014.06.22 12:00
“森と水とやすらぎの里”を標榜する本島最北部の国頭村(くにがみそん)。
’70〜’80年代頃まで同村の漁業を支えてきた「定置網漁」ですが、
’89年の大型台風で網が破損して以降、資金や人手不足で23年の長期に渡って途絶えていました。
しかし、国頭漁業協同組合の懸命な努力により、2012年に劇的な復活を遂げ、
さらに海人(うみんちゅ/漁師)とともに定置網母船に乗り込み、
漁を間近で見学できる観光客向けの体験ツアーも同時に発足させました。
珍種や100kg超級の大物が次々に水揚げされる臨場感に加え、
穫れたて鮮魚も味わえる、一度で二度おいしいワイルドな体験に挑戦してみませんか?
ツアーは早朝、辺土名漁港に集合。クレーンを装備した最新鋭の
定置網母船「第一くにがみ丸」に乗船、AM6時45分出航です。
参加者は濡れても良い格好が基本です。上着は動きやすく風を通さないウインドブレーカー、
履物はナイロン素材の滑らないスニーカーなどがベストです。
飲料水、日焼け止め、帽子(紐付きなど風で飛ばないもの)、サングラス、
タオルなどは各自で用意しましょう。なお、
揺れに弱い方は事前に酔い止めを飲んでおくことをおすすめします。
15分程で網が設置されたに与那(よな)沖に到着。
数えきれないほどの浮きが、その規模の大きさを物語ります。
停船後、早速網を回収。まずは海人に交じって手で網を引っ張り上げます。
ある程度引けたら電動で一気に巻き上げます。
網が狭まってくると、徐々に魚影も濃くなってきます。
魚が見えたら、タモ網で素早く船上にすくい上げます。
イキの良い魚たちとの格闘、緊張の一瞬です。
そして、この日はなんと年に1、2度しか揚がらないという
体長2m・重さ100kg以上のイタチザメ(危)が!!
ちなみに2mの大型マダラエイは、食用ではないため、
毎回掛かっては逃している常連とか…。
網に残る魚の大半はクレーンに取り付けられた大型網で回収します。
まさに大漁! 引き上げられた魚は出荷のために分類されます。
この日は、シイラ、エイ、タチウオ、イカ、ツバメウオ、
イセエビ(それにハリセンボンやミノカサゴなど所謂“雑魚”)などが揚がりました。
また、食用に向かない種類やアクアリウム向けの出荷が見込まれる個体は、
専用イケスへ放たれます。「沖縄美ら海水族館」に送られる魚たちもたくさんいるそうです。
なお、漁獲は季節によって異なりますが、
カツオやマグロなどの大物が揚がる夏場が狙い目です(写真は体長約1.2mのロウニンアジ)。
3時間強の定置網漁体験を終え帰港。
大物&大漁を前に終止興奮しっぱなしです。
そして、醍醐味は何と言っても、穫れたて鮮魚のお刺身!
漁獲のうち2〜4種類を、船上または帰港後、海人がさばいて提供してくれます。
この日のメインは、ツムブリと白イカ。フレッシュなプリプリ感は、
ほとんど活き造りです。炊きたてのおにぎりと一緒にパクっとどうぞ。
AM10時、水揚げされた魚たちは、沖縄本島中から集まった買い付け人の待つ漁協のせり会場へ。
息をのむような駆け引きにドキドキなせりの見学も興味深いです。
内容濃密、大迫力の3時間。天然の水族館ならではの臨場感と、取れたて鮮魚の贅沢な朝食。
沖縄の、一味違ったワイルドなエンターテイメントを発見しました。
定置網体験ツアー
集合場所/沖縄県国頭村辺土名264-3(辺土名漁港)
電話/0980-41-2537(予約:結くにがみ)
休/日曜・祝日(催行日:月〜金曜)
料金/大人4,000円・小人(5歳〜小学生以下)3,000円
催行時間/6:45〜9:30
催行人数/1〜10名
※料金は大人・小人ともに税込み
※利用前日15時までに要予約
※悪天候、網の修繕時などは催行不可の場合も
沖縄CLIPフォトライター 小川 研(Qey Word)
沖縄CLIPでは、みなさんがおすすめする沖縄観光情報をお待ちしております。ご投稿はこちらから。
Information