風と波を操って海を走るサバニに乗って、どこまでも

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歴史文化

初回投稿日:2014.08.27
 最終更新日:2024.03.27

風と波を操って海を走るサバニに乗って、どこまでも

サバニは、帆と櫂だけ走る木の小舟のこと。

沖縄では戦前まで、海人(うみんちゅ/漁師)が漁をするために使い、

人びとの暮らしを支えていました。


時には海外にまで航海していたという記録が残っているそうで、

小さな木の舟で大海を攻略した海人の勇壮さ、

賢さに思いを馳せずにいられません。

 

毎年、座間味島から沖縄本島へ渡るサバニレースは沖縄の夏の風物詩となっていますが、

やんばるの名護では、そのサバニに乗って海上散歩を愉しむことができます。


フーカキサバニ

 

2000年、造船と操船の技術が失われていくことを憂慮した有志の手で、

途絶えかけていたサバニの伝統に再び息を吹き込まれます。

 

石垣島に住む残り少ないサバニ職人のひとり新城さんに依頼して

新しい船を建造したり、残っていた舟の修復に着手しました。

設計図はなく、1艇1艇、木と木をはぎあわせるサバニづくりに

なくてはならない、職人の経験と勘。

それを持ち合わせた86歳(2014年現在)の熟練工の手と、

サバニ文化に心惹かれた海を愛する人びとの想いがつながり、

伝統復活への歩みが始まりました。


 

実際に乗ってみると、エンジン音はなく、海面が近くて

沖縄のエメラルドグリーンの海との距離がぐっと縮まるような感覚です。

なめらかな海面がぬらぬらと揺れる海や、

無数のさざ波が光を反射してキラキラと輝く海。

海面すれすれを滑空する海鳥の目線で眺める海は、

ビーチから眺めているときよりもさらに豊かで奥深い表情を見せてくれます。


 

サバニは帆で風を受け、人力で櫂をこぐことで進みますが、

一陣の風が帆にあたり、ひと呼吸おいて船全体が滑り出す感覚は、

なんともいえない心地よさ。

風に運ばれながら、自分自身が風になったような非日常が味わえます。

 

これも、小さくて俊敏で波に強く、

「よく走る舟」としてヨット設計者を驚かせたというサバニならでは。


 

体験コースは、30分のショートトリップ(1人3500円)から

無人島へ渡る1泊2日のキャンプ(1人18,000円~・6名参加の場合)まで多彩なバリエーション。

定期的な練習を欠かさず、南国の太陽をいっぱいに浴びた笑顔が

とびきりさわやかなサバニクルーにガイドしてもらえます。

いつもは聞けない、陸での暮らしでは決して見ることのない海の話を、

たくさん聞かせてくれるはずです。

 

フーカキサバニ 【お申し込み・お問い合わせ】

住所 /
沖縄県名護市東江2-8-47
TEL&FAX /
098-988-3821
メール /
info@f-sabani.net
公式サイト /
https://f-sabani.localinfo.jp/pages/3578389/biography

沖縄CLIP編集部

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