島の恵み、島の味 その16 シブイ

Reading Material

食べる

初回投稿日:2014.10.01
 最終更新日:2024.03.27

島の恵み、島の味 その16 シブイ

シブイ

 

厳しい暑さの続く夏の間、

沖縄は野菜の収穫量が極端に少なくなります。

 

そんなとき、重宝される野菜が

「シブイ」です。

 

県外でいう冬瓜(とうがん)のこと。

耳慣れない名前ですが、

味が渋い訳ではありません。

 

沖縄では、5月から9月頃という長い収穫期間と、

冬まで保管が出来るので、野菜が少ないこの季節、

家庭の食卓を助けてくれる優れもの。

市場に行けばズラリと並んだ冬瓜の姿が見られます。


冬瓜

 

冬まで保管が出来る瓜として「冬瓜」という名がついたと言われています。

 

沖縄ではシブイという名で親しまれ、家庭菜園でも比較的育てやすい野菜。

民家の壁にのびる蔓をたどっていくと、

ぷっくりとした艶やかなシブイを見つけることも。


冬瓜

 

さまざまな効能も期待され、

利尿作用があり、むくみやすい季節に食すといいとされています。

 

冬瓜の皮を乾燥させたものを煎じて服用すると

痰が切れやすくなる効果があり、我が家でも実践しています。

食べ物は、私たちの身体にいろいろな作用を施してくれるので、

食材の性格を知ることで、日頃の体調管理に取り入れていきたいですね。

 

今日はシブイを使った、煮物をご紹介します。

 

【シブイの海老あんかけ】

 

シブイの海老あんかけ

 

【材料】

・シブイ   1/2 個

・海老    6尾(細かくみじん切り)

・生姜    1かけ

・酒     大1

・ナンプラー 大2

・鰹だし   2カップ

・塩     少々

・水溶き片栗粉 大2

 

【つくり方】

1.シブイを縦半分に切り、さらにそれを縦に切ってから、皮をむいて

 扇形になるように3cm幅で切っておきます。

2.鍋に鰹だし、塩を入れ中火にし、シブイを入れます。沸騰してから弱火で下茹でします。

3.串がすっと入る程度に火が通ったら、シブイを取り出し容器に移します。

 (茹で汁はその後使いますので、捨てないでください。)

4.3の茹で汁を再び火にかけて、生姜(みじん切り)、酒、ナンプラーを入れて沸騰したら、

 海老のみじん切りを入れ、よく箸で混ぜながら一煮立ちします。水溶き片栗粉を回し入れ、

 だまにならないようにとろみをつけます。

5.下茹でしたシブイを容器に盛りつけ、4の海老あんかけを回し入れて完成。


しぶい

 

東京で暮らしていた頃は、醤油で炊いていたのですが、

沖縄に来てからはシブイの煮物はナンプラーで炊くのがお気に入り。

瑞々しい冬瓜を一口頬張ると、

海老の風味とあっさりとしたナンプラーの香りが広がります。

暑い季節、さっぱりといただきたいのでシーフードや白身魚のそぼろがお薦め。

秋から冬にかけて、鶏や豚肉のそぼろでこくを重視して。

 

夏は器ごと冷蔵庫で冷やして、火照った身体をいたわり、

冬は生姜を利かせて温かい一品としていただくのがお薦めです。

 

monobox(河野哲昌・こずえ)

同じカテゴリーの記事