チャーミングな顔立ちにひとめぼれ♡ 「島次郎工房」の漆喰シーサー
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post : 2014.10.13 21:00
沖縄県中部に位置する読谷村(よみたんそん)。
何もさえぎるものがない空のもと、
横目で青い海を眺めながら
車を走らせてたどり着く住宅街に、
漆喰(しっくい)シーサーを作る
島次郎工房(しまじろうこうぼう)はあります。
看板もないし、大きな宣伝もしていません。
それでも雑誌やサイトでひと目見たシーサーの
愛くるしい表情が忘れられなくて
ここまで足を運ぶお客さんがいます。
私も、そのひとりでした。
工房におじゃますると大小のシーサーが
ずらりと並んでお出迎え。
漆喰ならではのざらりとした質感と
どこに置いてもすっとなじむ自然な色合い、
何よりユーモラスな表情が特徴で、
くすっと笑ってしまう心和むシーサーです。
そもそも漆喰シーサーは、
瓦葺き職人が屋根葺きの仕事をくれた
家主へのお礼に作ったのがはじまりだそう。
作業後にあまった漆喰と赤瓦で作りました。
これが赤瓦屋根の上にちょこんとのった
魔除けのシーサーのはじまりです。
島次郎工房のシーサーは
混ざりものなしの漆喰100%。
昔ながらの作り方にならって、
大きなシーサーには赤瓦も使われています。
(↑写真は鼻と舌、しっぽと胴体が瓦)
手のひらサイズで
こんなに可愛らしいものも。
にぎやかな色合いはお土産にぴったり。
置きもの以外にも、
風に揺れると珊瑚がカラカラ鳴る風鈴や、
ストラップ、お香たてもあります。
くりくりっとした目玉が可愛いこちらは
ガジュマルに宿る沖縄の精霊、キジムナー。
バラで買える干支の置きものもあり、
いずれも何か話しかけてきそうな
愛嬌たっぷりの表情が魅力です。
緑豊かな庭が見える場所で、
日々シーサー作りに励むのは
中野充都里(なかのみどり)さん。
どんなに忙しくても、
必ずシーサーと向き合う時間を作るのが日課です。
ほどよいかたさまで乾かした漆喰で
ひとつずつパーツを作り、組み合わせ、
乾かして色を塗り、また乾かして。
漆喰は中の水分が抜けることで強度が高まります。
だから日々の制作は、天気とにらめっこ。
どんなに小さいものでも1週間はかかると言います。
愛らしい表情がどのように生まれるのか尋ねると
「実はあまり考えてないの」という意外な答え。
頭では考えず、手が動くままに作るのだそう。
「シーサーを作っている時は無心になれるんですよ。それが心地よくて楽しくて、1日の作業を終えた時には気持ちがすっきりしている。こんな日々の営みが仕事だと思うと幸せだなって」
奇をてらうことなく、心のおもむくままに。
作りたいものを素直に作る気持ち、
もの作りを楽しいと感じる心が
誰をも癒すユーモラスな表情を生み出すのかもしれません。
今後は昔ながらのシーサーが残る
八重山に行ってみたいという中野さん。
ルーツを探り、大切に保存されているシーサーを巡る旅。
そこからまたインスピレーションがわき、
新たな作品へとつながっていくのでしょう。
島次郎工房(しまじろうこうぼう)
住所/沖縄県読谷村渡慶次47‐5
電話/098‐958‐4610(9時~11時30分に訪問可能かご確認下さい)
ブログ/http://okashimajirou.ti-da.net/
※訪問できる時間は14時~17時になります。
工房は住宅街にあるので近隣に配慮してお願いします。
沖縄CLIPフォトライター 小野暁子
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