名護で2番目に小さなまちの心豊かな祭り

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歴史文化

初回投稿日:2015.03.22
 最終更新日:2024.03.27

名護で2番目に小さなまちの心豊かな祭り

この記事は、2015年に開催された「勝山シークヮーサー花香り祭」のイベントレポートです。最新のイベント情報は、主催者のWebサイト等をご確認ください。

 

 

名護市にある55の字(あざ)の中で、2番目に小さい集落でありながら、

循環型農業や地域活性の祭りで、大きな力を発揮している勝山(かつやま)。

 

名護市勝山の三大自慢は「山」と「ヒージャー(山羊)」と「シークヮーサー」で、

その3つをいっぺんに楽しめるのが、『勝山シークヮーサー花香り祭』です。

今年でもう11年目で、3月14日(土)と15日(日)の2日間にわたって開催されました。


 

勝山は、安和(あわ)岳、古巣岳の麓にあることもあり、

この祭りでは、安和岳〜古巣岳への本格トレッキング5時間コースや

初心者向けの花見散策1時間コースなどが楽しめたりします。


 

そして、勝山が一般的によく知られているのは、シークヮーサー。

「県内のシークヮーサーのなかでも最も上等」と評価が高く、ブランド力をもっています。

祭り会場では、勝山のシークヮーサージュースが1杯100円で飲めたり、

完熟シークヮーサーが、1袋300円で販売されていました!


 

シークヮーサーはヒラミレモンともいわれるほど、レモンに匹敵する酸っぱさがありますが、

シークヮーサーが完熟するとクガニ(黄金)と呼ばれ、みかんのように甘くなるのです。

 

地元農家の安村弘充さん家が作った“世界一おいしい”と称される勝山クガニは、

最盛期を迎え、とっても甘くて食べごろですよ!


 

それから、もうひとつの自慢が、ヒージャー(山羊)。

祭り会場では、栄養価の高い滋養強壮食品としても人気のヒージャー汁が

ライス付きで1000円で食べることができました。


 

そして、祭りの目玉イベントのひとつが、ヒージャーオーラセー!

つまり、闘山羊(山羊の決闘)です!

沖縄のヒージャーオーラセーで歴史的にもっとも古いのが勝山ということで、

瀬底島や那覇市からも、愛好者たちが強者の山羊を引き連れて集結。

 

前足を上げて頭突きを入れたり、角で相手を押さえ込んだり。

審判が危険だと判断すると山羊の間に入ってレフリーストップ。

まるでプロレスのようです。

また闘争心がなくなると、平和的に試合終了します。


 

勝山で山羊を飼っているのは、じつはそれ以上にふだん活躍していて、

シークヮーサー畑の草を、山羊に食べてもらったり、

山羊のフンが良質な堆肥になったりと、循環型農業が評価され、

2015年2月には、全国環境保全型農業推進コンクールで

農林水産省の生産局長賞を受賞したそうです。


 

ということで、山、山羊、そして農業、

自然と人のいとなみが共存共栄している勝山ならではの祭りです。

そして何より、「お金よりも心です」と祭りの挨拶にもあった通り、

心豊かに暮らしている勝山のみなさんとふれあえる機会です。

 

また『勝山シークヮーサー花香り祭』は、

ヒージャーオーラセーを無料で観られる絶好の機会ですので、

よろしければ、ぜひ一度ご覧になってみてください。

 

桑村 ヒロシ(KUWA)

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