くぅーすの杜 忠孝蔵(ちゅうこうぐら)後編
くぅーすの杜 忠孝蔵(ちゅうこうぐら)後編
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初回投稿日:2015.03.23
最終更新日:2024.08.16
最終更新日:2024.08.16
泡盛酒蔵の見学へ行く!「くぅーすの杜 忠孝蔵」後編
泡盛に縁遠かった私が、沖縄に遊びに来たのんべえの先輩に連れられて、初めての酒蔵見学へ。
向かったのは1949年創業の「くぅーすの杜 忠孝蔵(ちゅうこうぐら)」。
窯を見て蔵を見て、ようやくお目当てのマンゴー酵母仕込みの泡盛とご対面。
酒蔵見学【後編】は、試飲するところからスタートです(【前編】はこちら)。
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さてさて待ってましたの試飲タイム。
忠孝蔵では約30種類もの銘柄を飲めるそうで、ずらり並ぶ泡盛を前に目が泳ぐ泳ぐ(笑)
けれど、ここは初志貫徹。
酒びんの陳列をくぐり抜けて向かうはマンゴー酵母仕込みの泡盛だ。
飲み慣れていないなら「まずは水割りで」と案内役の玉城さん。
前回も記したが、沖縄で泡盛を飲むなら水割りが定番。
理由は、食事中もその後もえんえんと飲み続けるからだという。
なにせ長丁場。アルコール30度の泡盛をロックやストレートで飲むと長時間はもたないし、食事に合う度数というのも、15~20度なのだそうだ。
忠孝蔵では、酵母や仕込み法、度数の違うおすすめの9銘柄を、味や香りが最もわかる20度の水割りで用意している。
同じ度数で飲んでこそ、味比べしやすいためだ。
早速すすめられたマンゴー酵母仕込みの泡盛、「三年古酒」をいただくことにした。
古酒(くーす)とは、泡盛を三年以上寝かせたもの。熟成させた酒である。
初めに43度という原酒のにおいをかいで驚いた。
細いびんの口からふわり漂うのは、甘やかなバニラの香り。
まるでケーキのようなのである。
「え、これが泡盛ですか?」
目をぱちくりさせる私に
「それこそがマンゴー酵母の特徴なんです」と玉城さん。
隣でのんべえの先輩は、したり顔だ。
そして、ひと口ふくんでまたまた驚いた。
舌にのせ、さらりと広がるやわらかな甘み。
飲んでなお余韻を残す、丸みのある香気とふくよかな旨み。
予想していたものとはまるで違う。
「お、おいしい。しかも飲みやすいっ」
沖縄移住前、泡盛といえばロックで飲み、のどがかーっと焼けていた。
それが水割りにしたとたん、こんなにも旨みを感じるなんて……
「これならくいくいっといける!」
かくして「泡盛=強くてクセのある酒」の方程式はガラガラと崩れさった。
強いのではなく、自分に合わない飲み方をしていただけだった。
年月を重ねた古酒ほど、クセがあるという思い込みも大間違い。
泡盛は熟成すればするほど甘くまろやかになっていくのだ。
マンゴー酵母には、古酒の特徴である甘い香り成分、「バニリン」のもととなる「4‐VG」が、
従来より10倍以上も含まれるという。
つまり、この酵母で仕込むと、甘く口当たりがやわらかくなるのが早いのだ。
だから、新酒と3年寝かせた古酒を飲み比べると味も香りもかなり違う。
たった3年でこれだけ変わるのが、マンゴー酵母の特徴なのだ。
泡盛に対する勝手な思い込みがどんどん崩れていく横で、先輩はニヤニヤしながら試飲をしていた。
それは10年前と変わらぬ笑顔と飲みっぷり。
言葉より態度でいつも大切なことを教えてくれた。
「まずは飲んでごらん。泡盛を飲まないなんて、もったいないよ」
心の声が聞こえたようだった。
そこからは負けじと試飲に参戦。
他の銘柄も飲み比べていくと、その味の違いに驚くばかり。
たいていどれも似たようなものだと思ったら大間違いなのだ。
「忠孝蔵では酵母、麹、度数、熟成期間が違う泡盛をたくさん置いているんです。
だから味の振り幅が広くて個性が出る。泡盛初心者の方、詳しい方、
誰もが好みの1本を見つけられるように味にバリエーションをもたせています」と玉城さん。
そして最後にいただいたのは、五年、十年、十五年の古酒を味わえるセット(有料)
熟成を重ねた古酒は水で割らず、小さなおちょこでなめるように味わう。
しかも空気に触れるうちに味がどんどん変わっていくという。
それがまた泡盛の楽しさ。奥深さ。
あぁ、なんだろう。この爽快感と幸福感は。
縁遠い酒だと思って、こちらからぴしゃりと閉めていたシャッターを
ガラリと開けてもらい、縁をつないでもらった心もち。
目の前が晴れやかだ。
百聞は一見、いや一献にしかず。
新たな扉を開いてくれた先輩に感謝である。
三年古酒はとろりとして、甘いお酒が好きな方には飲みやすいと思う。
寝かせるほどに、甘みや香りが変化するのも楽しみだ。
もし忠孝蔵まで行く時間がない方は、国際通りにあるHAPINAHA(ハピナハ)内の「忠孝マイブレンドショップ」もおすすめである。
5つの泡盛のテイスティングを行い、自分だけのオリジナルブレンドを作れるのだが、そのひとつがマンゴー酵母仕込みの五年古酒なのだ。
こちらで試飲しつつ、味比べをするのもお楽しみ。
泡盛ならではの奥深い世界を味わってほしい。
くぅーすの杜 忠孝蔵(ちゅうこうぐら)
- 住所 /
- 沖縄県豊見城市伊良波556-2
- TEL /
- 098-851-8813
- Webサイト /
- http://www.chukogura.com/
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