沖縄市のディープスポット、コザにある深夜喫茶音洞で五感の全てを刺激する。
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post : 2015.03.25 23:00
お久しぶりです、食いしん坊のSandyです! 沖縄に来て驚いた事のひとつは、沖縄のシャーマンであるユタと呼ばれる人達や神を祀る聖所である御嶽(うたき)など、スピリチュアルな世界がとても生活のそばにあるという事。そんな沖縄で生きる事に欠かせない「食」と「スピリチュアル」が融合したイベントを、沖縄市のディープスポット、コザにある深夜喫茶音洞で見つけました。
見てください!これなんだと思いますか?
料理人が呪術を行う様に色とりどりの食材をテーブルの上に配置していき出来上がるのはなんとも緻密で鮮やかな美しいマンダラ。こんな食のありかたがあるんだ!という驚きとダシも使わず塩を中心としたシンプルな味付けなのに野菜って本来こんなに旨味があるんだ!という衝撃が口に広がります。
音洞で行われる「LIFE」は宜野湾(ぎのわん)出身の料理人、サヨコさんが沖縄の野菜を用いてマンダラを描き、その場で食してもらうというイベント。
「沖縄にはもともとウサンデーといい、お盆やお正月にご先祖様に供物をささげ、その後に食すという文化があります。一度ご先祖様が手をつけたものは特別なんだよ、という中で育ったので、食べ物に願をかけたり思いをこめたりするという事が、自然と生活に入り込んでいました」
ある日、サヨコさんはチベットの僧侶が数日かけて色の付いた砂を用い繊細に描いて行くマンダラ、砂マンダラに出会います。
「砂マンダラを初めに見た時に、沖縄の土着的な文化ー食べ物に願をかけ食すという文化を、食材を使ったマンダラという形で表現できないか、と考えました。料理を「盛る」のではなく「配置」することで願いをかける…。それは料理をする自分だけではなく、お客さんや音のバイブスでその時にしかできないものができるんじゃないかって」
砂マンダラは「形あるものはいつかは滅びる」という仏教の考えから一時間以内には掃き捨ててしまうのですがフードマンダラも鑑賞する時間はとらず、出来上がるとすぐに食してもらいます。
それはマンダラが完成して終わりではなく、口に入り、消化活動が初まり最終的に排泄して環境に循環していく、その流れも含めての完成だから。
一度マンダラが食されたあとはサヨコさんが再びマンダラを描いているそばから、次々と人々がそれを食して行きます。
食材は全て、その日の朝市場から仕入れた沖縄の採れたての野菜。植物は土に直接根をはって、太陽の光や雨など地球環境に育てられ凝縮された自然の滋養が詰まっています。
「特に甘味がそうなんですが、収穫後流通したり時間が経つにつれ、次第にどんどん失われていく味があるんです。新鮮なうちが一番色々な味が詰まっていて、それが食べた人に有無を言わさない刺激を与えるんです」
マンダラを構成しているひとつひとつの要素は、すべて手作業によるもの。型抜きでやれば見た目も綺麗になるし効率もあがりますがあえてそれを選択しないのは、サヨコさんの中に効率の果てにあるものに感動はないし、不揃いのものに美しさは宿る、というこだわりがあるからです。
異なる個であるものが、全体で見るとひとつになっている様は一人一人が完全な存在でありながら、ひとつの宇宙を構成している私たちとリンクしています。
全は一なり、一は全なり
というサヨコさんの哲学です。
そしてこのイベントでとても重要な要素になっているのが京都出身のDJ SINKICHIのつくる音世界。単なるBGMとは全く異なり、その音によってサヨコさんはもちろん食すお客さんの体験をもより深みへといざなってくれます。
「音も空間も光も食も、そういう複合的なものが交わった一つの体験として遊びに来てほしいです」
視覚、味覚、臭覚、触覚、聴覚。
まさに五感でフルに楽しめるイベントです。
次回のLifeの予定はまだ未定ですが、
彼女の動向を知りたい方は是非ブログかTwitterをフォローしてみてください!
http://ameblo.jp/vegancasbahkoza6/
沖縄CLIPフォトライター Sandy
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