那覇空港近くのツルツルしこしこ自家製木灰そばがおいしい「とらや」
那覇空港近くのツルツルしこしこ自家製木灰そばがおいしい「とらや」
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初回投稿日:2022.04.22
最終更新日:2024.08.29
最終更新日:2024.08.29
限られた木灰そば店のなかで、もっとも那覇空港に近い木灰そばのお店が「自家製麺 木灰そば とらや」です。
「木灰そば」というのをご存知でしょうか?
木灰はそのまま「モクハイ」と読んだり、ウチナーグチ(沖縄のコトバ)で「モッカイ」と言ったりします。意味はそのまま字のごとく、樹木を燃やしてできた灰のこと。
現在の沖縄そばの麺は、小麦粉と塩と“かん水”から作られています。ところが戦前は、かん水の代わりに、“灰汁(木灰を水につけて置いた上澄みの部分)”を用いていました。これが「木灰そば」です。
たいへん手間がかかるため、いまでは木灰そばのお店は数えるほどになりました。限られた木灰そば店のなかで、もっとも那覇空港に近い木灰そばのお店が「自家製麺 木灰そば とらや」です。
2006年9月にオープンした「とらや」は那覇空港からクルマで約10分。ゆいレールでは「那覇空港」から2駅目の「小禄(おろく)」駅下車、歩いて10分足らずです。
店内のさりげないやちむんが沖縄らしい
店内にはカウンター席とお座敷が用意されています。地元の方はもちろん、観光客の方も多いそう。シンプルなメニューは、かえって期待値を上げますよね。
「本ソーキそば」は骨付きのあばら肉が別皿に付いてくる木灰そば。「沖縄そば」は三枚肉が乗った木灰そばです。平日はセットメニューが人気で、とくに「ちきなーじゃこのせご飯」が人気だとか。「ちきなー」とはからし菜のことで、沖縄ではポピュラーなお野菜です。
席に着くとサービスで自家製浅漬を持ってきてくださいます。お漬物を取り分ける小皿はやちむん(沖縄の焼物)。“やちむん、いいなぁ。ステキだなぁ”と店内を見回すと、お箸立て、爪楊枝立て、観葉植物の鉢まで贅沢にやちむんです。店内のさりげないやちむんが沖縄らしくてイイ感じ。
かわいらしい小型の製麺機。オーナー店主、最初はこの製麺機で木灰そば作りの練習をされていたのだとか。
まったくの独学で木灰そばを完成させた店主。樹木を焼いて灰をつくり、できた灰を水に漬け、数日寝かせて灰汁にする。そして、ようやく麺作りがスタート。すべての工程をおひとりでなさっています。
「一般的な作り方であれば数時間でできますが、灰汁をつくる工程を入れると、木灰そばは作るのに4~5日はかかりますね」とのこと。
麺場は立入禁止。「麺場は大切な仕事場。ここが勝負どころですから」と店主。木灰そばを作れるお店は少なく、ほとんどが家族経営のため、その製法は門外不出。
誰からも習うことなく、たったひとりで試行錯誤を重ね、ようやく作り上げた「とらや」の木灰そば。ポツリポツリと、多くは語られない分、木灰そばに並々ならぬ想い入れがあるように感じました。
透明な鰹出汁のスープに白い麺。木灰麺の白さが美しく感じます
三枚肉の乗った「沖縄そば」とご飯もので一番人気の「ちきなーじゃこのせご飯」。どちらも器はずっしりとした沖縄のやちむん。透明な鰹出汁のスープに白い麺。木灰麺の白さが美しく感じます。木灰そばをひとくち食べてみて、最初に思ったのは、「麺がおいしい!」。
あっさりとしたスープに、ツルツルしこしこの麺はとても美味しく、一気に食べてしまいました。人気の「ちきなーじゃこのせご飯」もちょうどよい塩加減でご飯がおいしく進みます。
一度お試しいただきたい「とらや」のツルツルしこしこ木灰そば。大晦日は深夜0時まで営業されています。今年の年越しそばは、那覇空港近くの「とらや」でいかが?
安積美加
自家製麺 木灰そば とらや
- 住所 /
- 沖縄県那覇市赤嶺1-5-14 金城ビル1階
- TEL /
- 098-858-2077
- Webサイト /
- http://tabelog.com/okinawa/A4701/A470103/47002599/
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