【ズミ宮古島!食・工芸・島めぐりの旅⑤】伊良部島、自然探訪とハーブランチで深呼吸!
【ズミ宮古島!食・工芸・島めぐりの旅⑤】伊良部島、自然探訪とハーブランチで深呼吸!
Reading Material
あそぶ
初回投稿日:2018.04.04
最終更新日:2024.09.02
最終更新日:2024.09.02
2015年に宮古島(みやこじま)と日本最長(約3.5km)の無料通行橋“伊良部(いらぶ)大橋”で結ばれた伊良部島。自由気ままなレンタカーでのドライブもいいものですが、地元の人にエスコートしてもらいながら“島の素顔”にふれる旅もまたいいものです。さあ、『伊良部島ハーブベラ畑』の体験観光プログラム“伊良部島自然探訪とハーブランチ”に出かけてみましょう!
1枚目の写真を見てすぐに場所がわかった人は宮古ツウですね。伊良部大橋を渡って右手にある『ヤマトブー大岩』です。道路沿いから眺めることがほとんどかもしれませんが、実は、岩の脇には階段があり、そこをのぼると岩と岩の間からの神秘的な光景や眺望が一気に開けます。写真の男性が、伊良部島ハーブベラ畑のオーナーで体験観光プログラムを企画・運営する近角敏通(ちかずみ・としみち)さん。近角さんは、あらかじめゲストの要望に合わせ案内する場所を選んでくれますが、当日、ゲストと会ったインスピレーションで“ここに行きましょう!”と行き先を整えてもくれます。この日は、植物に関連する仕事をしているゲストを中心にイメージ、コーディネートしてくださいました。
ヤマトブー大岩とその隣の岩の間の空間からは、はるか向こうに伊良部大橋も望めます。ここは通称“風の谷”と呼ばれる、とても神聖な場所のひとつなのだそうです。
「ガイドブックには載っていない、地球の美しさを感じられるような自然の場にご案内したいんです」と近角さん。東京から伊良部島へ移住して20年。その長い年月の間に、まつりごとを司る島のおばあさんから“その空間が持つ役目やいわれを含め、ひとつずつ丁寧に大事に教えてもらった”という土地や場所へ案内してくれます。
次に訪れたのはすぐ近くの亜熱帯樹林公園。私たちの他に人影はなく、緑の大天井画のように、樹木は天空にまで枝を張り、青葉を風にそよがせ、根やヒゲは岩肌からも繰り出しています。これだけ緑に囲まれた空間に立っていると、まるで森という大きな胎内に入り込んでしまったような感じです。
小径を歩いていると、目の前をふわふわと風に乗って飛んできて地上に着地したわたぼうしのような植物、絹の糸の作り物のようですらあります。かと思えば、ヤシの葉が風で小刻みに揺れる姿を見て、「見た見た?今、ヤシの葉、ダンスしてたよね!」と大興奮の声をあげる女子5名・・・。
ホウビカンジュ(鳳尾貫衆)というツルシダ科の植物。鳳の尾のように長く垂れ下がった葉が印象的です。宮古地方ではその新芽は“宮古ぜんまい”の愛称で親しまれ季節の山菜としても人気です。「植物や聖なる岩からは、たくさんのエネルギーをいただけますよ」と近角さん。目をそっと閉じて、ふれるていると静かに植物からの波動やメッセージを受け取っているようです。自然崇拝・祖霊崇拝が豊かに根ざす琉球弧の島では、そこかしこに神様や精霊が宿り、人間を見護り、大切なことをいつも教えてくださる。そんなことをごく自然に感じさせてくれます。
いよいよ、近角さんが20年かけ丹精した畑へ。農薬を使わない畑では季節ごとのハーブたちが迎えてくれます。
早速、ハサミとカゴを持ってハーブを収穫させてもらいました。近づくだけで香りが漂ってくる“トゥルシー”。西洋ではとても神聖なハーブとしてホーリーバジルと呼ばれています。
そして、この時期限定のローゼルです!ハーブ好きな方にはドライのローゼルはお馴染みですが、フレッシュのローゼルが収穫できるのは冬場の短い期間だけ。私の住む沖縄本島南部でもローゼルを栽培していますが、有機肥料すら使わない近角さんの畑のローゼルはとっても元気です。
畑一面をルビー色に染め上げているローゼルは圧巻です。
思う存分、畑のハーブを収穫させてもらったあとは、畑を眺めながらののどかなランチタイムの始まりです。
前菜には、ヨーグルト風味のパルダマ(水前寺菜)のおひたし。ドライトマトとバジルのフムス。かぼちゃのアグロドルチェ。レモングラスの葉で作った箸置きがなんともステキです。
自家製パンと一緒にテーブルに並んだのは、畑で穫れたハーブを使ったハーブペーストたち。全9種類を贅沢に食べ放題。もう、これだけでお腹がいっぱいになっちゃいそうなほど、どれも美味しくついついパンに手が伸びちゃいます。
優しいピンク色のスープには、パルダマのヴィシソワーズ。赤いアクセントは、ローゼルのソルトです。
続いて、自家製ツナときゅうりのハーブサラダ。上に乗っている赤いスライスもフレッシュローゼルです。向こう側に見える透明のプルンプルンしているのはアロエベラです。
メイン皿には、シカクマメのケバブ風、宮古野菜とハーブのフリット(宮古ぜんまいも入っていましたよ!)、ピスト、紅花もちきびご飯。イタリアンやエスニック、多彩な味が次から次へと登場し飽きることがありません。
デザートには、マイヤーレモンのムースのローゼルコンフィチュール添え、ローゼルティーです。お料理のメニュー名、材料、調味料が詳しく書かれたものも配って下さるので、素材を照らし合せながら勉強にもなります。
畑で収穫されるハーブは、ハーブペーストやハーブティー、コンフィチュールなどの加工品として販売もされています。
取材時はちょうどクリスマス前だったこともあり、私たちは赤い実と緑の葉のクリスマスカラーのローゼルをツリーに見立てて部屋に飾ろう!といさんで枝ごと持ち帰らせてもらいました(笑)。家でしばらく眺めて楽しんだ後は、ローゼルの塩漬けやビネガー漬けにもチャレンジ。来年はもっとたくさん作ろう!って思うほど美味しく仕上がりましたよ。
ランチを終えると、近角さんがお気に入りのとっておきの場所へ案内してくれました。この海岸沿いに佇む、神様のいらっしゃる岩穴です。
自然のすばらしさや偉大さを知るだけではなく、そこに息づく人々の暮らしや歴史の光と影までをも映しだしてくれる、それが近角さんのツアーです。
『伊良部島自然探訪とハーブランチ』*2名以上より催行
半日コース4時間(10時半〜14時半)4,000円
半日コース6時間(10時半〜16時半)6,000円
伊良部島ハーブベラ畑
- 住所 /
- 沖縄県宮古島市伊良部仲地489番地1
- 電話 /
- 080-6482-5678
- サイト /
- http://www2.bbweb-arena.com/herbvera/
同じカテゴリーの記事
よみもの検索