新たな発見を楽しめる、今ままでにない沖縄食堂【食堂faidama】

新たな発見を楽しめる、今ままでにない沖縄食堂【食堂faidama】

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初回投稿日:2017.07.12
 最終更新日:2024.04.23

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食堂faidama
 
「那覇のまちに、島の香りを」をキャッチフレーズに、地元沖縄の素材と、県外の新しい素材のおいしい出会いを提供している『食堂faidama』。八重山(やえやま)の言葉で「食いしん坊」を意味する「ふぁいだま」をお店の名前に選んだのは、生まれ島、石垣島が大好きな高江洲美沙(たかえす・みさ)さんです。東京で知り合ったという毅さんは日本料理の経験もある、那覇出身の言葉少なで物静かなウチナーンチュ。
 
おふたりで切り盛りするこのお店の食事メニューは、2週間おきに替わる『お肉の定食』(1,296円)、『お魚の定食』(1,296円)、『お野菜とスープの定食』(1,134円 )と、『八重山そばとピィパーズジューシーの定食』(972円)の4種類。
 
食事メニューは、2週間おきに替わる『お肉の定食』の『紅豚とんかつ定食』
 
食事メニューは、2週間おきに替わる『お魚の定食』
 
「お肉」はたとえば、やんばる若鶏と島豆腐のハンバーグ。どっしりした島どうふを裏ごしして、きめ細くした後に、ひき肉と合わせて、こねて一晩寝かせた自慢のひと品。ソースはオクラを刻んで出汁と合わせてわさびを隠し味に。そして、写真の『紅豚とんかつ定食』(1,566円 )はオープン以来人気の限定メニュー。サクッと揚げられた衣と、甘ささえ感じられる柔らかくてジューシーなお肉のバランスが絶妙。
 
「お魚」は夏場なら、マンビカーと呼ばれている近海もののシイラを山椒の味噌煮で。味噌には三宅島産の山椒が練りこまれ、さらには、地元沖縄のヒレ山椒がトッピングされています。また別の日には、八重山漁協から取り寄せたシマガツオを西京漬で出してくれたりと、必ずひとひねりが加えられています。
 
前菜
 
『お野菜とスープの定食』のスープは、コーンポタージュ、かぼちゃポタージュ、トマトスープ、ミネストローネ、アーサ汁、もずく・生姜・豚肉スープなど、バリエーション豊富。沖縄が誇るブランドにんじんの“ちゅらキャロット”や、ローゼル、昆布、玉ねぎなど、ドレッシングのレパートリーが豊かすぎる具だくさんのサラダと合わせると、使われている野菜の種類は20種類を超えることも。「『一週間分の野菜を食べたー!』と大満足してくれるお客さんも少なくないですね」と美沙さんも嬉しそう。トッピングも季節によって変わりますが、お刺身用の鮮魚を贅沢に使用した「石垣ツナ」や、レモングラスで炒めて下ごしらえしたエリンギは大人気。さらに、お野菜とスープの定食は、なんとご飯は白米かジューシーから選べます!椎茸、にんじん、豚肉、昆布などを具材にしたジューシーは、薄味でピィパーズの香りが爽やか。美沙さんが子どもの頃から八重山で食べていた味に近づけてもらったのだとか。
 
サラダに使う野菜は時期によって変わりますがだいたい7~10種類。できる限り県産ですが真夏はどうしても県外の野菜を使うことも。季節感を出すために県外の果物を使うことはよくあるそうです。
 
7~10種類野菜を使ったサラダ
 
どのメニューにも、できる限り沖縄で栽培された野菜が使われています。季節感を出すために内地のフルーツや野菜も時々活用してはいるそうですが、原則は地産地消。毎週火曜日の朝には、毅さんのお父さんがせっせと野菜を育てている「父畑」(チチハル)農園に立ち寄って、収穫されたばかりのた鮮な野菜を調達してくるそうです。
 
定食には手間暇がかけられているのが一目でわかる前菜が付いてきます。島ニンジンとキノコ、島かぼちゃと豆とローズマリー、紅芋とししとうなど、素材の組み合わせの妙を季節感とともに楽しめます。
 
お惣菜
 
デザートは3種類のチーズを使ったオリジナルのチーズケーキがイチオシ!そうそう、沖縄での出店を決めてから東京のデリで働いて、腕を上げた美沙さんが作るデリもおすすめです。テイクアウトもできますよ。
 
高江洲美沙(たかえす・みさ)さんと、毅さん
 
食堂faidamaの店内
 
「沖縄を離れていたからこそ、沖縄の食材の魅力を再認識できたんです」と美沙さんは言います。厳しくて長い夏や、肥えているとは言えない土壌という環境で健気に育つ沖縄の野菜は基本的には味が濃くて、自己主張が強い。そんな個性的な野菜が、和食畑で磨いた毅さんの腕によって、一般的な沖縄料理とは明らかに違う、新しい世界観に生まれ変わっています。菜芯やクワンソウなどの珍しい野菜や薬草がさりげなく使われていたり、おひたしで出てくることが多い小松菜を、湯がかずに生で仕上げたり、素材を新鮮な形で、しかも目でも味わえるようにセンス良く盛り付けて提供してくれるので、新しい発見や見慣れた食材の可能性を楽しめます。ちなみに、器は育陶園など壺屋のやちむんや、読谷の作家ものなど、あえて色んなテーストの陶器を選んでいるのだとか。
 
食堂faidama
 
「沖縄で生まれ育った若い世代のお客さんにも楽しんで頂けるように、今までとは違う切り口で沖縄の魅力を伝えられたら、間口も広がるはず」という美沙さんの言葉に納得の料理ともてなしと、空間づくり。沖縄の魅力をあたらしい形にアレンジしてくれる食堂faidama。観光のみなさんだけでなく、地元のお客さんにも愛されている理由がそこにあるようです。
 

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食堂 faidama(ファイダマ)

住所 /
沖縄県那覇市松尾2-12-14 1F
電話 /
098-953-2616
営業時間 /
11:00~15:00
定休日 /
月・火・水曜日
HP /
https://faidama.com/
Instagram /
https://www.instagram.com/shokudou_faidama/

沖縄CLIP編集部

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